ラウンド中の使用頻度が高いクラブの一つ「サンドウェッジ」。
名前はサンド(砂)が付いていますが、アプローチなどのショートゲーム全般で使える万能クラブです。
ゴルフを最短でうまくする方法は『一つのクラブを使い続けること』。1本のクラブで様々なシチュエーションから打てるようになると、失敗しにくくなりスコア平均もグンと上がります。
バンカーでも使えて、フェアウェイでもラフでも使えるサンドウェッジ。マスターすればゴルフ初心者でも、スコア100切りも容易にできるでしょう!
目次
サンドウェッジ(SW)の基本
クラブの特徴
サンドウエッジ(SW)は番手の中で一番ロフト角が寝ているクラブ。つまりボールが高く上がりやすいクラブです。
また、パター以外でシャフトが一番短いのも特徴。これは飛距離を出すことを目的にしておらず、ボールをコントロールして“カップに寄せる”ことを目的にしているためです。
さらに、フルスイングする番手(例えば7番アイアンなど)よりも重量やバランスが重く作られています。
サンドウエッジは多くの場合、グリップを短く握ってショットします。短く握ることで感じる重さが軽くなり、他の番手と同じ感覚で振れるようになっています。
どんなときに使うべき?
名前に「サンド」が入るぐらいですから最初はバンカーから脱出するために作られたクラブです。
しかし、実際はバンカーからだけではなく、フェアウェイから、ラフからでも使用可能な万能クラブです。
打つ距離は30ヤード以内のグリーン周りが多いです。その他、40.50.60ヤードといったような中途半端な距離からも使用できます。
サンドウエッジはフルスイングするには適していません。思い切り振るには、重量・バランスが重いことや、バウンス(底の出っ張りのこと)があることが理由に挙げられます。
サンドウエッジのロフト角とバウンス
一般的にロフト角が54~60度のウエッジをサンドウェッジと呼びます。(ロフト角60度以上は「ロブウェッジ」とも呼ばれたりもします)
バウンスの度合い(大きい小さい)は角度で表現され、「バンス角○○度」といった言い方をします。
バウンスの目的は、「ラフやフェアウェイからふわっとしたボールを打つため」であったり「バンカーからふわったしたボールを打つため」です。
バウンスがあることでクラブヘッドが、ボールの下を潜りやすくなったり、滑りやすくなるので、ふわっとした球が打てるようになります。
ロフト角が寝ている(大きい)ということ以外で、サンドウエッジの一番の特徴は、他の番手よりもバウンス(ソールの出っ張りのこと)があるということです。
6番アイアンなどのバウンスが少ないクラブは、クリーンにボールを打てるように設計されていますが、サンドウェッジは下を潜らせます。(ダフらせると言ってもよいでしょう)
同じ56度のサンドウエッジでも、「バウンス角9度のSW」と「バウンス角12度のSW」では球の飛び方が大きく違います。
バウンス角12度のSWのほうが、ボールの下を潜らせる、滑らせるイメージが強くなります。
>>>サンドウェッジの飛距離とロフト角・バウンス角についてもっと詳しく知りたい方はこちら
バンカーで使うときのコツと注意点
球を上げるためのポイント
グリーンサイドからのバンカーショットでは、球をフワッと上げられるのが理想的。理由は、グリーンサイドバンカーはアゴが高い状況が多いためです。
低く打ち出すライナーのような球筋になってしまうと、アゴにぶつかってバンカーから出なかったり、グリーンをオーバーしてしまったりと、良いスコアを作ることができなくなってしまいます。
球を上げるために重要なことは、フェース面を正しく開くことです。
フェース面を開くことで、ロフト角の度数が大きくなり(「ロフトを寝かす」とも言います)球が上がりやすくなります。
また、フェース面を開くことで、バウンスがより出るように(大きく)なるので、バウンスを使いやすくなります。
フェース面を開く度合いは、まずは30度から始めてください。
30度というのは、時計でいうと1時間分です。フェース面が真上の12時を向いているとした場合、フェース面を開いて1時方向に向けるイメージです。
※30度は目安なので、度合いは前後しても問題ありません。また、ラウンドや練習を重ねていくと少しずつ自分の好きな開きぐらいが見付かっていくと思いますので、その場合は自分の好きな度合いで行ってください。
フェース面を開く時には注意点があります。
それは、フェース面を開く時はグリップを握ったまま開かないことです。両手からグリップを離した状態でフェース面を開き、最後にグリップを握り直してください。
これは、グリップを握ったままフェース面を30度開いたとしても、そのままスイングすると、インパクトでは元の0度に戻ってしまうためです。
必ずフェースを開いてから、グリップを握り直しましょう。
構え方のポイント
グリップは真ん中ぐらいで短く持ちます。そして、両足のラインがターゲットよりも少し左を向くように構えます。目安は、時計でいうと11時方向。左30度方向に構えるイメージです。
つまり、『フェース面は1時方向、両足は11時方向』です。
この時に、ボールは常に体の正面にあるようにしてください。よくバンカーショットでは、ボールを左側に置けということを聞いたことがあるかもしれませんが、気にしないでください。ボールは常に体の正面です。
最後に両足をグリグリさせて足場を固めて、少し両膝を曲げて腰の位置を低くしてください。下半身をしっかり安定させましょう。
打ち方のポイント
バンカーショットの打ち方のイメージは2通りあります。砂の種類によって理想的な打ち方が異なるためです。砂の種類とは、「柔らかい砂」「硬い砂」の2種類です。
どちらの打ち方でも共通することは、直接ボールを打たない、ヘッドとボールの間に砂があるようにする、ということ。
