
今年も全英オープンの季節がやってきました。リンクスコース特有の気まぐれな風と天候の変化、過酷なコースに世界のトップゴルファー達が挑みます。いつも以上にプロたちが全身全霊をささげて挑戦をする姿は見ていて胸を打たれます。
また6年連続で出場する松山英樹、4年連続で出場する池田勇太ら、日本人選手の活躍はいかに。
過去、146回にわたり歴史に刻まれるドラマを生み出してきた全英オープン。今年、そのドラマに新たな1ページを加える出場選手たち、そして見逃せない2018年のポイントについてご紹介していきます。
目次
2018年全英オープン詳細
第147回全英オープンが7月19日(木)から7月22日(日)までスコットランドのカーヌスティ・ゴルフリンクスで開催されます。
開催場所
*カーヌスティ・ゴルフリンクス*
今回、会場となるカーヌスティ・ゴルフリンクスはスコットランドの北東部に位置し1850年にオープン。今回で8回目の全英オープン開催となります。
コースは海岸沿いにあり強風が吹きつけます。さらに深いバンカーと狭いコース、激しい起伏が難度を高め、総距離は全英オープン開催コースの中では最長の7400ヤード。「世界でもっとも挑戦的なリンクスコース」と呼ばれています。
また、バリーバーンと呼ばれる小川が流れ、最終の18番Hは左側がOB、右側にこの小川が流れる「名物」ホールです。
1999年にはフランスのジャン・ヴァン・デ・ヴェルデが最終日、2位に3打差をつけて18番に臨みましたが、ラフやクリークにつかまり、トリプルボギー。結局、プレーオフでも敗れ、目前に迫った優勝を逃してしまいました。これが「カーヌスティの悲劇」として語り継がれています。
過去7回、この会場で開催された全英オープン優勝スコアの平均は4日間でほぼパープレーの288。世界でも屈指のプロが集う中、いかに難しいコースかを表しています。
放送日程
・地上波 テレビ朝日系列
1日目:2018年7月19日(木)午後11時30分~
2日目:2018年7月20日(金)午後11時15分~
3日目:2018年7月21日(土)午後11時15分~
4日目:2018年7月22日(日)午後10時~
・CS放送 ゴルフネットワーク
1日目:2018年7月19日(木)午後2時30分~深夜4時
2日目:2018年7月20日(金)午後2時30分~深夜4時
3日目:2018年7月21日(土)午後5時~深夜4時
4日目:2018年7月22日(日)午後4時~深夜3時
2018年はここに注目!

出典:ALBA
2017年はアメリカのジョーダン・スピースが初日からトップを走り単独首位をキープ。最終日もスコアを伸ばして完全優勝を遂げました。日本人では松山英樹が最終日、5位タイでスタートしたが2オーバーとスコアを落とし、14位の結果となりました。
そのジョーダン・スピースや世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン、今年のマスターズ優勝のパトリック・リードらがタフなコースをどのように攻略していくか。また、全米オープンを2連覇し難コースに強いブルックス・ケプカ、過去3度の優勝経験があるタイガー・ウッズがどこまで存在感を見せられるかにも注目です。
出場選手一覧

