初心者から上級者まで、常にゴルファーを悩ませるのが「ドライバー」です。
まっすぐ飛ばない…OBが怖くて打てない…もっと飛ばしたい…そもそも打ち方がわからない…、それぞれ様々な悩みがあるのではないでしょうか?
ドライバーはすべての番手の中で一番扱いが難しいクラブ。シャフトが一番長く、ヘッドと自分に距離ができるので、的確にミートする難易度が上がります。
難しいからこそ、まずは基本となる打ち方のポイントを習得が大事です。
今記事では、初心者にまず習得して欲しいドライバーの打ち方の基本ポイントを解説いたします。ぜひ、気持ちよく振り切るための参考にしてみてください。
ドライバー”打つ前”5つの基本
ドライバーの打ち方が身につく5つの基本をご紹介します。
「グリップ」に関しては、記述すべきことが多すぎるためここでは解説していません。ゴルフ初心者は打ち方よりも、まずは適切なグリップを身に付けましょう。
自分に最適な握り方、グリップの基本を身に付けることでドライバーの精度は大きく上がります。ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
>>>グリップ(握り方・持ち方)の基本を徹底解説!ゴルフ初心者はまずココをチェックしてみてください。
ボールの位置と高さ
ドライバーのボール位置は、左足かかと直線状が基本です。
理想の位置はゴルファーそれぞれ違いますが、まずは左足かかと内側の直線状を基本にしてください。
ゴルフ初心者の多くはドライバーを打つとき、左足のつま先であわせてしまうので左側に置き過ぎてしまう傾向があります。左に置きすぎると打ち込みの原因になったり、芯に当たりにくくなります。
球の位置が少し違うだけで、スライスになったりする可能性もあるので注意しましょう。
ボールの高さは、ドライバーのフェース面からボールが3分の1~半分くらい出ているくらいが基本です。
ドライバーで適度なアッパー軌道(上昇軌道)で球を打つために、上部が3分の1、もしく半分くらい出た状態がよいでしょう。
ティーが低すぎればアッパー軌道で打つことが出来ず、高すぎればテンプラ(高く上がり過ぎ)になり飛距離は出ません。
ドライバーのヘッドを地面に置いて、ボールが半分程度上から見えている状態でアドレスしましょう。実際にショットしてみて、しっくりこない場合は自分なりに高低を調整してみてください。
足幅(スタンス)と足の向き
ドライバーの足幅は肩幅より少し広めが基本です。具体的には自分のシューズ3.5足分くらいの広さです。
足幅(スタンス)が広いと下半身が踏ん張れるのでパワーが出しやすいですが、回転がしにくくなる特徴があります。ドライバーだけでなくアイアン含め、ゴルフ初心者はスタンスが広すぎる傾向にあるようです。
反対に足幅が狭い場合は、パワーは生まれにくいですが、体の回転はスムーズになります。まずは基本となる3.5足分を試して自分なりに微調整してみてください。
足はガニ股、内股等ならないようにまっすぐ向けましょう。
足の指と母指球(足の親指の付け根部分)で地面をつかめる角度を見つけてください。具体的には、人間の体の構造上、ほんの少しだけ親指を外に向けたほうが踏ん張りが効くと思います。
靴の中の足の指は曲げてもOK。しっかり地面をつかむことでドライバースイングに負けない強い下半身を維持することができます。
体とグリップの間は
初心者ゴルファーはボールから離れて構えがちなようです。離れて構えると、脇が空いてしまうのでスイング軌道がブレやすくなります。
まずはドライバーを持たずに前傾してみてください。そこから力を入れずに“だらん”と腕を垂らします。腕がまっすぐ伸びた状態でグリップしましょう。
目安としては握りこぶし2個入るくらいが基本です。
体から遠すぎず近すぎない、理想のグリップ位置を作ることができます。自分とボールとの適切な距離を保つことは、強いスイングでドライバーを正確にインパクトするために欠かせないポイントです。
アライメント【肩・腰・膝】を平行に
飛球線に対して、肩・腰・膝がまっすぐ向くようにしてください。
ゴルフでは、初心者もプロも右を向いて構えてしまいやすいという特徴があります。ドライバーでもアイアンでも同じです。
ボールを落としたい場所(狙った場所)を向いて構えてしまうと、体は自然と右を向いてしまいます。
特に「肩」には注意してください。ゴルフは右手を下にして構えるので、後ろの肩が前に出やすくなります。ドライバーのスライス原因にもなるので、まっすぐスクウェアに構えましょう。
グリップはゆるゆる握りでOK!
