出典:株式会社プロギア
2018年4月、RBCヘリテイジでアメリカ男子ツアー初優勝。小平智は大舞台で、目標にしていた勝利をつかみ取りました。
2011年にプロツアーに参戦。チャレンジを続けて少しずつ力を伸ばし、いまや日本を代表するトッププロとなっています。
抜群のフィジカルとスキルで、ドライバーを300ヤード飛ばさなければ優勝争いすらできないと言われている世界の舞台で正確無比なショットを繰り出しています。
今回は、小平智の隠された素顔、そして抜群の結果を生むたくましさの秘密を特集いたします。
プロフィール
出典:ゴルフネットワーク
小平智 Satoshi Kodaira(28)
身長172センチ 体重70キロ
血液型B型
生年月日1989.9.11
生い立ち
東京都三鷹市出身。小平智は父・健一さんがゴルフのレッスンプロだったこともあって10歳のころにゴルフを始めました。健一さんは怒ったり練習を強いたりすることなく、ゴルフの楽しさを教えてくれたといいます。「父親から厳しい指導を受けていたら途中でゴルフをやめていたかもしれない」と話しています。
アマチュア時代
小平智は地元の公立中学を経て、駒場学園高校に入学します。高校時代はゴルフ部で活躍、関東高等学校ゴルフ選手権東京大会で3年連続優勝を果たすなど、めきめきと実力を伸ばしていきました。
2008年、小平智は日本大学に進学。翌年にはカナダで行われたアマチュアゴルフ日本代表選手に選ばれ、日本・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドの4か国チーム選手権に出場しました。
2010年秋には中国・広州市で開かれたアジア競技大会のメンバーに選出されます。このときのメンバーにはのちにプロになる松山英樹、比嘉真美子と堀奈津佳がいました。
出典:タイトリスト
同年、小平智はJGTOチャレンジトーナメントにアマチュアとして出場。
8月に鳩山カントリークラブで行われたGMAチャレンジトーナメントでは優勝を果たします。アマチュアでのチャレンジトーナメント優勝は片山晋呉以来、2度目の快挙となりました。
2010年には日本大学を中途退学、プロに転向し、翌年のツアー出場資格をかけたクオリファイイングトーナメントに参加し、42位の成績を残しました。
プロ時代
2011 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 13 | 0 | 0 | 1 | 8 |
2012 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 17 | 0 | 0 | 1 | 10 |
2013 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 21 | 1 | 2 | 5 | 19 |
米国男子 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 |
2014 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 22 | 1 | 3 | 4 | 11 |
2015 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 21 | 1 | 3 | 5 | 15 |
2016 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 24 | 1 | 4 | 7 | 21 |
米国男子 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 |
2017 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 23 | 2 | 9 | 14 | 22 |
米国男子 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 |
2018 | 出場試合 | 優勝回数 | TOP5 | TOP10 | 予選通過 |
国内男子 | 5 | 0 | 2 | 2 | 4 |
米国男子 | 17 | 1 | 1 | 1 | 11 |
2011年、小平智は13試合に出場して最高順位は10位タイ、2012年は17試合に出場し最高順位は同じく10位タイでした。
◆2013年
2013年6月、小平智は茨城県にある宍戸ヒルズCCで開催された日本ゴルフツアー選手権に出場。最終日、2位と1打差の単独首位でスタートします。最後まで競り合ったキラデク・アフィバーンラトとS・K・ホを振り切って、待望の初優勝をメジャー大会で成し遂げました。
この年は21試合に出場、トップ5にも(優勝した大会を除き)4回食い込むなど飛躍を見せました。
◆2014年
2014年の小平智は4800万円あまりを獲得、賞金ランキングで21位まで上昇しました。夏のダンロップ・スリクソン福島オープンゴルフトーナメントで優勝。日本オープンゴルフ選手権では2位タイ、カシオワールドオープンゴルフトーナメントでは3位に入りました。
出典:株式会社プロギア
◆2015年
迎えた2015年、小平智の賞金ランキングはついに一ケタ、9位にまで上昇します。10月の日本オープンゴルフ選手権では最終日、18番ホールまでもつれた池田勇太との激戦を制し、優勝。2013年に続き2回目のメジャー制覇を果たしました。
「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」、「ダンロップ・スリクソン福島オープン」でも5位タイに入るなど上々の成績を残しています。
◆2016年
この年の小平智は10月のブリヂストンオープンで優勝を遂げます。この試合では最終日、首位と3打差からスタート、5バーディ1ボギーとスコアを伸ばしトータル14アンダー、逆転で頂点に立ちました。初優勝から4年連続となる勝利でした。