出典:GDO
| 名前 | 年齢 | 最高成績 | 国籍 |
| 池田勇太 | 32 | 38位 | 日本 |
| 谷原秀人 | 39 | 5位 | 日本 |
| 川村昌弘 | 25 | 初 | 日本 |
| 松山英樹 | 26 | 6位 | 日本 |
| 小林正則 | 42 | 予選落ち | 日本 |
| 小平智 | 28 | 予選落ち | 日本 |
| 秋吉翔太 | 27 | 初 | 日本 |
| 時松隆光 | 24 | 初 | 日本 |
| 市原弘大 | 26 | 79位 | 日本 |
| 宮里優作 | 37 | 予選落ち | 日本 |
| アーニー・エルス | 48 | 優勝 | 南アフリカ |
| アダム・スコット | 37 | 2位 | オーストラリア |
| アダム・ハドウィン | 30 | 予選落ち | カナダ |
| アニルバン・ラヒリ | 30 | 30位 | インド |
| アレクサンダー・レヴィ | 27 | 78位 | フランス |
| アレックス・ノレン | 35 | 6位 | スウェーデン |
| イアン・ベーカーフィンチ | 57 | 優勝 | オーストラリア |
| ウェブ・シンプソン | 32 | 16位 | アメリカ |
| エミリアーノ・グリジョ | 25 | 12位 | アルゼンチン |
| エリック・ヴァン・ローエン | 28 | 初 | 南アフリカ |
| カイル・スタンレー | 30 | 39位 | アメリカ |
| ガビン・グリーン | 24 | 初 | マレーシア |
| キム・シウー | 22 | 78位 | 韓国 |
| キャメロン・デービス | 23 | 初 | オーストラリア |
| キラデク・アフィバーンラト | 28 | 予選落ち | タイ |
| クリス・ウッド | 30 | 3位 | イングランド |
| ゲーリー・ウッドランド | 34 | 12位 | アメリカ |
| ケビン・キスナー | 34 | 54位 | アメリカ |
| ケビン・チャペル | 31 | 53位 | アメリカ |
| ザック・ジョンソン | 42 | 優勝 | アメリカ |
| サンダー・ショウフェレ | 24 | 20位 | アメリカ |
| サンディ・ライル | 60 | 優勝 | スコットランド |
| ジェイソン・ダフナー | 41 | 14位 | アメリカ |
| ジェイソン・デイ | 30 | 4位 | オーストラリア |
| シェーン・ローリー | 31 | 9位 | アイルランド |
| ジミー・ウォーカー | 39 | 54位 | アメリカ |
| ジャズ・ジェーンワッタナーノン | 22 | 初 | タイ |
| ジャスティン・トーマス | 25 | 53位 | アメリカ |
| ジャスティン・レナード | 46 | 優勝 | アメリカ |
| ジャスティン・ローズ | 37 | 4位 | イングランド |
| シュバンカー・シャルマ | 21 | 初 | インド |
| ジョージ・クッツェー | 31 | 18位 | 南アフリカ |
| ジョーダン・スピース | 24 | 優勝 | アメリカ |
| ジョーダン・スミス | 25 | 初 | イングランド |
| ショーン・クロッカー | 21 | 初 | アメリカ |
| ショーン・ノリス | 36 | 初 | 南アフリカ |
| ジョナサン・ベガス | 33 | 予選落ち | ベネズエラ |
| ジョン・デーリー | 52 | 優勝 | アメリカ |
| ジョン・ラーム | 23 | 44位 | スペイン |
| スコット・ジェイミソン | 34 | 予選落ち | スコットランド |
| スチュワート・シンク | 45 | 優勝 | アメリカ |
| セルヒオ・ガルシア | 38 | 2位 | スペイン |
| タイガー・ウッズ | 42 | 優勝 | アメリカ |
| タイレル・ハットン | 26 | 5位 | イングランド |
| ダスティン・ジョンソン | 34 | 2位 | アメリカ |
| ダニー・ウィレット | 30 | 6位 | イングランド |
| ダニエル・バーガー | 25 | 27位 | アメリカ |
