8月19日から8月22日の4日間にかけて行われた、AIG全英女子オープン(スコットランド/カーヌスティゴルフリンクス(6850ヤード/パー72))は、アンナ・ノードクイスト(スウェーデン)が通算12アンダーで優勝した。
2位には、ジョージア・ホール、マデレーネ・サグストロム、リゼット・サラスの3名が11アンダーで並んだ。
日本勢は7名が出場し、4人が予選通過。古江彩佳の20位タイが最高順位であった。
目次
AIG全英女子オープンは、A・ノードクイストがV!メジャー通算3勝目
AIG全英女子オープンは、スコットランドのアンナ・ノードクイストが通算12アンダーで優勝を勝ち取った。
初日、2日目共に71として、通算2アンダーで迎えた3日目、前半を4バーディ、ノーボギーの32,後半を3バーディ、ノーボギーの33という圧巻のゴルフを見せ、一気に首位タイに浮上。
最終日も前半で3つスコアを伸ばすと、後半も粘りのゴルフでイーブン。同じく首位タイでスタートして、18番まで並んでいたN.コルツ・マドセンが最終ホールをダブルボギーとしメジャー3勝目を掴んだ。
2017年のエビアン選手権以来のメジャー勝利。
「全英で優勝することは夢だった。何年も勝てていなかったので嬉しい。(夫の地元であり、更に同地で結婚式を予定しているため)ここで勝てたのは特別なこと。」と喜んだ。
AIG全英女子オープンまとめ
AIG全英女子オープン概要
8月19日から8月22日の4日間に渡って、女子ゴルフメジャー選手権の1つであるAIG全英女子オープンが開催された。
舞台となったのはスコットランドのカーヌスティゴルフリンクス(6850ヤード/パー72)。
五輪女子ゴルフ覇者、ネリー・コルダを含む144名が出場。
日本人選手は、2019年の全英女子オープン覇者である渋野日向子、2021年全米女子オープン覇者である笹生優花など計7名が出場。メジャー制覇の期待がかかった。
渋野日向子は最終日崩れる|2度目の全英女子オープン制覇ならず
2019年全英女子オープンを制覇し一躍脚光を浴びた渋野日向子は2度目のメジャー制覇に挑んだ。
初日をイーグル含む2アンダー、2日目も安定したゴルフで2アンダーとし、12位タイ(-4)でスタートした3日目。スタートホールで4メートルのバーディパットを沈めると、4番のミドルホール、6番のロングホールでもバーディを奪う。3バーディ、ノーボギーという完璧なゴルフを見せつける。この時点で渋野は首位タイまで上り詰める。
しかし、後半13番パー3ではティーショットを左に曲げボギーとし、ここから16番まで4連続ボギーを喫する。後半は悪天候の影響で、傘を差しながらのプレーとなっていた。それでも17番では4メートルのバーディパットを沈め、1つ取り返す。最終的にこの日は4バーディ4ボギーの72。トータル4アンダー18位タイで最終日を迎えた。
「前半はほぼ自分のイメージ通りのショットを打てた。ノーボギーで回れた分後半の4連続ボギーは苦しかった。自分のメンタルの弱さが光ったなと感じた。」とコメントを残した。
そして最終日、1番のティーショットをバンカーに入れるもセカンドショットでリカバリー。4メートルのバーディパットを沈める。続く2番でもバーディを奪い、上位進出に向けて最高のスタートを切る。
しかし、3番。セカンドショットをクリークに落とすと、ここをダブルボギー。更に5番でもティーショットをバンカーに入れダブルボギーを叩いた。その後も2つのボギーが続き、前半を40で折り返す。
しかし後半はなんとは持ち直す。2つのロングホールと16番のショートホールで計3つのバーディを奪う。後半は3バーディ、2ボギーの35。最終日は75(+3)でのラウンドとなった。
最終結果は1アンダー34位タイ。2度目の全英女子オープン制覇とはならなかった。
「(成長)できたところもありますし、悪い所も見せてしまったという感じがあります。今の私の現状を全て吐き出した大会だったと思います。」と振り返った。
古江彩佳は日本勢最高の20位でフィニッシュ!
