ゴルフ場で聞こえてくる「ファー!」という大きな叫び声。
それはドライバーやラフからのショットなどでボールが曲がってしまい、隣のホールなど思わぬところに飛んだ時、他のゴルファーにボールが当たらないように危険を教えるために行います。
ゴルフプレーをする上で「ファー」の掛け声は欠かせません。言い忘れたり、叫ぶことを知らなかったりすると思わぬ事故に繋がることも…とはいえ、いきなり叫ぶなんてタイミングも分からないしちょっと恥ずかしい…そんな初心者もいるでしょう。
今回は、叫ぶときに注意すべきポイントについてご紹介していきます。ぜひ、マナーを守っていただき、安心・安全なゴルフのラウンドを楽しんでください!
目次
なぜ、「ファー」と叫ぶ?
ゴルフの「ファー」には、諸説がたくさんあります。イギリスの古い文献によると、1881年の書物にこの言葉の意味が載っていて、1700年代前半から使われていたそうです。そのときから球が曲がって危険だったのでしょうね!
語源には2つの有力説があります。
1つは、ティーショットの落下地点の周辺にいた、ゴルフボールの行方を確認するフォアキャディ「fore-caddie」に危険を知らせるため。もう1つは、軍隊の号令で、前方に気をつけろ「be ware-before」からの略語という説があるそうです!
実際は「フォア(fore)」と発音するのが正しいそうですが、日本人はフォア~というより「ファー」の方が言いやすかったかもしれません。
「ファー!」のタイミング
「ファー」は、周辺のゴルフプレーヤーに危険を促すための用語です。
最近のゴルフコースでは、キャディさんが一緒に付くことが少なくなり、セルフでのラウンドが多くなってきているので、掛けるタイミングがわからない、または叫ばないというゴルファーが増えているそうです。ここでは叫ぶタイミングなどについて説明します。
曲がったらとりあえず叫ぶ
ティーショットを打ったとき、スライスやフックでフェアウェイから大きく曲がり、隣のホールに向かったときには、迷わず大きな声で「ファー」と叫びましょう。
この場合、林の中に入ってからは遅いので、ゴルフボールが曲がり飛んでいる最中に叫びましょう。最初は恥ずかしいと思いますが、必ず言いましょう。
もし、あなたのショットで誰かが怪我をしてしまえば、大変なことになります。ゴルフボールの威力は時速200kmとも言われます。
ゴルフの「ファー」は、危険を知らせるものです。何も警戒しないで当たるのと、球が飛んでくると身構えて当たるのとでは、身体への衝撃と心の持ち方が違ってきます。
野球で例えると、デッドボールは、ボールが飛んでくるので、逃げようがあります。当たっても身構えているので、痛みも我慢できるものです。しかし、スタンドで友達とビールを飲みながら話しているところにいきなりファーボールが飛んで来たら、どうでしょうか?防御ができず大怪我のもとです。
ゴルフのプレー中も同じで、危険が迫っていることがわかれば、防ぎようがあります。打った本人だけでなく、他のメンバーが言ってもOKです。そうすることで周辺の人に声が届きやすく、不慮の事故を防ぐことができます。
ショートカットを狙って、曲げたり、コースを突き抜けたりした時も、「ファー」と言いましょう。ゴルフボールを探している人がいる可能性もあるので、知らせてあげましょう。
球には2つの性能があります。知るとゴルフが10倍楽しくなります!
前の組に打ち込んでも「ファー」と言う
ティーショットだけでなく、間違って前の組に打ち込んだ場合でも、言いましょう。届かないと思ってもそんなときに限って芯に当たって飛びすぎたりするときがあります。
打ち込まれた組は、思った以上に飛んできたと分かっても嫌な気分になります。「ファー」と言った後は、帽子をとって謝りましょう。そして、ホールアウトした際やクラブハウスで、打ち込んだ前の組のメンバーがいれば、再度、謝りましょう。
ゴルフでは、マナーやルールを守ることがとても大切です!確認してみましょう!
グリーン周りのアプローチでも叫ぶ
ゴルフでは、グリーン周りも危険がいっぱいです。どういうことかといいますと、アプローチを打つとき、ナイスショットが打てればいいのですが、トップしたり、シャンクしたりすると、思った以上に早い速度で飛んでいきます。
ミスショットを見ていればいいのですが、見ていない時、周辺のゴルファーに当たることがありますので叫びます。「危ない!」と言ってもいいですが、「ファー」の方が聞き慣れているので、条件反射的に避けられます。
ゴルファー保険|プレーヤー自身でリスクを減らす
ゴルフ場は危険がいっぱいです。どこからとなくボールが飛んで来ます。
また、曲がらなくても、打った球が木に跳ね返って、自分や他のゴルフプレーヤーに当たることがあります。最悪、大怪我をしてしまうことも残念ながらあります。
そうなった場合には、損害賠償や治療費を請求される場合があります。事実、判例では200万円あまりの支払い命令が下されています。怪我だけで済めばいいのですが、もし死亡させた場合は、賠償請求が多額になり、判決が下るまでに数年に及ぶこともあります。
最近では、ゴルファー保険というのもあります。プレー中のトラブルに対応しています。怪我をさせてしまっても保証されます。ゴルフの保険は、怪我だけでなくゴルフクラブを破損させた場合にも使えて修理ができます。1日だけの保険もあるそうです。不安の方は、加入してもいいでしょう。
ゴルフでケガをさせないためには、まっすぐ飛ばすことが大切です。まずはスライスを直しましょう!
ボールを曲げたり、人に向かって飛んでいったりしたら必ず「ファー」と叫びましょう。声掛けができるかできないかで、大事故を未然に防ぐことができます。
びっくりして、とっさに言葉が発せなかったり、詰まったりした時でも、何でもいいのでさけびましょう。「危ない~!」「ワア~!」とかでもいいです。怪我させるよりはマシです。
ゴルフをプレーするうえでは絶対に必要ですので、今までキャディや同伴者任せにしていれば、次のラウンドでは自分自身で伝えましょう。これもゴルフのマナーです!