出典:日本女子プロゴルフ協会
2014年、プロテストに合格した翌年に20歳で日本女子プロゴルフ選手権を優勝。そこから急成長を遂げ、2017年、鈴木愛は賞金ランキングで頂点に立ちました。大きなスイングと正確なショット、強気で攻めるパットでギャラリーを魅了します。
2018年もトーナメントで勝利を重ね、最速での賞金総額1億円を突破するなど、日本の女子プロゴルフ界のトップに君臨。これからどれほどたくましいプレーを見せてくれるのか、期待に胸が高鳴ります。
今回は女子プロゴルファー『鈴木愛』のこれまでの活躍と強さの秘密をご紹介します。勝利を重ねていく彼女の知られざる顔、そしてスイングの特徴とは。圧巻のゴルフを見せる鈴木愛を特集します!
プロフィール
出典:GDO
名前=鈴木愛 Ai Suzuki |
身長=155センチ 体重=58キロ |
血液型=B型 |
生年月日=1994.5.9 (24歳) |
生い立ち
徳島県三好郡東みよし町(旧三加茂町)出身。小学生時代はバレーボールをしていました。小学校5年生、11歳のときに妹の花奈さんがレッスンを受けたことをきっかけにゴルフを始めました。2006年、宮里藍さんが「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で優勝するのを見て、プロゴルファーを目指すことを決意しました。
それからは妹とともに、父・健司さんの指導を受け、プロのレッスンにも通いました。中学校3年生となった2009年には四国女子アマチュア選手権で優勝します。
アマチュア時代
2010年、鈴木愛はゴルフ部を創設するという鳥取県の倉吉北高校に特待生として誘われます。同部のコーチとして父の健司さんも一緒に招きたいという意向でした。三代続く製材店を営んでいた父は悩みますが、娘の夢をかなえたいと店を辞め、家族全員で鳥取県に移住しました。このときから家族全員で鈴木愛のゴルフを支える
2011年には中国女子アマチュアゴルフ選手権で優勝。2012年には中国高等学校ゴルフ選手権でも頂点に立ちました。
プロ時代
2013年8月鈴木愛はプロテストを受けて3位に入り、一発合格を果たします。同年9月にはステップアップツアー「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」で4アンダーの成績となりプロ初優勝を飾りました。
・2014年
2014年9月、鈴木愛は兵庫県の美奈木ゴルフクラブで行われた日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯に出場。2日目から首位に立ち、最終日は1アンダーとスコアを伸ばしてトータル5アンダーで優勝。レギュラーツアーは初制覇となりました。そして、同大会では宮里藍が2006年に21歳83日で達成したのを上回る、20歳128日での最年少優勝の記録を打ち立てました。
鈴木愛はこの年、27試合に出場。22試合で予選を通過、優勝した試合以外にもトップ5に3回入る活躍を見せました。
・2015年
この年は優勝こそなかったものの、ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ、meiji カップ、大王製紙エリエールレディスオープンでいずれも2位。ほかにトップ10にも9回入るなど、上位に食い込む結果を増やしていきます。
2015年は33試合に出場、予選通過が25試合となりました。大きく崩れることが減り、獲得賞金も5644万円、賞金ランク14位に入りました。
・2016年
2016年は、鈴木愛にとって飛躍の年となりました。
中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯で優勝。トップ5にも8回(優勝除く)名を連ねます。獲得賞金は1億2493万円。賞金ランキングでも5位にジャンプアップして日本のトップ選手として確実に存在感を示しました。
・2017年
2017年、鈴木愛は29のトーナメントに出場。5月に行われたほけんの窓口レディースで1勝目を挙げると、6月のアースモンダミンカップでも優勝。また、サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント、TOTOジャパンクラシック、大王製紙エリエールレディスオープンで2位に入りました。
この年は優勝した大会を除いてもトップ5に8回、トップ10に16回入る抜群の成績を残します。年間の獲得賞金は1億4012万円。はじめて賞金女王に輝きました。
・2018年
