2017年全英オープンは終盤で立て続けにスーパーショットを連発したジョーダン・スピースの優勝で幕を閉じました。
2015年のマスターズ、全米オープンに続く快挙で、キャリア・グランドスラムまであと1勝。残りのメジャータイトルは全米プロ選手権のみとなりました。
全英オープン4日間の戦いの中で特に光っていたのはパターの技術です。パターは彼の一番の武器と言っていいのではないでしょうか。
本人曰く「自分はショートゲームとパッティングが武器の選手」だそうです。たしかにドライバーの平均飛距離などはPGA選手の中ではそれほど目立ちません。(それでも平均飛距離291ヤードですが)
2017年の全英オープンでもフェアウェイキープ率は43%程度。それでもパーオン率は70%近くあり、どんなにティーショットやセカンドショットが悪くても気づけばしっかりパーを取っている印象がありました。
アプローチなどのショートゲームも超一流ですが、秘訣はやはりパター。確実に決めなければならないパーパットを沈め、ショートパットのミスは絶対にしないことでスコアを保ち続けました。彼を見ていると本当にスコアにダイレクトに響くのはパターだということを再認識させられます。
パターとグリップ
パターは長年「スコッティ―キャメロン009」を使用しています。
グリップは近年多くの選手も取り入れている「クロスハンドグリップ」通常のショットと手の位置を入れ替えて、右手が上に、左手が下にくる握り方です。
彼はもともと左利きという事もあり左腕の過度な力の入り具合を調整しているのだそうです。そしてショットの前には手をカップ方向に少し傾ける「フォワードプレス」を行います。
フォワードプレスは最初から手首や腕をターゲット方向に傾けることによって、バックスイングしやすくなり、体の軸のブレを防ぐ効果があります。フィル・ミケルソンなど多くのプロ選手も取り入れている技術です。
試合前のパッティング練習に1~2時間使うなど、非常にパターに力を入れている選手でもあり、正しいアライメントで打つためにアライメントスティックを使用して自分の打つ方向を綿密に確認しています。
プロの選手はカップを外したとしても距離感は合っていますが、そこから先のカップインをものにするためには、彼の様に常に正確なストロークとアライメントが必要となるのでしょう。
アライメントスティックを使用した練習はアマチュアの我々にも出来るとても有効な練習です。
2017年8月の全米プロゴルフ選手権でキャリア・グランドスラムなるか。メジャー最終戦から目が離せません。
基本情報
名前:ジョーダン・スピース
生年月日:1993年7月27日(24歳)
身長:185cm
体重:85キロ
出身地:テキサス州ダラス
メジャータイトル:2015年マスターズ、2015年全米オープン、2017年全英オープン
PGAツアー:11勝
世界ランク:2位(最高1位)
使用クラブ:タイトリスト
使用パター:スコッティ・キャメロン
キャリア・グランドスラム
【4つのメジャー大会を生涯のうちに制覇する事】
このうち、ジャック・ニクラウスとタイガーウッズの2名は4大メジャー大会を3回ずつ制覇するトリプル・グランドスラムを達成しています。3回ずつ制覇って・・・恐ろしい数字ですね。1年のうちに4つのメジャー大会全てを制する年間グランドスラムの達成者はまだ現れていません。