| ダレン・クラーク | 49 | 優勝 | 北アイルランド |
| ダンタイ・ブーンマ | 22 | 初 | タイ |
| チャーリー・ホフマン | 41 | 20位 | アメリカ |
| チャール・シュワーツェル | 33 | 7位 | 南アフリカ |
| ディラン・フリッテリ | 28 | 予選落ち | 南アフリカ |
| デビッド・デュバル | 46 | 優勝 | アメリカ |
| トービヨン・オルセン | 28 | 9位 | デンマーク |
| トーマス・ピータース | 26 | 予選落ち | ベルギー |
| ドック・レドマン | 20 | 初 | アメリカ |
| トッド・ハミルトン | 52 | 優勝 | アメリカ |
| トニー・フィナウ | 28 | 18位 | アメリカ |
| トミー・フリートウッド | 27 | 27位 | イングランド |
| トム・レーマン | 59 | 優勝 | アメリカ |
| ニコラス・コルサーツ | 35 | 7位 | ベルギー |
| パット・ペレス | 42 | 20位 | アメリカ |
| バッバ・ワトソン | 39 | 23位 | アメリカ |
| パトリック・キャントレー | 36 | 初 | アメリカ |
| パトリック・リード | 27 | 12位 | アメリカ |
| パドレイグ・ハリントン | 46 | 優勝 | アイルランド |
| ピーター・ユーライン | 28 | 44位 | アメリカ |
| ファブリツィオ・ザノッティ | 35 | 予選落ち | パラグアイ |
| フィル・ミケルソン | 48 | 優勝 | アメリカ |
| ブライアン・ハーマン | 31 | 26位 | アメリカ |
| フランチェスコ・モリナリ | 35 | 9位 | イタリア |
| ブランデン・グレイス | 30 | 6位 | 南アフリカ |
| ブルックス・ケプカ | 28 | 6位 | アメリカ |
| ブレッド・ラムフォード | 40 | 16位 | オーストラリア |
| ブレディ・シュネル | 33 | 初 | アメリカ |
| ベルンド・ウィースバーガー | 32 | 64位 | オーストリア |
| ベルンハルト・ランガー | 60 | 2位 | ドイツ |
| ベン・カーティス | 41 | 優勝 | アメリカ |
| ヘンリック・ステンソン | 42 | 優勝 | スウェーデン |
| ホアキン・ニーマン | 19 | 初 | チリ |
| ポール・ケーシー | 40 | 3位 | イングランド |
| ポール・ダン | 25 | 30位 | アイルランド |
| ポール・ローリー | 49 | 優勝 | スコットランド |
| マーク・カルカベッキア | 58 | 優勝 | アメリカ |
| マーク・リーシュマン | 34 | 2位 | オーストラリア |
| マーティン・カイマー | 33 | 7位 | ドイツ |
| マシュー・サウスゲート | 29 | 6位 | イングランド |
| マシュー・フィッツパトリック | 24 | 44位 | イングランド |
| マット・クーチャー | 40 | 9位 | アメリカ |
| マット・ジョーンズ | 38 | 30位 | オーストラリア |
| ヨナス・ブリクスト | 34 | 26位 | スウェーデン |
| ラッセル・ヘンリー | 29 | 20位 | アメリカ |
| ラファエル・カブレラ・ベロ | 34 | 4位 | スペイン |
| リー・ウェストウッド | 45 | 2位 | イングランド |
| リッキー・ファウラー | 29 | 2位 | アメリカ |
| リン・ギョクキン | 17 | 初 | 中国 |
| ルイ・ウーストハウゼン | 35 | 優勝 | 南アフリカ |
| ルーカス・ハーバート | 22 | 初 | オーストラリア |
| ローリー・マキロイ | 29 | 優勝 | 北アイルランド |
| ロス・フィッシャー | 37 | 13位 | イングランド |
| 李昊桐(リー・ハオトン) | 22 | 3位 | 中国 |
海外の注目選手

