ゴルフのプロと言えば、テレビ中継でおなじみのトーナメントプレーヤーをイメージしてしまいますが、もう1つ「ティーチングプロ」というのが存在します。主にアマチュアにゴルフを指導していますが、プロを教えるプロコーチとして活躍している方もいます。
今回は、ゴルフのティーチングプロになるための条件と方法についてご紹介します。
ツアーで活躍するプロは感覚に優れていますが、それを言葉にしてわかりやすく教えることが苦手です。逆にティーチングプロは、スイング理論などを正確に伝えることができますので、初心者はゴルフを始めるときに基礎から教えてもらうことで、上達のスピードが独学よりも格段に速くなります。
目次
ゴルフ|ティーチングプロとは?
ゴルフの指導技能に優れ、クラブの取り扱いやスイング方法など、広範囲にわたる知識やPGA指導要領を取得した者に与えられる称号です。
PGAとは、日本プロゴルフ協会の略称で、日本で唯一のプロゴルファー認定の団体です。現在PGAが認定しているプロの資格には、「トーナメントプレーヤー(TP)」と「ティーチングプロ(TCP)」の2種類があります。
アマチュア及びプロを指導し、収入を得ているプロゴルフファーのことを言います。「インストラクター」「レッスンプロ」など地域や世代によって呼び方が違います。
ゴルフ初心者がレッスンを受ける時の注意点をまとめています。通う前に一読をオススメします!
日本には何人いる?
出典:日本プロゴルフ協会
PGAが認定しているプロは、2009年7月時点で約6,000人います。そのうちTPCは約2,200人、TPは約3,800人です。
しかし、TPCとなると、日本全国で数万人いるとも言われています。これは、PGAの資格がなくても教えられますので、小さいゴルフ団体を設立して独自で認定したり、「レッスンプロ」と名乗って個人で指導したりしている場合もありますので、数万という単位になっています。
ティーチングプロの資格
いろんな団体やゴルフスクールなどの資格がありますが、この記事では、PGAティーチングプロ資格についてご紹介します。
資格認定試験は年に1回です。2014年度から受験資格を20歳に達した男性ゴルファーなら誰でも受けられることが可能になりました。書類審査、プレ実技、実技、筆記・面接があります。
TPやPGA在籍10年以上の会員が推薦する者、日本女子プロゴルフ協会が推薦する者などはプレ実技が免除になります。
合格すると「B級会員資格」が与えられます。講習を重ねることにより「A級」が与えられます。「ティーチングプロ」はPGA日本プロゴルフ協会の登録商標になります。
認定試験に合格するには…
2018年現在の時点でTPCのテストに合格するためには、 各審査に合格しなければいけません。
試験内容
<書類審査>
過去の競技成績、無ければ直近の5ラウンド分のスコア、レポートの提出があります。2018年のレポートのテーマは「将来どのようなゴルフ指導者を目指すのか」でした。
<プレ実技>
36ホール・ストロークプレーを行い、通過基準は168ストローク以内です。
<実技>
36ホール・ストロークプレーを行い、通過基準は158ストローク以内の上位100名を予定。
ラウンドするにはマネジメントが大切です!特にティーグラウンドでどのゴルフクラブ(番手)を持つかでホールのスコアが変わります。参考にどうぞ!
実技が終わると、最終審査は面接と筆記です。面接は10分程度です。筆記の科目は「ルールテスト」と「基本ゴルフ教本テスト」。各科目50分で途中休憩なしです。
「ルールテスト」は6割以上、「基本ゴルフ教本テスト」は8割以上正解で合格。合格点に満たない者に対しては再試験を行います。再試験でも不合格の場合、次年度受講を希望する者は、次年度に限り実技が免除されます。
「基本ゴルフ教本テスト」とはPGA発行・基本ゴルフ教本の重要な語句を正しく理解するための筆記テストです。ゴルフ審査を合格したあとは…
<B級講習会>
・前期(4学期、16日、136時間)
・後期(2学期、9日、86時間)
・入会セミナー(1日、4時間)
を経て、PGAティーチングプロ会員として登録されることになります。
難易度
合格率は約48%です。実技審査が大きな壁になるでしょうか。2018年度は、受講者数147名中、資格取得者は71名でした。
受験料
59,400円(書類審査料5,400円 + 受験料54,000円)プレ実技審査通過者は、再度受験料(54,000円)がかかります。
講習会の受講料は、580,000円(前期:365,000円、後期:215,000円消費税別 ※2017年実績)となります。
ティーチングプロになった後は…!?
就職先・求人
TCPは主にPGA認定のスクールなどに所属して活動することになります。打ちっぱなしの練習場やゴルフ場に所属するのが一般的です。また、どこにも所属せずに、個人でレッスンを行っている人もいます。
知り合いの人や先輩から誘われたり、求人などで募集されていたりする場合もあります。
将来性
少子化などでゴルフ人口が減少し続けているため、顧客獲得競争が激化していくとおもわれます。ティーチングプロは、アマチュアゴルファーを教えることが多いのですが、中にはトーナメントプロをメイン指導する人もいます。
タイガー・ウッズの歴代コーチである「ブッチ・ハーモン」、丸山茂樹のコーチ「内藤雄二」、片山晋吾選手、上田桃子選手らのコーチ「江連忠」などが活躍しています。国内のゴルフトーナメントは男子より女子の方が充実しているため、今後は活躍の場所を変えていくのも一手だと思います。
タイガー・ウッズのスイングです。コーチに客観的に見てもらうことでショットの精度を上げています。
年収
300~700万円あたりでしょうか。スクールなどの人気があれば1,000万円を超える方もいます。プロに教えているティーチングプロは、知名度を活かして、レッスン書やDVDの出版、テレビ出演で億の収入を得ているとかいないとか…
いかがだったでしょうか?ゴルフ好きなら誰にでもティーチングプロになれるチャンスがあります。自身のレベルアップのため、持っている技術をもっと多くの人に伝えたい人、自分の子供に基礎から教えたい人までいろいろ活用できます。
昨今、ゴルフ人口が減少していますが、ツアープロとは違うティーチングプロの活躍が人口の掘り起こしになること間違いなしです。「ゴルフ選手」は、2017年小学生が将来なりたい職業ランキングで140ある職業の中で「50位」でした。まだまだ、子供たちにも人気です。ぜひ、挑戦してみてください。