一人のパター職人が作った世界的に有名なゴルフブランド『スコッティ・キャメロン』。
このブランドはわずか二十数年の歴史ながら世界中に熱烈なファンを持ち、オーダーメイドの数か月、数年待ちはあたりまえ。美しい削り出しパターのラインナップ全てが、デザイン、作りの細かさ、パフォーマンス(実績)において群を抜いています。
なぜプロはスコッティ・キャメロンを選ぶのか、他パターと比べてどんな特徴があるのか、人気の秘密は何なのか、スコッティ・キャメロンのさまざまな謎を徹底調査してきました。
この記事を読めば、あなたもスコッティ・キャメロン通になれるでしょう!
目次
スコッティ・キャメロンとは?
出典:youtube.com
PGAツアープロの使用率N0.1。アメリカ・カリフォルニア出身のパター職人、スコッティ・キャメロン氏が手掛けるパターブランドです。
このパターの特徴は、高いデザイン性、フォルムの美しさ、打感の良さ、作りの細かさ、など上げればキリがありません。
プロのミリ単位のシビアな要求にも答えられる技術力と柔軟性も一流プレイヤーに愛される理由の一つ。使用プロの多くが4大メジャーで優勝したことで世界的な位置を手に入れました。
日本では90年代、タイガーウッズが使用していたことで一気に人気に火が付きました。現在はプレミアがつくなどの世界的にファン、コレクターの多いゴルフブランドとしても有名。高いものは数百万円の値段が付くものもあります。
なぜ人気なの?
スコッティ・キャメロン氏は芸術家肌で、そのデザインはアートといっても過言ではない程、独創的で唯一無二。
手掘りの王冠ロゴや、ブランド名が躍っているように描かれた文字はダンシングキャメロンと呼ばれパターそのものが芸術品レベルのクオリティ。スペック全てが男のコレクター心をくすぐる作品ばかりです。
日本のみならず世界的にも愛用しているプロが多数おり、タイガーウッズを始め、松山英樹、ロリー・マキロイ、ジョーダン・スピース、アダム・スコット、ブルックス・ケプカ、など世界のトッププロ達がこぞって使用。
PGAツアーの使用率・勝利数ともに断トツのNo.1。憧れのプロが使っていればアマチュアも欲しくなりますよね。
ツアー限定品
スコッティ・キャメロンには大きく分けて通常モデルと、ツアープロ用に作られたモデルの2種類があります。
素材、設計、デザインなどプロの要望を受けて綿密に設計・製作されたパターは全てが一級品。市場に出回ることは無く、ほぼ100%カスタムオーダー。
この希少性の高い最高級ツアーパターの存在もスコッティ・キャメロン=高嶺の花というイメージを作り、全世界のゴルファー憧れの的となっています。
スコッティキャメロンの特徴
アメリカ・カリフォルニアに本社工場があり、世界中からオーダーメイド依頼が殺到するスコッティ・キャメロンの特徴をご紹介します。
機能
パタ―名手の特徴。それはパッティングでジャストタッチ、もしくは必ずショートすることです。もうちょっと強く、もうちょっと強く、を繰り返すことでグリーン上で感覚とクラブが一体となります。
スコッティ・キャメロンのもっとも特筆すべき機能的な特徴は『転がらない(思ったより飛ばない)』ところにあります。
メジャーなどの速いグリーンで転がり過ぎは絶対にNG。打ち手の技術通りに転がり、ボールの回転も素直、そして転がり過ぎない特殊な機能がゴルファーの大きな味方になります。
一般的なパターより若干重めに作られていることも安定したストロークが描けるポイントです。パターだけでなくゴルフは短い距離から合わせていったほうが、2倍速で上達できます。
こだわりの作り
スコッティ・キャメロンは『削り出しパター』の第一人者。
通常のパター(鋳造タイプ)は型に金属を流し込んで成型しますが、削り出しパターは一つの金属の塊を少しずつ削ってパターの形にしていきます。製作には、精巧な設計と高い技術が必要とされます。
削り出しパターは、鋳造パターよりもはるかに打感が良く「打った感覚がしっかり手に残る」、「ミスショットがすぐに分かるので調整が楽」など、ゴルフ上級者は、一度使ってしまうともう戻れないと口を揃えて言います。
2つの素材
スコッティ・キャメロンのパター素材には『SSS』と『GSS』の2種類があります。
SSS: Surgical Stainless Steel(再生ステンレス)
ステンレススチールを作るための鉄を集めて金属の塊を作った後にパターの形に成型します。ステンレスはスチールにクロームとニッケルを配合した合金で、スコッティ・キャメロンに使用されるものはその中でも特に純度の高いハイクオリティの合金を使用しています。
GSS: German Stainless Steel(ドイツ製ステンレススチール)
鉄くずではなく元々が1つの金属の塊を使用。ドイツ製の最高級ステンレススチールを少しずつ削りながら制作します。成型の難しさ、金属の希少性なども関係し、GSSで作られるパターは非常に珍しく、高級品として扱われます。
デザイン
他パターにはない芸術性やデザインが多くのゴルファーを引き付けています。
美しい削り出しパターに描かれた、遊び心のあるデザイン、配置や配色なども絶妙で、スコッティ・キャメロン氏の芸術家としての才能がいかんなく発揮されています。