出典:PGA TOUR
| ダスティン・ジョンソン(世界ランキング1位) |
| ジョーダン・スピース(昨年の全英オープン優勝) |
| パトリック・リード(今年のマスターズ優勝) |
| ブルックス・ケプカ(全米オープン2連覇・世界ランキング4位) |
| ジャスティン・トーマス(世界ランキング2位) |
| ジャスティン・ローズ(世界ランキング3位) |
| タイガー・ウッズ(全英オープン過去3度優勝) |
国内出場選手と出場回数

出典:プロギア
| 松山英樹(6年連続6回目) |
| 宮里優作(3年連続4回目) |
| 小平智(2年ぶり3回目) |
| 池田勇太(4年連続7回目) |
| 谷原秀人(3年連続7回目) |
| 秋吉翔太(初出場) |
| 小林正則(初出場) |
| 川村昌弘(初出場) |
| 時松隆光(初出場) |
| 市原弘大(2年ぶり3回目) |
全英オープン選手権とは

そもそも全英オープンとは1860年から始まった大会で、世界でもっとも歴史のあるトーナメント。スコットランドとイングランドにある海岸線のコースを順番に使って開催されます。そのため海から強く吹き続ける風、深いバンカー、フェスキュー草の茂った長く密生したラフがコース攻略をさらに難しくします。
歴戦のゴルファー達が、天候やコンディションの変化、困難なコース状況、そして自分自身と戦い、頂点を目指す伝統の大会です。
優勝者にはクラレット・ジャグと呼ばれる優勝トロフィーのレプリカが贈呈されます。オリジナルのトロフィーには1872年のトム・モリス・ジュニアから優勝者の名前が刻印されており、新たなチャンピオンの名前が刻まれていくことになっています。
全英オープンと他メジャーの違い

全英オープンはゴルフの4大メジャー大会の一つ。マスターズ・トーナメント、全米オープン、PGA選手権(全米プロ)と全英オープンを男子ゴルフの4大メジャーと呼びます。4大会はそれぞれ特色があります。
マスターズ
マスターズは毎年、4月にアメリカジョージア州のオーガスタ・ナショナルで開催。世界一美しいと言われるゴルフコースは毎年多くのドラマを生みます。ギャラリーはリピーターが多く、とても豪華で華やかな雰囲気で、「ゴルフの祭典」とも呼ばれます。
全米オープン
6月に開催される全米オープンはコースのセッティングがとても厳しく、世界でもっとも過酷な大会とも言われています。2018年シネコックヒルズGCでの大会は世界のトッププロが連日オーバーパーの難コースでした。
全英オープン
7月にイングランド・スコットランドの海岸沿い、リンクスコースで行われる全英オープンは海沿いのコースにあるため風が強いだけではなく、1日のうちでも四季があるといわれるほどコンディションがころころと変わります。
自然との闘い、自分自身との闘いにいかに打ち勝てるかどうか、技術だけではなく厳しい状況に対応できる知恵とメンタルの強さも求められる大会です。
全米プロ(PGA選手権)
8月に開催される全米プロ(PGA選手権)は暑さとの闘いとなります。他の大会と違い出場できるのはプロゴルファーのみとなっています。コース選択に際立った特徴はありませんが、ピンの位置をファン投票で決定するなど、非常に盛り上がる大会です。
賞金総額は?
全英オープンの賞金総額は1025万ドル(日本円で約11億円)、優勝賞金は185万ドル(約2億円)となっています。※2018年の詳細は7月上旬に発表予定
感動!全英オープン物語

出典:THE OPEN
トム・ワトソンという選手をご存知でしょうか。全英オープンは5度の優勝。メジャー大会でも8回の優勝という輝かしい成績を誇るアメリカのレジェンドゴルファーです。
2009年、ピークはとっくの昔に過ぎた59歳のトム・ワトソンは全英オープンに出場します。ケガや加齢でパフォーマンスは劇的に低下していたものの、最後まで優勝争いを演じ76ホールの激闘の末、誰も想像しなかった2位という衝撃の活躍をみせます。
このワトソンの活躍により、全英オープンで設けられていた「60歳まで」という年齢制限が5年延長されました。全英オープンの伝統あるルールをも変える歴史的な快挙の裏には、長年を共にした専属キャディ「ブルース・エドワーズ」との感動の物語がありました。
↓↓↓ワトソンとエドワーズのコンビで歩んだ歓喜と感動の物語、詳しくはこちらをご覧ください。
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まとめ
今年で147回目を迎える伝統の全英オープンについて出場選手とみどころをまとめました。世界のトップが集い、過酷なコンディションでしのぎを削ります。松山英樹をはじめとする日本人選手がどこまで戦えるかにも注目です。


