2018年、シーズン開始から鈴木愛は抜群の成績を残します。3戦目のTポイントレディス ゴルフトーナメントで優勝すると、5戦目となるスタジオアリス女子オープンで2勝目。ほけんの窓口レディース、ニチレイレディスも制覇しました。これ以外にも10試合でトップ5に入るなど、目を見張るほどの強さを見せつけています。
スイングの特徴
鈴木愛選手は身長155㎝と小柄ですが、ドライバーはスイングアークも大きく体全体を使うことで強い力を生んでいます。平均飛距離は238ヤードほど。決して上位に入っているわけではありませんが、安定した飛距離と正確さが武器です。
スイングタイプは2軸スイング。体全体を使って大きな体重移動で生まれた力でドライバーショットを飛ばしています。
ここが世界トップクラス
出典:日本女子プロゴルフ協会
鈴木愛の真骨頂はパターにあります。
2014年、本格的にツアーに参戦した年は平均パット数が1.772で全体の6位でした。そこから2015年は1.774で3位、2016年は1.745で1位の結果となっています。2017年は1.758で2位でしたが、2018年は1.72で7月時点では1位をキープ。
「強くなるには、やっぱり練習量。勝つには運なんかもあるけど、とにかく練習して勝てなかったときはしょうがない」と鈴木愛は話しています。安定したパターを最大の武器としてこれまで磨き上げてきたことが抜群の成績にもつながっています。
強さの秘密
出典:日本女子プロゴルフ協会
パターのうまさに加えて、ショットの確かさも数字に表れています。
2016年はパーオン率が66.1%で29位、パーキープ率も86.3%で8位でしたが、2017年はパーオン率70.5%で11位、パーキープ率も87.4%で4位に。ドライバーやアイアンの正確性もトップレベルに達していることがわかります。
2018年はパーオン率70.7%で6位、パーキープ率は90.1%で1位に。最高レベルのパターに加えて、そのほかのクラブのうまさも断トツの結果を生む原動力になっています。
性格と人柄
出典:日本女子プロゴルフ協会
・負けず嫌い
ゴルフを始めてから高校を卒業するまで父の健司さんが鈴木愛を指導していました。長くゴルフを教えてきた期間を振り返って「娘は負けず嫌いで言い合いになることもよくあった。でもゴルフをやめたいと言ったことは一度もなかった。私も楽しかった」と話しています。
また、香川県でゴルフアカデミーを主宰し、鈴木愛を2015年まで11年間指導した南秀樹コーチは「身体は小さかったが誰よりも負けん気が強い。中2で初出場したツアーの練習ラウンドで『先生に負けた』と悔しくてワンワン泣く。すごいのは必ず大人と同じティーから勝負すること」と語っています。
・ファンサービス
鈴木愛がプロを目指すきっかけとなったのが日本女子プロゴルフ選手権での宮里藍さんの優勝でした。そのころからあこがれの存在でもあり、自身も初めてサインをもらった選手で「とても感動した」といいます。そしてトップの選手は子供たちにも丁寧に対応していることを見習って、ファンサービスを欠かさないように心がけています。
世界ランク推移
使用ゴルフクラブ
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出典:日本女子プロゴルフ協会
■ドライバー:ピン G400 LSテック ドライバー (10度) ピン ALTA J50(45.5インチ、硬さS) |
■FW&UT:ピン G400 フェアウェイウッド (7番20.5度) キャロウェイ GBB エピック フェアウェイウッド(3番15度) ピン G400 ハイブリッド (4番22度、5番26度) |
■アイアン:ピン i200 アイアン (6番~PW) |
■ウェッジ:ピン グライド 2.0 ウェッジ SS (50度、54度、58度) |
■パター:ピン ヴォルト 2.0 パイパー プロトタイプ |
■ボール:タイトリスト プロV1xボール |
スポンサー
・セールスフォース(所属契約) |
・PING(用具契約・クラブ) |
・タイトリスト(用具契約・ボール) |
・デサント(用具契約・ウェア) |
・日本化成(スポンサー契約) |
2013年にプロテストに合格、そこからわずか4年後に鈴木愛は賞金女王の座にまで上り詰めました。その裏には誰よりも強い気持ちとすべてのショットの正確性を裏打ちする練習の積み重ねがあります。頂点に上り詰めてもその姿勢が変わることはありません。
これからもさらに強くなっていくことは間違いないでしょう。日本で、そして世界で躍動する姿に注目です。