遠くまで飛ばしたい…!その気持ちがドライバーのグリップをギュッと強く握りしめてしまいます。
手や手首がガチガチに力んでしまうと、自動的に腕、肩、胸などが緊張してしまいます。緊張してこわばった筋肉は速く動くことができないので、思い切り振っってもヘッドスピードが上がらず飛距離が出ません。
ドライバーを遠くに飛ばすには力みは厳禁。リラックスした良い状態を作るためにアドレスに入る前、3秒程度思い切りグリップを握りしめてみてください。
わざと力を入れることで、力みを効率的に取り除くことができます。手元がリラックスすれば全身の筋肉を柔らかく素早く動かすことができるでしょう。
>>>ゴルフスイングの基本を総まとめ!初心者でもスコア100の壁を突破するためのスキルが盛りだくさんです!
ドライバーをまっすぐ飛ばすための7ポイント
ドライバーの正しいスイング軌道
ドライバーは尺が長いので、アイアンよりもスイング軌道がフラット(横軌道)になります。
なので、上から打ち込むというよりは、横から払うイメージの打ち方のほうがドライバーをアッパー軌道で振ることができます。
ドライバーは球を遠くに飛ばすために、他クラブよりもロフト角(フェース面の角度)が小さく球が上がりにくい設計になっています。打ち込みは絶対NGです。
アッパー軌道の打ち方ができれば、下から上への力(下半身の力)を引き出せるのでヘッドスピード=飛距離が上がります。
軌道がフラットになった分、ドライバーのトップ位置はアイアンよりも低くなります。無理に高く上げようとすると、体の軸がブレてしまうので、体全体を使って回転しましょう。
また、ヘッドの軌道がフラットになると、テイクバックで上体が起き上がってしまいやすくなります。上体の起き上がりは、再現性を低くするだけでなくパワーロスにもつながるので注意してください。
OBを防止する握り方のポイント
グリップの握り方(左手)を変えるだけでドライバーの弾道をかんたんに調整することができます。
ドライバーのスライスに悩んでいるなら、左手を内側に絞ってストロンググリップにしてみましょう。打ち方を変えるよりも簡単です。
自分から見て拳のナックル部分が3つ見えているくらいがストロンググリップです。2つ見えているならスクウェアグリップ、1つならウィークグリップと呼びます。
ストロングにすると手首が返しやすくなるので、球は左に行きやすくなります。反対に、ウィークにすると右に行きやすくなります。自分の弾道傾向にあわせて手首の角度を微調整してください。
ただし、この方法はあくまで微調整。即効性のあるスライス防止法ということを忘れないでください。
ドライバーのスライスを根本的に改善するには、正しい打ち方(フォーム)を身に付ける必要があります。過度なストロング・ウィークは逆に力が入りにくくなることもあるので注意してください。
テイクバックをスムーズにする方法
クラブを上げるのが窮屈…トップまで上げると体の軸がブレる…初心者に多いお悩みですが、その原因は「ボールの見過ぎ」かもしれません。
顔が正面を向いたまま球を凝視すると、人体の構造上、肩を回すことができずクラブを上げることが出来なくなってしまいます。
当然、体の軸もターゲット側に傾いてしまいます。
テイクバックでは少し顔を右に向けてみましょう。顔を右に向けることで、肩が回転しやすくなります。
スイング中に動いてはいけないのは、頭の位置です。顔の向きは変わってもまったく問題ありません。左目で球を見るくらいの感覚でテイクバックすればスムーズに上げられるでしょう。
振り幅は8割でOK!ミスを防ぐコツ
思い切り振り上げて振ったほうがドライバーを飛ばせるような気がしますが、力いっぱい振ると、体の軸・スイング軌道がブレやすくパワーロスしてしまいます。
初心者やドライバーがまっすぐ飛ばないゴルファーは、振り幅を8~9割程度に抑えて振ってみましょう。
振り幅を抑えることで、スイング軌道がコンパクトになり、ミート率が上がります。また、軸を保ったまま振り抜きやすくなるのでヘッドが加速した状態でショットすることができます。
自分が思っているよりも、トップ位置を少しだけ抑えた打ち方をしてください。ミート率、ヘッドの加速、軌道の安定などが加わるので、飛距離は逆に伸びるでしょう。
スライスしない「顔」の使い方
ドライバーがスライスしてしまう原因は色々ありますが、ゴルフ初心者にもっとも多い打ち方のミスが、「ヘッドアップ」です。
インパクトにかけて顔が上がってしまう(ターゲットを向いてしまう)ことで、自動的に体も起き上がってしまいます。
結果、腕が遅れて出てきてしまうのでフェースが開いたまま擦り打ってしまい、スライス球・飛距離低下に繋がります。
インパクトの瞬間、顔を右(後方)に向けるようにしてスイングしてみてください。