日本ツアー4勝、全英女子オープン初出場の古江彩佳は、初日を2オーバー、2日目を2アンダーとし、45位タイ(±0)で迎えた3日目。完璧なゴルフを見せた。
4番のセカンドショットを1メートルに付け、この日初のバーディを奪うと、7番でもバーディ。後半は13番のショートホール、14番のロングホールを連続バーディとし、17番で5つ目のバーディを奪う。結局この日は5バーディ、ノーボギーで圧巻の67。順位を首位と4打差の15位タイとして最終日を迎えた。
「3メートル4メートルのパットが入ってくれた。雨の中ノーボギーで回れて良かった。」とコメントを残した。
そして最終日、前半を1バーディ、ノーボギーで折り返すと、11番のミドルホール、57ヤードほど前に出されたティーイングエリアから完璧なショットを見せ、ワンオン。およそ2.5メートルのイーグルパットを確実に沈めた。
更に13番でもバーディを奪い、この時点で通算8アンダー。優勝争いの背中が見えるも、難関と言われる上がり4ホールに苦しんだ。4ホール中3ホールでボギーを叩き、最終的にこの日は1イーグル、2バーディ、4ボギーのイーブン。通算5アンダーとし、日本勢最高順位である20位で4日間を終えた。
「充実していた。リンクスを回れたのはすごく良い経験となった。」と振り返った。
笹生優花は好スタートを切るもメジャー2勝目ならず
全米女子オープンに続いて、女子メジャー2勝目を狙う笹生優花は初日、前半を2バーディ、1ボギーで折り返し、12番のロングホール。
3打目、グリーン横からのアプローチを直接カップに入れ込んだ。このホールをイーグルとする。更に14番のロングホールでもバーディを奪い、初日を1イーグル3バーディ1ボギーの4アンダー。4位タイで発進した。
2日目も1つスコアを伸ばし、5位タイの好位置で3日目をスタートした笹生であったが、1バーディ3ボギーとボギー先行のゴルフで+2。27位タイと順位を落とす。
「全体的に良くなかった。最終日いいゴルフで、楽しんで終わりたい。」とコメントを残した。
笹生は最終日、スタートホールでダブルボギーを喫すると、前半最終ホールでも痛恨のトリプルボギー。前半は41でのラウンドとなる。10番ホールもボギーとするも、そこから巻き返しを図る。11.12.14番で3つバーディを難関の上がり4ホールもパープレーで切り抜けた。最終日を悔しい3オーバーとし、トータルで39位タイ(±0)とした。
「全英オープンに出ることができて感謝しています。また勉強して良いゴルフができるように頑張りたい。」とコメントを残した。
畑岡奈紗は自身過去最高順位の26位で4日間を終える
6月に行われた全米女子オープンでは笹生とのプレーオフの末優勝を逃した畑岡。スコットランドの地で悲願のメジャー制覇を狙った。
初日は2番3番と連続バーディを奪い、好スタートを切った。5番でボギーとするも、後半でも1つバーディを奪い8位タイと良い位置で初日を終えた。
2日目をイーブンで終え、23位タイ(-2)で3日目をスタートした畑岡は、前半で3つのバーディを奪い、-2で折り返す。後半、雨の中のゴルフは我慢が続いた。コンディションは決して良くない中で、1バーディ2ボギーとし、通算3アンダー。27位タイから最終日を迎える。
「4回目のリンクスで、ようやくどういうものかを掴めてきた。過去一番に落ち着いていると思う。前半みたいにスコアを伸ばせればまだチャンスがあると思うので、しっかり頑張りたいと思います。」とコメントを残し、最終日を迎えた。
最終日は1~5番ホールでパープレーを続けると、6番のロングホール、セカンドショットをレイアップした後の3打目。ピン右に落ちたボールはそのままカップに吸い込まれ、イーグルとする。しかしそこから7番、8番をボギー、ダブルボギーとして前半を37で折り返す。後半は10番から15番で3つバーディを奪う。難関の上がり3ホールで2つスコアも落とすも35でラウンドした。結局この日はイーブンで、通算3アンダー、26位タイでフィニッシュ。
「良い順位で上がることができた。収穫は大きい。」と話した。
また「(プロ転向から5年以内にメジャー制覇という)目標は達成できなかったが、もっと強くなりたい。これからもメジャーはあるし、試合も続く。」と前を向いた。
上位選手結果まとめ
順位 | 選手 | 1R | 2R | 3R | 4R | トータル |
優勝 | A.ノードクイスト | 71 | 71 | 65 | 69 | 276(-12) |
2位T | G.ホール | 68 | 69 | 73 | 67 | 277(-11) |
2位T | M.サグストロム | 67 | 73 | 69 | 68 | 277(-11) |
2位T | L.サラス | 69 | 69 | 70 | 69 | 277(-11) |
5位T | ミンジー・リー | 71 | 69 | 72 | 66 | 278(-10) |
5位T | N.コルツ・マドセン | 70 | 69 | 68 | 71 | 278(-10) |
7位T | L.ハーム | 70 | 73 | 69 | 67 | 279(-9) |
7位T | P.タバタナキト | 71 | 72 | 69 | 67 | 279(-9) |
9位 | M.ジュタヌガーン | 72 | 67 | 71 | 70 | 280(-8) |
10位T | M.スティーン | 73 | 70 | 69 | 69 | 281(-7) |
10位T | A.ジュタヌガーン | 72 | 67 | 71 | 70 | 281(-7) |
10位T | L.ダンカン | 73 | 70 | 69 | 69 | 281(-7) |
20位T | 古江 彩佳 | 74 | 70 | 67 | 72 | 283(-5) |
26位T | 畑岡 奈紗 | 70 | 72 | 71 | 72 | 285(-3) |
34位T | 渋野 日向子 | 70 | 70 | 72 | 75 | 287(-1) |
39位T | 笹生 優花 | 68 | 71 | 74 | 75 | 288(±0) |
93位T | 青木 瀬令奈 | 75 | 73 | – | – | 148(+4) |
102位T | 原 英莉花 | 75 | 74 | – | – | 149(+5) |
120位T | 梶谷 翼 | 76 | 75 | – | – | 151(+7) |