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ゴルファボ TOP雑学フィル・ミケルソン特集!PGA43勝の凄さを徹底調査

雑学

フィル・ミケルソン特集!PGA43勝の凄さを徹底調査

出典:golfchannel

アメリカPGAツアーでの生涯獲得賞金は歴代2位、48歳にして今なおトップクラスの実力を誇り、優勝争いも演じる「レジェンド」。その名はフィル・ミケルソンです。

アメリカ・カリフォルニア州の出身、世界の頂点を争うプロでは珍しい左打ちの選手として「BigLefty」の別名で親しまれています。かつてはメジャーの優勝争いにことごとく惜敗し、勝負弱さを指摘されたこともありました。しかし愛する家族、そしてファンの支えを力に、自分を磨き研鑽を積んできました。

数々のタイトルを獲得、多くのファンから愛される存在になったフィル・ミケルソン。その歩みと強さの秘密、横顔を徹底紹介します。

プロフィール

出典:Golfweek

フィル・ミケルソン=Phil Mickelson
身長=191センチ 体重=91キロ
生年月日=1970年6月16日(48歳)

生い立ち

アメリカ・カリフォルニア州のサンディエゴ出身。父フィリップと母メアリーの間に生まれました。母・メアリーは「こんなに不器用な子どもは見たことがない」と、壁や柱にぶつかることが多いのを心配して、アメフト用のヘルメットをかぶせていたと言います。

小学校にあがる前から父の教えでゴルフを始めます。フィル・ミケルソンは右利きですが、父のスイングを見て鏡映しに真似をしてゴルフを覚えたので、左打ちのスタイルになりました。

地元の高校を卒業後はアリゾナ州立大学に進学、ゴルフの腕をさらに上げていきます。

アマチュア時代

出典:golfwrx.com

アリゾナ州立大学の在学中も素晴らしい成績を挙げます。1年生だった1989年にNCAAゴルフ選手権で史上最少スコア(当時)をマークして優勝。1990年に全米アマチュアゴルフ選手権で優勝を果たします。

1991年にはアマチュアとして出場したPGAツアー「ノーザン・テレコム・オープン」で初めての優勝を遂げました。

プロ時代

初のメジャー制覇まで

出典:GDO GOLF style

アリゾナ州立大学を卒業して1992年、プロ転向を宣言。翌年のビュイック選手権でプロとしての初優勝を果たしています。

左利き、アマチュアでも頂点に立ったフィル・ミケルソンの活躍には全米から期待が集まりましたが、プロの壁の厚さに阻まれることになります。

ツアーでは1994年のメルセデス選手権、95年のノーザン・テレコム・オープン、1996年のフェニックスオープンなどで勝利をしていきますが、メジャー大会ではあと一歩の成績が続きます。

1994年の全米プロでは3位、1995年の全米オープンでは4位タイ、1996年のマスターズでは3位。

スプーンで300ヤードを飛ばすパワーを持ち、高く上がる見事なロブショットを見せます。しかし、ここ一番でのパットが決まらず、頂点には届きません。年月が過ぎフィル・ミケルソンは「無冠の帝王」と呼ばれるようになりました。

マスターズ初制覇

出典:chicagotribune

メジャー大会でベスト3に入ること8回。ベスト10には実に17回もランクインしながら優勝には届かなかったフィル・ミケルソンでしたが、待望の初制覇の日が2004年にやってきます。

初日は雷による日没サスペンデッド。2日目までを終えてフィル・ミケルソンは首位と3打差の3アンダーで4位タイにつけていました。そして3日目に3つスコアを伸ばして通算6アンダー、クリス・ディマルコと並んで首位に立ちました。

最終日の前半9ホールで2つスコアを落としたフィル・ミケルソンでしたがバックナインで猛チャージを開始。12番、13番、14番で3連続バーディーを奪い、首位に立っていたアーニー・エルスに1打差と迫ります。そして16番のパー3でもバーディーを奪ってエルスに並びました。

18番、第2打をグリーン奥5メートルにつけたフィル・ミケルソン。入れば初優勝という運命のパットをカップ右からねじ込み、見事に初優勝を決めグリーン上で飛び跳ねて歓喜を爆発させます。これが33歳10か月での悲願達成でした。

世界屈指のプロゴルファーに

出典:Workday

2005年の全米プロでは、最終日がサスペンデッドとなり、フィル・ミケルソンは14番パーパットから4アンダーの暫定トップで残りホールを再開となりました。ボギーを一つ叩いて首位タイで迎えた18番。右ラフからの難しい3打目をピンそば1メートルにつけ、バーディー。メジャー2勝目を飾ります。

翌2006年のマスターズでは通算7アンダーで2年ぶり2度目の優勝を果たしました。この大会ではティム・クラーク、タイガー・ウッズ、フレッド・カプルスらと上位争いをする混戦に。最終日で3つスコアを伸ばしたフィル・ミケルソンはこの接戦を制しました。