わざと右を向くことで、ヘッドアップ(顔の起き上がり)を防ぐことができます。ボールを打つ瞬間に、アゴを少し右に動かすイメージです。
あまり過度にやると首を痛める可能性があるので、まずは素振りを行って小さな動きから感覚をつかんでいってください。
>>>男子プロゴルフ界きっての飛ばし屋、諸藤将次プロも実践しているドライバー打ち方のコツはこちらで詳しく解説いたします。
飛ばせる人に共通するポイント
テイクバックで溜めたパワーを100%ボールに伝えるためには「ベタ足」が基本です。
ゴルフ初心者はインパクトの前に、右足が浮き上がって回転してしまいがちです。右足が浮き上がった状態では、下半身が踏ん張れずパワーは分散されてしまいます。
球を完全に打ち終わってから右足を回転させるイメージでも問題ありません。ベタ足で強い球を打つことができるでしょう。
プロゴルファーはもちろん、なぜかドライバーが飛ぶ人はもれなく全員がベタ足になっている重要なポイントです。
ドライバーを安定させる方法
ドライバーを速く振るために必ず習得しておきたい打ち方のスキルが「ビハインド・ザ・ボール」です。
ビハインド・ザ・ボールとは、インパクトの瞬間ボール位置よりも頭が後ろにある打ち方のことを言います。
頭が残ることで、頭ともっとも遠い位置にあるクラブヘッドに遠心力が働いてヘッドスピードがアップします。
ダウンスイングにあわせて頭がターゲット方向に流れてしまうと、パワーのほとんどが分散してしまいます。
ドライバーの一連の動きはとても速いので、初心者はもちろん自分ではなかなか気付きにくいポイントです。まずは素振りからゆっくりとした動きでビハインド・ザ・ボールの形を作ってください。
鏡の前や動画で動きを確認することで、効率よくビハインド・ザ・ボールを身に付けることができるでしょう。
初心者におすすめ3つの練習ドリル
左手小指がポイント!ゴルフがうまくなるコツ
左手小指、薬指、中指でグリップをしっかり持つことがゴルフの基本です。
とくに左手小指が緩むと、腕とクラブシャフトの角度が変わってしまうので打点がブレてしまいます。インパクトの瞬間、衝撃に当たり負けしてしまうので方向性・飛距離低下の原因にもなります。
左手小指、薬指、中指の3本だけでドライバーを持って素振りしてみましょう。最初はハーフスイングからスタートして徐々に動きを大きくしてください。
片手だけでゆったり大きな軌道で振ることを心掛けてください。片手一本でもスムーズに振れる軌道が、あなたにとって最適なスイング軌道です。
ラウンド中に突然ドライバーショットが荒れ始めたときは、グリップをチェックしてみてください。疲れによって小指が緩んでいる可能性があります。
スイングスピードを上げるおすすめ練習ドリル
スイングスピードを効率的に上げるには、ドライバーよりも重いものと軽いものを交互に振る練習ドリルがおすすめです。
軽いものは、「速く振る」というイメージを体に覚えさせるのに有効。重いものは全身の力を使って「強く振る」ということを体得することができます。
出典:Amazon
ゴルフ専用の練習バットなどを使うと効果的ですが、ない場合はクラブを数本持って素振りしても効果的があります。ドライバーを振るときのように、ゆったり大きく振ることを心掛けてください。
軽い棒であれば、アライメントスティックでもなんでもかまいません。ビュン!と思い切り振りましょう。軽くて振りやすい分、体が流れたりブレたりしないように注意してください。
力が伝わるスイングフォームの作り方
ゴルフクラブを持って重いものを押してみましょう。壁でも箱でも重いものであればなんでもOKです。
力強く押そうとした場合、あなたのフォームはどうなっているでしょうか?
おそらく年齢性別問わず全員が、腰が回転して、右肘・グリップともに体に近いポジションにあると思います。
その形が、あなたがドライバーでもっとも強くボールを打てるインパクトの形です。実際球を打つ時も同じ形になるように意識してスイングしてください。
ドライバーで強く押すと折れてしまう可能性があるので、アイアンなどで行ってください。実際に打つときも同じ態勢でインパクトできるように調整してください。
>>>あなたは自分の番手ごとの飛距離を知っていますか?ドライバーだけでなく、まずは番手ごとの平均飛距離を確認してみましょう!
ゴルフ初心者がドライバーをうまく打つためには、正しい打ち方(フォーム)も必要ですが、まずは「クラブを振る」という基本動作に慣れることが大事です。
また、注意すべきは力み過ぎ。ドライバーのミスショットのほとんどはガチガチに固まったフォームが原因の場合が多いです。適度にリラックスした状態で、大きくゆったり振ることを心掛けてください。
ドライバーをまっすぐ遠くに飛ばす基本の打ち方と練習ドリルをマスターすることで、今よりも+20ヤードが可能となるでしょう!