クラブヘッドで砂を打ってその爆発でボールを出すことをエクスプロージョンといいます。直接ボールを打ってしまうと、ボールは低くでてバンカーのアゴに当たるか、グリーンオーバーしてしまうので注意してください。
柔らかい砂の場合
柔らかい砂は、ボールの下をクラブヘッドがくぐる(滑らせる)イメージで打ちます。
インパクト前後のクラブヘッド軌道は地面と平行に移動するイメージ。横から打つような形になります。柔らかい砂では、ボールを上から打ち込まないようにしてください。
硬い砂の場合
一方で硬い砂のときは、上から打ち込むイメージになります。柔らかい砂よりも少し鋭角にクラブヘッドが入射していきます。フォロースルーは無理に取ろうとしなくてもOKです。
スイングは”体のラインに対して真っ直ぐ”スイングしてください。つまり左30度の11時方向です。
そして、スイング中はフェース面の開き度合いの30度をキープしてください。アドレスで30度オープン、インパクトでも30度オープンのままイメージです。
※インパクトでフェース面が閉じてしまうとフワッと上がる球にならないいので注意してください。
体は左30度、フェース面は右30度の2つの要素が相殺されて、真っ直ぐ飛ぶのがバンカーショットの仕組です。
絶対にやってはいけないNGポイント
バンカーで絶対にやってはいけないNGポイントは、スイング中にグリップの握る力を緩めてしまうことです。これは、柔らかい砂でも硬い砂でもどちらも同じです。
バンカーショットは、ボールを直接打たず、砂を打ってその爆発でボールを出します。そのため抵抗が大きくなるのでグリップをしっかり握っていなければ打ち負けてしまいます。(砂が湿っているほどその抵抗は大きくなります)
通常のショット時よりも、よりしっかり握って、絶対にグリップを緩めないように意識してください。
>>>ボールを打つより砂を打て!確実にバンカーから出すためのコツをご紹介します。
グリーン周りで使う時のコツと注意点
グリーン周りフェアウェイから20ヤード程度のアプローチの打ち方をご紹介します。ラウンド中によく訪れるシーンなのでぜひ習得してみてください。
アプローチがうまくなるアドレスのコツ
「ボールは正面、グリップは短く、スタンスは狭く」がおすすめ。まず、ボール位置は基本的に体の正面にしてください。
ボール位置を右や左にして特殊なショットを打つ応用もありますが、まずは体の正面から始めましょう。
アドレスのポイントとして、
・グリップを通常のフルスイング時よりも短く握る
・スタンス幅を通常のフルスイング時よりも狭くする
を意識してください。単純に打つ距離が短くなるため、それに比例させてグリップを短く、スタンス幅を狭くするイメージです。
失敗しないスイングのコツ
下半身と手首をしっかり固定しましょう。スイング中のポイントとして、下半身と手首を使い過ぎないように気を付けてください。
これはフルスイング時と比べて打つ距離が短くなるため、極度な下半身の動きと手首の動きは必要なくなるためです。
例えばドライバーで飛距離を出すには、スイング中に下半身や手首をしっかり使わないといけませんが、アプローチは飛距離よりも正確性、再現性が重要になります。
20ヤードのアプローチでは、下半身・手首をできるだけ固定させて腕のみでスイングするイメージになります。
腕のみでスイングして、結果的に下半身・手首を使うことは全く問題ありません。下半身と手首の動きをゼロにする必要はありません。あくまで意識して使わないようにということです。
最重要!スイングが安定する「リズム」
アプローチではリズムがとても重要になります。正しいイメージは「振り子」です。
アプローチは”寄せる”ことが目的。パワーではなく再現性が重要です。ダウンスイングでは無理に加速せず、ブランコや振り子のようなイメージでスイングすることを意識してください。
ダウンスイングで失速するのは✖です。バックスイングとフォロースルーの大きさを同じにすることを意識してください。
バックスイングで左腕が地面と平行の大きさまで上げた場合、フォロースルーでは右腕が地面と平行の大きさまで振るイメージになります。
飛距離を調節したいときの方法
アプローチで距離を調整したい場合、その打つ距離に合わせて(比例させて)、グリップを握る場所とスタンス幅を調整しましょう。
20ヤードのアプローチよりも40ヤードのアプローチのほうが、グリップを長く握って、スタンス幅を広くする、というイメージになります。
さらに、打つ距離に比例させてスイングの大きさも調整することで、さらに細かく調節することができます。
ダフリ・トップを防ぐための方法
ダフりを防ぐ方法
サンドウエッジのアプローチでダフらないためには、ダウンスイングで頭が沈まないように意識してください。ダウンスイングで頭が沈んでしまうと、顔とボールの距離が近くなりダフりになってしまいます。
トップを防ぐ方法
ダウンスイングで両膝が伸びないように意識してください。両膝が伸びてしまうと、顔とボールの距離が遠くなりトップになってしまいます。
上記どちらのポイントもなかなか自分では気が付かないことが多いので、鏡をみながらまずは素振りから行うのが良いと思います。素振りでイメージができたらボールを打つ。という流れができると、習得のスピードも早くなるでしょう。
>>>ゴルフスイングの基本を総まとめしました!初心者はまずこれでスイングを安定させてください!
サンドウェッジ(SW)の正しい打ち方と、失敗しないためのポイントをご紹介しました。
砂地からのショットだけでなく、フェアウェイやラフなどでも使える万能なクラブを習得できればスコアップの大きな助けとなるでしょう。
いろいろなクラブを練習するよりも、まずはサンドウェッジを様々な状況で打ち分けられるように練習してみてください。