この大会でフィル・ミケルソンはドロー用とフェード用の2本のドライバーを駆使。オーガスタで戦うには普段のものよりもさらに距離を出さなくてはいけなかったとして「このコースは唯一、2本のドライバーを使う必要があった」と「二刀流」の成功を語っていました。

全米オープンでの悲劇

出典:The National

2005年の全米プロ、2006年のマスターズとメジャー2連覇を果たしたフィル・ミケルソンは3連覇をかけて全米オープンに臨みます。

3日目を終えて2オーバーで首位タイ、最終日も2つスコアを落としながら18番ホールでトップに立っていました。ここでパーなら優勝、ボギーでプレーオフという中、ティーショットを左に曲げたフィル・ミケルソンは、2打目も木に当てるトラブルに見舞われます。

3打目もグリーン手前のバンカーにつかまり、結果は悪夢のダブルボギー。オーストラリアのジェフ・オギルビーに逆転で優勝をさらわれてしまいました。

愛妻に送るマスターズ優勝

出典:GDO

2009年5月、エイミー夫人の乳がんが発覚します。直後には母・メアリーさんも乳がんであることがわかりました。フィル・ミケルソンはツアー参加を見合わせ、全英オープンも欠場して妻に付き添います。

翌年マスターズでフィル・ミケルソンは3度目のマスターズ制覇、4度目のメジャー優勝を飾ります。そのキャップの横にはピンク色のリボンがつけられていました。

まだ体調が万全ではないエイミー夫人が見守ったマスターズ。最終日は2位でスタートすると、13番パー5ではフェアウェイ右の木と木の間、1.5メートルの空間から放った200ヤード強の第2打を、ピン右1メートルにつけるスーパーショット。最終日はボギーなしの67をマークして逆転し頂点に立ちました。

乳がん撲滅キャンペーンのピンクリボンをつけたフィル・ミケルソンはエイミー夫人と抱き合い、涙を流します。優勝を勝ち取った2人にギャラリーとテレビの前の多くのファンが拍手を送りました。

PGAツアー40勝

出典:ESPN

2012年にはAT&Tペブルビーチナショナルで2位に2打差をつける17アンダーでPGAツアー40勝目を挙げます。

翌2013年には「苦手」と言われていた全英オープンで初優勝を遂げました。最終日を2オーバー、9位タイでスタートしたフィル・ミケルソン。この日は6アンダー1ボギーの3アンダーまでスコアを伸ばします。イアン・ポールター、アダム・スコットらとの争いを制して、逆転優勝を果たしました。

全英オープンへの挑戦はこれで20度目。左打ちのゴルファーとしては50年ぶりの戴冠です。

手術を乗り越えて

出典:PGA TOUR

2016年の秋にフィル・ミケルソンは2度のヘルニアの手術を受けました。その後、復帰して引き続き王者の貫禄を見せていきます。

2018年3月のメキシコ選手権ではプレーオフの末にジャスティン・トーマスを破って5年ぶりのツアー優勝。47歳にしてその実力を証明しました。

↓日本から世界で戦えるゴルファーへと成長しました!ゴルフに真っすぐ向き合う小平智を特集しているのでご覧ください。

物議をかもした「全米OP事件」

出典:GDO

2018年の全米オープン、厳しいコースセッティングで選手たちが苦しむ中でのことでした。フィル・ミケルソンが3日目の13番、カップを外れたボールが動いている間に逆方向へ打ち返しました。

ボールがグリーンを出ることを避けるために「意図的にやった」。全米ゴルフ協会は失格などとはせず、2ペナルティのみを課す裁定をくだしました。

スターが見せた行動に誰もが驚きましたが、後日、フィル・ミケルソンは深い反省と謝罪の言葉を述べました。過ちは誰にでもあることですが、その行動は数々の議論を呼びました。

メジャー成績一覧

生涯獲得賞金

出典:RTE

フィル・ミケルソンがプロ転向後に獲得した賞金は8800万ドル余り(日本円で約100億円)。1位のタイガー・ウッズの約1億1500万ドルに次いで2位となっています。

勝ち数賞金賞金ランク
19911※アマチュア
19920$171,71490
19932$628,73522
19941$748,31615
19951$655,77728
19964$1,697,7992
19972$1,225,39011
19982$1,837,2466
19990$1,722,68114
20004$4,746,4572
20012$4,403,8332
20022$4,311,9712
20030$1,623,13738
20042 (1)$5,784,8233
20054 (1)$5,699,6053
20062 (1)$4,256,5056
20073$5,819,9882
20082$5,118,8753
20093$5,332,7553
20101 (1)$3,821,7336
20111$3,763,48812
20121$4,203,8218
20132 (1)$5,495,7934
20140$2,158,01938
20150$2,154,20038
20160$4,022,62812
20170$2,102,59945
20181$4,595,18713
合計43 (5)$88,173,1242
※()内はメジャーでの勝利

スイングの特徴

平均飛距離は300ヤードを誇るフィル・ミケルソン。大きなスイングアークで振るドライバーショットはとにかくパワフルです。ダウンスイングではシャフトが体に巻き付くように下りてきます。タメが深く、腕とシャフトが鞭のようにしなることでパワーを生んでいます。