そして、パタークラブだけでなくヘッドカバーやキャディバッグなどにもそのデザイン性は活かされ、多くのファンを楽しませています。
ちなみに上記のパターは、トッププロの一人、ジョーダン・スピースモデル。ピエロの絵など遊び心が溢れています。お値段はウン十万円だとか…
スコッティ・キャメロンのグリップ
グリップにも多くの種類があり、デザインや握った時のフィーリングの良さで人気です。
最も主流のグリップは「マタドール」と呼ばれ(右から2,3,4番目)表面に凸凹があり吸着性の高いグリップです。スモール、ミッド、オーバーの3種類があり、それぞれ太さが違います。
その他にも、細身のモデルで手にフィットする曲線で作られたピストレロやピストリーニというモデルもあります。
サークルⓉ(ツアーパター専用)
サークルTは、ツアーパターのみに使用されているグリップで市販はされていません。
極まれにツアーパターから慎重に引き抜いたものが市場にありますが、基本はツアーパターのみに装着されるレア物。特徴はグリップ部分に「T」の文字が刻印されていること。ゴルフフリークはこの文字を見つけるとテンションがMAXになるそうです。もちろん手に馴染む形状、素材や作りも一級品。
スコッティ・キャメロンの人気モデル
出典:Amazon
市販品でもっとも人気のモデルは『ニューポート・シリーズ』、シルバーとレッドの洗練されたフォルムは打感も柔らかく、一般ゴルファーが購入できるスコッティ・キャメロンとして大人気です。
そのシンプルながらも美しい形状と仕上げ、構えた瞬間に安心感の得られるフォルムは多くのプロアマに愛され続けています。打感が非常にやわらかく、打った時の感触、ミスした時の感触がすぐにわかるので、上級者が好んで使います。
激レア!ツアーパターを見る
1995年、米タイトリスト社長の熱烈な説得により、スコッティ・キャメロンはタイトリストの一員となりました。
しかし、ツアーパターに限っては別で、スコッティ・キャメロン氏が認めた人にしか販売を許さないという特別な条件を設けたそうです。そんな、どこで売ってて、どこで買えるのかも一般には知られていないのが、ツアーパター。
今回、日本でもたった数人しかいないスコッティ・キャメロンのツアーパターを扱う、TOUR PUTTER.COMの代表取締役、薬師寺紹法さんにご協力いただき、貴重なスコッティ・キャメロンのツアーパターを見せていただきました。
フェースのヒール側にさりげなくTの文字が!
ここにもTの文字。太陽のようなデザインが施されプレミア感がありますね。「お!こんなところに!」というにくい演出がされています。
ネオマレット型には3つのTが。通常のスコッティ・キャメロンの赤いマークの中にTが入っています。分かる人が見ればツアーパターであることは一目瞭然。グリーンの上で同伴者の質問攻めに合いそうですね。
ツアーパターの中でも特に珍しいのが、スコッティ・キャメロンが縦書きされているタイプ。
ただでさえレアなツアーパターの中でも特にレアな一品。通常の横書きが縦書きになっていたり、普段はない場所にTの文字が入っていたり、男なら確実にハマってしまいそうですよね。
筆者的に一番かっこいいと思ったツアーパターです。オイルが染み出たようなデザインになっています。使うのが楽しみになるパターがあれば、練習にも身が入りますし、何よりグリーン上で気持ちよくストローク出来そうですよね。
ツアーパターだけのVIP特典
ツアーパターは1本数十万円するなど非常に高価です。絶対に傷などつけたくないですよね。そんな時のためにオーナーには鑑定書が付与され、万が一傷がついてしまった時でもカリフォルニア本社工場に送れば、研磨しグリップを替え、ほぼ新品のように戻ってきます。
このサービスはツアーパターのみに適用されるなどVIP待遇で生涯にわたって、スコッティ・キャメロン・パターをサポートしてくれます。
問い合わせ先
自分だけのスペシャルなツアーパターが気になった方はこちらからお問い合わせください。お電話の際は、ゴルファボでツアーパター記事を見たとお伝えいただければスムーズです。
スコッティ・キャメロンが向いてる人
初心者でも上級者でもスコアの約4割はパットが占めます。国内外問わずツアー優勝するプロは漏れなくパターが上手、もしくはパターが好調な時。
アマチュアでもプロでももうワンランク上のレベルやスコアを狙うのであれば、パターにこだわるのは必然とも言えます。
プロの使用率、勝利数No.1、バーディーの数も断トツ…。ということは、簡単に言ってしまえば、それだけ『パターが入る』ということでもあります。
どんなパターでもカップに入れることができます。しかし、一打にかける実績を見れば、パターが上手くなりたい=スコッティ・キャメロン、は大げさでもなんでもないように思えます。
最高級のパターブランド『スコッティ・キャメロン』その中でも特にレアなツアーパターの存在など、機能やタイプ以外にもファンを釘付けにする要素が数多くありました。
精度の高いパターを使って気持ちよく打ち切ることができれば、バーディGETの確立も上がりそうですね。