ゴルフスイングは、ボールから肩を結ぶスイングプレーンに沿って、積極的にフェースローテーションを入れて振ればビッグドライブをすると言われていますが…この常識はもう古いかもしれません。
実は、クラブヘッドを受動的(身を任せる)にするだけで自然にヘッドが返ってきて加速するんです。
今回は、世界のトッププロが実践する「パッシブトルク」の最新理論で飛距離が+10y期待できる方法をご紹介します。
超一流選手にはパッシブトルクの共通点があります。これまでの動きと逆の動きになるので、最初はかなり違和感を覚えると思いますが、欧米のプレーヤーがなぜあんなに飛ばせる理由がわかります。
理解するまでは少しややこしいかもしれませんが、ぜひ一読していただき最高のスイングの参考にしてみてください。
目次
パッシブトルクとは?
出典:GDO
パッシブトルクとは、トップポジッションの切り返しでクラブヘッドを倒すような動きをすることによって、筋肉の作用を利用してパッシブ(受動的)に行なうスイングのことです。
積極的にフェースローテーションを使ってインパクトを迎える能動的ではなくて、フェースの動きを自動的にさせようというゴルフ理論です。
パッシブトルクを使っている代表的な選手は、2017年のマスターズ覇者のセルヒオ・ガルシア、メジャー4勝のローリー・マキロイ、2015・2016年国内賞金女王のイ・ボミなどがあげられます。
ダウンスイング始動の瞬間、切り返しでヘッドが後方に倒れているのがわかると思います。
なぜ、パッシブトルクで飛距離が出るのか
スイングには、「手首の縦の動き」「手首の横の動き」「シャフトの軸回転」で発生する3つのトルクがあり、この3つのトルクの複合体が、パッシブトルクになります。インパクトでシャフトの回転軸を受動的(自動的)に発生させることでとても楽にショットをすることができます。
飛ばし屋と言われるプロの切り返しをよく見ると、ヘッドが垂れて一旦後方に倒れる動きがあると思います。その後は手元が体に巻きつくように引きつけられて、ヘッドが加速しながらインパクトを迎えます。
ゴルフクラブがオンプレーン上を通るより、パッシブトルクでシャフトを倒してプレーンの下から降ろしたほうが、ヘッドのスピードが出ます。クラブを倒すと左腕にパッシングトルクがかかり、その反作用で、腕とクラブが左回転してきます。
意識してフェースローテーションしなくてもクラブフェースが自動的に閉じていきます。プレーン上にクラブを振って飛距離を出すには体力が必要ですが、パッシブトルクを使うと少しの力で効率的に飛ばすことができます。
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スピードを上げる『サイクロイド曲線』
なぜ、パッシブトルクで飛距離が出るかと言いますと、「サイクロイド曲線」(サイクロイド曲線とは…円を転がした時、円の外周が一回転した時にできる曲線)の効果を得られるからです。
上記の図を見てください。一番上にあるボールを黒い線(直線)と赤い線(曲線)からボールを転がしたとき、サイクロイド曲線のほうが球が速く転がります。身近なもので言えば、滑り台などです。直線よりも曲線を描いた滑り台の方が早く滑れます。
この理論からいくと、高いトップから直線的にそのままボールを打ちにいくよりも、シャフトを倒してあえてパッシブトルクで遠回りさせてスイングするほうが、ヘッドスピードが上がるので飛ぶことになります。
このサイクロイド曲線の理論は、メジャーリーグで活躍している大谷選手やイチロー選手も活用しています。バッターボックスに入るとき、わざとアッパースイングで素振りをしているのがそれです。彼らもヘッドスピードを上げるコツに利用しています。
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パッシブトルクのメリット・デメリット
最新でも、メリットとデメリットがあります。
メリット
パッシブトルクは、トップからの切り返しでヘッドが垂れてシャフトが後方に倒れます。そうすることでオンプレーン上よりもクラブが内側を通り、腕とクラブがねじれ(トルク)ることで、小さな力でもヘッドスピードが上がり強い球を打つことができます。
インパクトも安定し再現の高いスイングができますので、飛距離もアップします。
デメリット
パッシブトルクのデメリットは2つあります。
1つ目は、フェースローテーションが大きくなり過ぎて球が左右に曲がりやすいことです。また、ダウンスイングでフェースを開くとインパクトのタイミングがズレやすいので、プッシュアウトやスライス、チーピンなど、左右に球がブレる原因になります。
2つ目は、身につけて慣れるまでに時間がかかることです。これまで、プレーンをなぞる打ち方を覚えているので、トップでクラブを倒すのは感覚的にとても違和感が出てくると思います。ゴルフ理論の中でも難易度は高い方ですので、地道に習得する必要があります。
パッシブトルクを体現してみよう!
トップポジションを作ります。そのときクラブヘッドはクロスするのではなく、レイドオフ(ヘッドの位置が後頭部側)の状態にします。切り返しでシャフトを倒します。倒すとき、右手の平が空を向くようにすると感覚がつかみやすいでしょう。
パッシブトルクの注意点として、ただクラブを倒すのではなく、しっかりと左足に体重移動をしながら回転させていきましょう。そうすることによって、手元が身体に巻つくように引きつけられて、パワーを最大にしてインパクトを迎えることができます。
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パッシブトルクでスイングができるようになると、ヘッドスピードが上がりミート率もアップしていきますので、確実に飛距離もアップします。少しの力で最大限のパワーが出せるようになると、疲れませんのでラウンド後半でもコースマネジメントに専念することができます。
ぜひ、ご紹介した「パッシブトルク」を試していただき、次回のゴルフに活用してください!