11月の三井住友VISA太平洋マスターズでは3位タイ、12月のゴルフ日本シリーズJTカップでは2位タイに入るなど、年間の獲得賞金は8300万円余りで賞金ランク6位の結果を残しました。
出典:株式会社プロギア
◆2017年
2017年、小平智は10月のトップ杯東海クラシックでこの年の初優勝、11月の三井住友VISA太平洋マスターズでも2回目の勝を遂げます。国内23試合に出場し、22試合で予選を通過。トップ10にも12回(優勝を除く)ランクインしています。
年間の賞金ランキング1位は宮里優作に譲る形になりましたが、獲得賞金は1億6千万円を超えてランキングでも2位。小平智は日本でもトップクラスのゴルファーとしての地位を固めます。
◆2018年
2018シーズンから小平智は本格的にアメリカPGAツアーに参戦。3月のマスタ―ズは初挑戦で予選突破、28位タイに入りました。
翌週のRBCヘリテイジでは、初優勝の快挙を挙げます。3日目までを7アンダーの成績で終えて、首位と6打差で迎えた最終日。1番から3連続バーディで波に乗り、前半を終えます。後半は2つのボギーがあったものの、バーディも4つ奪い、首位のK・シウー(韓国)と並びました。
そしてプレーオフでは小平智が3ホール目で先に7メートルのパットを沈めてバーディ。シウーは6メートルを外し、小平の初戴冠が決まりました。
アメリカPGAツアーを制覇したのは、青木功、丸山茂樹、今田竜二、松山英樹に続く日本人史上5人目。出場15試合めでの優勝は松山英樹が達成した26試合目を抜く日本人史上最速記録です。
小平智 スイングの特徴
2017年、小平智の平均飛距離は292ヤードで国内男子ツアーの中では13位と飛ばし屋の部類に入っていました。身長は172センチと大柄ではありませんが、クラブを大きく動かしてパワーを最大限に高めることで、爆発的な飛距離を実現しています。
切り返しの位置ではしっかり右足の股関節に体重がのり、下半身が安定していることがわかります。そこから大きなスイングアークでインパクトまで持ち込んでいます。
上半身がしっかりと回転して、フィニッシュでは両手が帽子の真後ろの位置に。素晴らしい柔軟性を備えていることが最後まで美しいスイングにもつながっています。
↓↓↓小平選手のドライバーショットはこちら
ここがトップクラス
出典:株式会社プロギア
ショットの飛距離とフェアウェイキープ率から算出するトータルドライビングという数値があります。簡単にいうとこの数値が高ければ、『飛距離が出て』『曲がらない』という意味です。
もともと、小平智はこのトータルドライビングで上位に入っていました。2014年と2015年は国内男子選手の中で6位。そして2016年、ドライビングディスタンスは286ヤード、フェアウェイキープ率は60%を超えて全選手の中で2位に。
さらに2017年にはドライビングディスタンスが292ヤード、フェアウェイキープ率は65%で1位の結果となりました。
飛距離を出してしかも正確さも誇るドライバーショット。それが小平智の活躍を支える源となっているのです。
強さの秘密
出典:株式会社プロギア
もともと小平智はパターが苦手でした。2015年は平均パット数が1.7714で全選手のうち28位の結果に。練習場ではドライバーを握りたくなるのを押さえて、パターの練習に時間を費やしました。
「飽きっぽい」と自認する性格でもあるため、ゲームのようにできる練習メニューを考案、とことんパターを磨きました。
『カップから2ヤードの位置、4方向にティーを刺す。それぞれの位置からカップを狙い、3周。合計12球を連続で沈めるまで続ける』。
これがそのメニューです。取り組み始めたころは終わるまで2時間もかかることもあったとか。それでも、居残りで試合の後でも練習を続けてきました。
平均パット数は2016年1.77で19位、そして2017年に1.751で1位に。「練習は嘘をつかない」と小平智。苦手を克服するための1パット1パットを地道に積み上げて大きな成果へとつなげました。
性格と人柄
・父の教え
小平智はレッスンプロだった父・健一さんにいつも言われていたことがあります。それは「喜怒哀楽を出さないほうが相手にも弱みは見えない」ということ。
ボギーを打っても変わらずにすぐにバーディを取り返す選手は周囲から見ても怖い存在。だから、小平智は喜びや悔しさを表に出しません。プレー中は淡々と。バーディを奪ってギャラリーから祝福があっても小さく帽子のつばに手をやるだけ。父の教えに忠実なプレーを今も貫いています。
出典:PGAツアー
・結婚
2017年に小平智はプロゴルファーの古閑美保さんと入籍したことを発表しました。古閑美保さんは2008年の賞金女王。入籍した日は3月4日で「3・4(ミ・ホ)」の日だったということも報じられています。
使用クラブ
■ドライバー プロギア RS ドライバー F プロトタイプ(10.5度)/ グラファイトデザイン ツアーAD クアトロテック (75X、44.25インチ) |
■FW&UT テーラーメイド M2 フェアウェイウッド(3番、14.5度) プロギア iD nabla black フェアウェイウッド(5番、18度) プロギア iD nabla RS TOUR IU (3番20 度) |
■アイアン プロギア TUNE 01 CB アイアン (4番~PW) |
■ウェッジ プロギア iD nabla RS ツアーウェッジ プロトタイプ(52度) フォーティーン RM22 ウェッジ (60度) |
■パター スコッティキャメロン スタジオ・セレクト ニューポート2 プロトタイプ |
■ボール タイトリスト プロV1xボール |
スポンサー
Admiral(所属契約)
PRGR(用具契約・クラブ)
Admiral(用具契約・ウェア)
タイトリスト(用具契約・ボール)
今回は国内男子ツアーで大活躍し、世界を舞台に挑戦を続ける小平智のゴルフについてご紹介しました。かねてからアメリカでの戦いを望み、着々と準備。
まずは米ツアー1勝目を手にしましたが、彼の目標はさらに先の4大メジャー制覇にあると思います。小平智のプレーにこれからも熱いエールを送りましょう。