出典:アルバ
東京五輪女子ゴルフは、世界ランキング1位、アメリカのネリー・コルダが金メダルを勝ち取った。
2位は稲見萌寧。ゴルフ競技日本人選手として、史上初のメダル獲得を成し遂げた。稲見とプレーオフを戦ったニュージーランドのリディア・コーが銅メダルを獲得。
日本代表の畑岡奈紗は、安定したゴルフを行い9位タイでフィニッシュした。
目次
アメリカ代表ネリー・コルダがV!男女アベック金メダルを達成
東京五輪女子ゴルフは、アメリカの「ネリー・コルダ」が通算17アンダーで金メダルを獲得。世界ランキング1位の実力を発揮した。
初日を2位タイ(-4)で終えたネリーは、2日目を1イーグル9バーディ1ダブルボギーとし、圧巻の62(-9)をマーク。大きく首位に躍り出た。
3日目と最終日は我慢のゴルフが続いた。首位でスタートした最終日の7番ホールでは痛恨のダブルボギーを叩く。しかし8番9番で連続バーディとし、すぐに取り返す。勝負強さを見せつけた。後半も1つスコアを伸ばし69(-2)でラウンド。一時は2位稲見と並んだ場面もあったものの、後半ノーボギーのゴルフで逃げ切りを果たした。
優勝を決めた直後、姉のジェシカと抱き合って喜びを表した。
先日の東京五輪男子ゴルフでは、アメリカの「ザンダー・シャウフェレ」が金メダルを獲得しており、アメリカが男女共に金メダルを獲得した形となった。
東京オリンピック女子ゴルフ競技まとめ
概要まとめ
8月4日から8月7日にかけて、東京オリンピックゴルフ競技女子が開催された。
舞台となったのは、埼玉県川越市にある名門コース「霞ケ関カンツリー倶楽部(パー71)」。台風接近により、3日間54ホールに短縮されるという可能性も示唆されたが、無事に4日間72ホールの戦いが行われた。
今回オリンピックで引退を決めており、日本ツアーで活躍した経験もあるフォン・シャンシャン(中国/世界ランキング20位)や、前回のリオオリンピックで銀メダルに輝いたリディア・コー(ニュージーランド/世界ランキング11位)を含む60人が出場した。
日本代表は、国内女子メジャー4勝を誇る畑岡奈紗(世界ランキング9位)と、2021年ツアー5勝の稲見萌寧(世界ランキング28位)の2名が出場。
また、フィリピン代表として、全米女子オープン覇者の笹生優花(世界ランキング10位)が出場した。
五輪女子ゴルフは天候との戦いともなった。レキシー・トンプソン(アメリカ)のキャディが初日に熱中症で離脱するなど、猛暑が続いた。また、最終日最終盤では雷雲の影響でプレーが一時ストップ。選手を苦しめた要因となった。
稲見萌寧の4日間|日本ゴルフ界初と五輪メダル獲得
日本代表の稲見萌寧が、日本人初となる五輪ゴルフ競技のメダル獲得を達成した。
初日を16位タイ(-1)で終えた稲見であったが、2日目に65(-6)、3日目に67(-4)と大きく伸ばし、首位と5打差の3位タイで最終日を迎えた。
最終日前半を4バーディ2ボギーで2つ伸ばすものの、この段階で首位ネリー・コルダとは4打差。しかしここから、驚異の猛チャージを見せた。
12番ホールでは約190ヤードセカンドショットをピン横3mに付けバーディを奪うと、13番14番15番と連続バーディ。首位と1打差とし、射程に捉える。
17番の短いパー4ではセカンドショットのアプローチをピン横4mに付ける。しかしここでアクシデントが発生。入れれば首位タイに並ぶバーディパットを打つ直前に雷雲接近によりプレーが中断してしまった。
しかしここでも、流れと集中力を切らさなかった。試合再開後のバーディパットを綺麗に沈め17アンダーとし、首位のネリー・コルダに並んだ。
18番も完璧なティーショットでフェアウェイを捕えるも、セカンドショットでグリーン手前のバンカーに入れてしまう。ボールは完全な目玉状態。それでも一発で脱出に成功した。しかし残り約8mのパーパットを沈めることができず、2位タイで72ホールを終えた。
全員がフィニッシュした状態で16アンダーは稲見とリディア・コーの2人。銀メダルと銅メダルを決めるためのプレーオフが行われた。
稲見はティーショットをフェアウェイ真ん中に残す。また、セカンドを確実にグリーンに乗せ、約10メートルのバーディパットを残した。
その一方で、リディアはティーショットをバンカーに入れてしまう。バンカーからのセカンドショットを花道に運び、結果3オン。
稲見はバーディパットを確実に寄せ、タップインパー。その後、リディアがパーパットを外したため、稲見の銀メダル、リディアの銅メダルが確定した。
「日の丸を背負ってメダルを取ることができて本当に嬉しい。私の人生で一番名誉なこと」とコメントを残した。
畑岡奈紗の4日間|我慢のゴルフが続くもトップ10入り
同じく日本代表の畑岡奈紗は我慢のゴルフでトップ10入りを果たした。
初日1番ティではドライバーを大きく左に打ち込みボギー発進。ダブルボギーを含む我慢のゴルフが続いたが、初日を70(-1)でホールアウトした。
4日間を終えて「もっと調子を上げてここに来たかった」とコメントを残しているが、流石は国内女子メジャー4勝の実力者。本調子ではない中、2日目を68(-3)、3日目を67(-4)とし、3日目終了時点で8アンダーの7位とした。
最終日は前半をイーブンで折り返すも、後半は2バーディボギーなしでのラウンド。トータルで10アンダーとし9位タイで東京オリンピックを終えた。
「表彰台へ上がるためには、最終日、最低でも7つ伸ばす必要があった。パッティングは攻め切れた部分もあったが、それが決まってくれなかった。金メダルを目指してやってきたため、すごく悔しい。悔しいが素晴らしい経験をさせてもらった。」とコメントを残した。
9位タイという結果に悔しさを滲ませていた。
笹生優花の4日間|最終日バックナイン圧巻の29!
フィリピン代表として出場していた笹生優花はトータル10アンダー9位タイで72ホールをフィニッシュした。
大会初日の前日、笹生のパートナーである、キャディのライオネル氏が熱中症により離脱。フィリピン代表のチームスタッフがキャディを務めるというアクシデントもあった。
笹生は初日2バーディ5ボギーとし74(+3)と出遅れてしまう。しかし2日目を68(-3)、3日目を67(-4)とし、3日目終了時点で4アンダーの19位。
圧巻だったのは最終日である。イーブンで前半を折り返すと、後半は12番から3連続バーディ。17番の短いミドルホールではドライバーを持ちピン横3mに1オン。イーグルを奪った。最終18番でもバーディを奪い、バックナインは4バーディ1イーグルボギーなしの29でラウンドをした。
「すごく楽しい1週間と思ったし、勉強になった試合だった。」とコメントを残した。