出典:ゴルフネットワーク
PGAツアーで日本人史上最多勝、松山英樹は並みいる強豪を相手にアメリカで挑戦を続けています。念願のメジャー制覇まであと一歩のところまで迫るなど、いまや世界のトップ選手の一人として知られるようになりました。
そんな松山英樹の強さを支えているのはアイアンです。世界一とも言われるそのショットは正確無比。ボギーはとても少なく崩れにくい、そしてどこからでもバーディを狙えるのは王者たちと戦う上でも大きな武器となっています。
今回は、メジャー制覇を目指し、今も磨きがかかる松山英樹のアイアンについて解説します。
目次
世界一のアイアンショットの秘密
松山英樹のスイング動画を紹介します。
アドレスからバックスイング
アドレスのときの前傾姿勢はフォロースルーまでまったく変わりません。全体的な体のブレの少なさが松山英樹のショット精度が抜群に高い理由です。背中を軸にしてぶれることなく強く回転運動をすることで、強烈なパワーを生み、ボールに伝えています。
トップ
トップでは他ツアープロと比べてもかなり「間」を長く取っています。
胸全体が後方を向いて肩は大きく回っています。腰の回転よりもさらに肩が回っていることで大きな捻転差が出来ています。下半身と上半身の捻転差が大きければ大きいほど強い力が生まれます。
これだけ上体を捻じっているにも関わらず、軸がまったくブレない強いカラダを持っているのが松山英樹のストロングポイントです。
ダウンスイングからインパクト
トップで作った手首の角度がそれほど深くならず、体から手元が遠くなって、浅い入射角で下りてくるのがポイントです。手首の角度が深くない(=タメがない)とその分入射角が浅くなります。浅く入るとフェースの上下の打点もぶれが少なくなります。
これによってスピンがかかる量や弾道も一定になり、どんなときでも計算ができる正確なショットを打つことができます。
ヘッドの入射角は浅めでターフがそこまで多く取れないのも松山英樹の特徴です。そのためインパクトゾーンが長く、確かな方向性にもつながっています。
フォロースルーからフィニッシュ
フォロースルーのときでも顔が斜めを向いています。頭を残していて、両腕もフォロースルーでしっかり伸びています。上体が浮いたりヘッドアップすることはありません。アマチュアゴルファーでも参考にできるポイントです。
松山英樹はフィニッシュもぴたりと安定しています。右足にかかっていた体重が左足にしっかり移動し、左の太ももに右の太ももがくっついています。スムーズな体重移動ができるとフィニッシュのときにこの形になります。
↓松山英樹を襲ったアクシデント、そこから始まる苦悩の日々とは?エースドライバー選びに試行錯誤したもう一つの戦いをご紹介します。
データが示す正確さ
松山英樹のアイアンの精密さを示す2つの数字があります。どちらもPGAツアーで公式に記録、公開されている情報です。
パーオン率
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一つ目はパーオン率です。ティーショットなど他のクラブも関係してきますが、これが高い選手はアイアンの精度も高くなる傾向にあります。
松山英樹はパーオン率で2016年16位、2017年30位、2018年35位。300人近いPGAツアー参加選手の中でのこの数字を残しているので、かなりの上位に入っているということになります。
セカンドショットの成功率
出典:ゴルフネットワーク
さらに詳しく精度の高さを見られる数字が「ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン」というものです。これはパー3の第1打、パー4&パー5の2打目がどれだけ寄せられたかをデータ化した数値になっています。
松山英樹はこのランキングで2016年は3位、2017年は7位、2018年も8位となっています。ツアーの選手の中でもかなりの上位に入っており、ショットの相当な正確さを裏付けられています。
↓狙い通りのスイングをするために、クラブの使い方の基本をまとめたレッスンです。ぜひチェックしてみてください。
松山英樹の使用モデル
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松山英樹はダンロップ製のアイアンを使用しています。2017年初めに前モデルの「スリクソンZ945」から「スリクソン Z965」に変更、以来こちらのギアで4番Iからピッチングウェッジを揃えています。
このモデルはマッスルバックで軟鉄鍛造、打感の良さが特徴です。前モデルからの変更点としてフェースの大きさを拡大、上下の打点のミスに強く安定感も向上しています。
中級者以上におすすめのモデルですが、マッスルバックの中では比較的、やさしいとの評判もあります。気になる方は試してみてください。
↓松山英樹のこれまでの歩みとアメリカでの活躍を詳しくまとめました。日本人最高となる輝かしい戦績、ぜひチェックしてみてください。
PGAツアーに参戦している選手の中でも屈指の精度を誇る松山英樹のアイアンについてご紹介しました。アメリカで挑戦を続けて5年。さらなる勝利とメジャー制覇という夢に向けても、期待は高まります。その精緻なスイングでこれからもたくさんのタイトルを取ってくれるよう、心からエールを送っていきましょう。