 

↓プロとアマチュアのスイング、違いはどこにある?アマチュアでも取り入れられるポイントも紹介しますのでぜひご覧ください。

ここが世界トップクラス

出典:GOLF.com

とにかくアグレッシブに攻めるゴルフを信条としているのがフィル・ミケルソンです。困難な状況でもセーフティな選択をするよりも果敢にグリーンを狙う。チャレンジをしていく姿勢が大勢のギャラリーを楽しませます。

世界屈指の実力はこれまでの成績でも証明済み。堅実なだけではない、堂々と攻める姿勢、ときどきミスをしてもチャレンジ精神旺盛なリカバリで挽回する、という見ていてわくわくするゴルフを展開します。それが何とも人間味あふれて多くのファンを虜にしているのでしょう。

かねてからフィル・ミケルソンはファンやメディアへの対応がとても丁寧で全米でも屈指、と評判でした。サインや写真撮影には時間が許す限り応じ、メディアなど関係者には挨拶を欠かさないといいます。

ゴルフのプレーでも、それ以外の時間でも周りの人をとにかく喜ばせてくれる、本当のスーパースターの姿がそこにあります。

強さの秘密

出典:PGA TOUR

5年ぶりにメキシコ選手権で優勝を果たしたフィル・ミケルソンはそのとき47歳。年齢を重ねても世界で頂点を争えるのは「準備」に秘密があるといいます。

試合に入る前にはじっくりとウォーミングアップ。メディシンボールなどの器具を使って、クラブハウスの中で汗だくになるほど動いてから、練習場に向かいます。大きなスイングをするためにはそこまでしっかりアップをすることが大切だということでしょう。

その後、練習用の重りの付いた棒を野球のスイングのようにビュンビュン振ります。重いものから軽いものへと変えてスピードを増して振れるようになってから、ようやくゴルフボールを打ち始めるといいます。こうした入念な準備があるからこそ、ティーショットからどんどん振っていけるのでしょう。

こうした地道な努力が世界トップクラスで戦うプレーを支えています。

性格と人柄

・父の教え
ゴルフを教えてくれた父の言葉は常にフィル・ミケルソンの心にとどまっていると言います。8歳のころ、フィル・ミケルソンはゴルフをしているときにクラブを地面に向かって投げ捨てたことがありました。そのときに父は黙ってみていたと言います。

それから数ホール、フィル・ミケルソンは自分自身の行いを反省して「これからは楽しくやれると思うよ」と父に向って小さな声で話したそうです。「ゴルフは常に楽しくプレーするもの」。

その言葉は父からよく教えてもらっていたことでした。改めてこのとき、その言葉を心に刻んだのでしょう。常に楽しんでプレーをするという姿勢は今でも貫かれています。

出典:ゴルフネットワーク

・家族への愛
1999年の全米オープンはエイミー夫人の初産と重なりました。このときはもし最終日で首位にいたとしても「エイミーの身に何かがあったらすぐに棄権して駆けつける」と話していました。このときはペイン・スチュワートに敗れ、翌日に長女・アマンダの誕生に立ち会うことができました。

2017年、グランドスラムまで残るタイトルは全米オープンのみとなっていました。ただ、ゴルフよりも家族を大切にしているという考えが揺らぐことはありません。2017年の全米オープンにあたっては長女・アマンダの卒業式を優先する、と発表しました。

誰よりも家族を大切にする姿は多くのファンの共感を呼び。フィル・ミケルソンの大きな魅力となっています。

↓フィル・ミケルソンと同じPGAツアーを舞台に活躍する松山英樹、そのギア選びについてまとめました。

世界ランク推移

使用クラブ

■ドライバー
キャロウェイ ローグ サブゼロ ドライバー(9度)/トゥルーテンパー プロジェクトX HZRDUS(T1100)
■FW&UT
キャロウェイ ローグ サブゼロ フェアウェイウッド(3番、13.5度)
キャロウェイ ローグ(19度)
■アイアン
キャロウェイ GBB エピック プロ アイアン(4番)
Xフォージド18アイアン(5番-PW)
■ウェッジ
キャロウェイ マックダディ PM グラインド ウェッジ(56度、60度、64度)
■パター
オデッセイ VERSA パター #9 WHITE ヴァーチカルデザイン(縦型)
■ボール
キャロウェイ クロムソフト X ボール

↓ゴルフ界の生ける伝説、タイガー・ウッズを特集!その歩みとスーパースターのエピソードをまとめました!

まとめ

今回はPGAツアーで43勝を挙げている「ザ・レフティー」フィル・ミケルソンについて紹介しました。プレーでの幾多の勝利はもちろんのこと、ファンや家族をとても大切にしている、世界中のゴルファーの鑑のような存在です。

フィル・ミケルソンの活躍はまだまだ続きそうです。生涯グランドスラム、そしてPGAツアーでの45勝、50勝と今後の躍動にも期待しましょう。

この記事を書いたライター

ライター

ゴルファボ編集部

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