ゴルフクラブでは、ライ角はとても大切です。
しっかりと調整されていると、ボールの方向性や飛距離が安定します。ゴルフクラブがまだしっかりと振れていない初心者はあまりこだわらなくてもいいのですが、中級者や上級者は、一度見直してみてください。クラブの性能をさらにアップさせることができます。
今回は、ライ角の4つのメリットと適正な角度についてご紹介します。
ライ角を調整すれば、ヘッドの抜けが違いますので気持ちよく振ることができるようになります。リズムも良くなりスコアアップも期待できます。ぜひ試してみてください。
目次
ライ角とは?
ライ角とは、ゴルフクラブを構えてクラブのソール面を地面に水平に置いたときに、地面とシャフトのなす角度のことです。この角度が大きいと「アップライト」、小さいと「フラット」と言います。
トゥダウン現象
インパクトの時には強い遠心力なども加わり、少しトゥ側(ヘッドの先端)が下がる「トゥダウン現象」がヘッドに起こります。それを見越して、アドレスを構えた時から少しトゥを上げることで、ライ角とおりにボールを捉えることができます。
ライ角の調整は必要?
ライ角の調整でロフト角やミート率も変わるので、スイングが安定しているゴルフ上級者やプロにとっては、とても重要ですが、ゴルフ初心者など安定していない人は、ライ角をあまり気にする必要はありません。
理由は、毎ショット同じような軌道で振らないと、自分のショットの癖やミスの傾向がわからないので、ライ角を調整してもショットに反映されないからです。
ライ角の調整は、主にアイアンやパターで行います。ウッドやユーティリティーでは、ほとんどしません。ライ角が適正だと、自分の体格や振りに合ったクラブになります。
ライ角が調整できていない場合のデメリット
ライ角が合っていないと、
・ボールをコントロールできない
・番手とおりに飛ばない
・失敗を前提としたショットになる
スイングが良くても、クラブのせいでボールの飛んでいく方向性が悪くなりますので、しっかりと調整していきましょう。
ライ角|4つのメリット
方向性がよくなる
ライ角を自分の体格やスイングに合わせて調整すると、自分の打ちたいところに打てるので、ボールの方向性がよくなります。ライ角が合わないとフェース面がターゲット方向を向いていても思うようなところには打てません。
ライ角はインパクトの瞬間の角度がとても大切になります。インパクトの時トゥが浮くと「フック系」の左に飛んでいく球が出やすく、逆にトゥが下がりヒール側が浮くと、フラットになるので「スライス系」の右にいく球が出やすくなります。
芯(ミート率)に当たる確率が上がる
ライ角が適正だと、芯に当たる確率が高いので、飛距離も落ちずにしっかりと距離を刻んでいけます。アップライトですとヘッドの先に当たりやすくなります。フラットだとネック側でボールをヒットしてしまいます。
ミート率を高くすると、スイング中のパワーをボールに効率良く伝えている証拠になります。つまりヘッドの軌道が安定しているということになります。
ミート率がアップする練習方法をご紹介します。あと+10ヤードの参考にどうぞ!
飛距離がアップする
ライ角が合わないと、同じスイングをしてもスライスやフックが出てしまいます。適正だとまっすぐ飛んでいきますので、自然と飛距離が出ます。また、芯で捉えられるので、風にも強いボールが打てます。荒天の時でもライ角が適正なら、しっかりと振り抜くことができます。
打感がよくなる
ライ角が合わないと、ヘッドの重心が高くなるので、芯から外れて、手に伝わる感触が硬く感じることがあります。併せて打球音も悪くなるので、ミスショット感を増幅させてしまいます。
きちんとライ角を調整すると、芯でボールを捉えることができ、ボールの当たる感触が柔らかく感じます。打球音もいいので、気持ち良く振れて調子の良さをキープすることができます。スコアアップにもつながります。
適正なライ角を調べる方法
ライ角が適正なのかどうかチェックしてみましょう。
・ソールの傷を確認
・コースでのディボットの跡の確認
・10円玉チェック
・ショップで計測する
ソールの傷を見る
ソールを見て、トゥ側に傷が多ければフラット。ヒール側がついていれば、アップライト。ソール全体に程よく傷があれば適正なライ角です。もし、傷がわかりにくければ…
・ソールにテープを貼る
・ソールをマジックで色付けする
ソールのどの部分が擦れているかをチェックしましょう。傷を見るように行えばOKです。
コースでのディボットの跡の確認
ラウンド中、アイアンショットのディボット跡をみてみましょう。ソール幅の長方形のターフであれば適正です。細くて小さいディボット跡はライ角を調整する必要があります。
10円玉チェック
振らなくても確認できる方法があります。画像のようにヘッドのトゥ側に10円玉を2枚入れみてください。10円玉に触らなければアップライト気味。硬貨がズレたらフラット気味だとわかります。これはあくまでも目安なので、一度しっかりテープやマジックで実際スイングをして調整してください。
ショップで計測する
出典:Amazon
一番有効なやり方です。適正なのかを数値で表してくれます。自分に合うライ角がわかります。ロフトも一緒にチェックもできるので、番手どおりの距離が出やすくなります。
スイングを良くするには、シャフト・ヘッドなど様々なマッチングが重要です。ゴルファボ編集部がクラブフィッティングを体験取材してきました。参考にどうぞ!
ライ角調整ができないアイアンがある
実は、すべてのアイアンでライ角を整えることができません。理由は、金属の素材の硬度が違うからです。
ライ角を調整できるのは、軟鉄のアイアンです。飛びキャビのアイアンは、ステンレスやチタンなど硬い金属を使っていますので、できません。調整の方法は、ネック部分に対して体重をかけて行います。軟鉄のアイアンでも0.5~1.5度が限界です。無理矢理すると亀裂が入り折れてしまいます。
ステンレスやチタンのアイアンは、角度が狂うことはありませんが、軟鉄だと打てば打つほど、徐々に狂ってきますので、半年か1年単位での調整が必要になってきます。
クラブのカタログなどにライ角の度数が載っていますので、試打をしながら合わせいくことをオススメいたします。軟鉄は、購入時でもバラついていることがありますので、きちんと計測してもらいましょう。購入のときはサービスでしてくれるところが多いです。
気になるお値段は?
価格は、300円~500円くらいです。専用の機器を使います。ヘッドを固定しネック部分をテコの原理で曲げていきます。ある程度の経験と熟練の技が必要ですので、クラブフィッターやクラフトマンのいるショップをオススメします。
失敗すると、ネックに亀裂が入り折れてしまい買い替えが必要になってきます。
アイアンをクリーンに打つための適切なライ角について、もっと知りたい方はこちらからどうぞ!
ライ角についてお伝えしてきましたがいかがだったでしょうか?クラブを自分に合うようにすることで、飛距離や方向性も安定しますので、思い通りのショットを放つことができます。
まずは、お伝えしたチェック方法を確認し、合っていなければ、ゴルフショップで調整することをオススメいたします。クラブヘッドの抜けが全く違いますので、ぜひ試してみてください。