出典:ALBA
イボミは、日本国内女子ツアー2015年・2016年連続賞金女王となり、昨年、念願のLPGA(日本女子プロゴルフ協会)正会員になり、いまやトップ選手の一人として日本では知らない人はいない存在になりました。
そんなイボミの強さや上手さを支えているのは安定したショットです。158cmの小柄なのにドライバーショットは250ヤードを超え!アイアンの方向性は正確無比。どこからでもピンを狙えられるのはとても大きな武器になります。
今回は、イボミからアマが真似すべき3ポイントをご紹介します。ぜひ、試していただきショットの向上につなげてください。
目次
イボミ|スイングの特徴
イボミのスイングには、ゴルフの飛ばしの秘密が凝縮されています。下半身も大きく動かしていませんし、インサイドの軌道でドロー軌道が特徴です。
手がボールより右
出典:ALBA
アドレスでイボミが一番気をつけているのは、ボールより手が右側にあることです。右にあることで、右肩も自然な状態で下がっていますので、飛ばすために必要なアッパーブローで振る準備ができています。
テイクバックで左腕を伸ばす
出典:ALBA
イボミは手打ちを防ぐために左腕を伸ばします。伸ばしたままクラブを振り上げることで、トップポジションで腕が曲がることを防いでくれます。縮こまると手打ちになりやすくなりますので、アマチュアも伸ばして振り上げていきましょう。
左肩が顎の下に入る
出典:ALBA
イボミは、上半身のひねり作るために膝の動きを抑えて下半身を安定させています。右肩を引くことで、左肩がきちんと顎の下に入っています。左肩を十分に回すには、3つのポイントに気をつけてみてください。
①テイクバックの始動
手だけでクラブを上げない。腕の三角形を崩さずにテイクバックを始動させる。アドレスで構えた前傾姿勢の角度を維持して軸を回転させる。
②トップポジション
右足に体重を乗せる。上半身がスムーズに回るようにする。
③左肩をアドレス時の位置に戻す
インパクトでアドレス時の左足の上まで戻す。
スイングする上ではグリップの握り方は大切です。イボミは「インターロッキング」で握っています。チェックしてみてください!
ダウンスイングでも胸を右に向けたまま
出典:ALBA
イボミは、トップポジションからの切り返しで下半身から始動して腰は正面を向いていますが、胸の向きはまだ右側に向ける意識を持っています。この時、右肩が前に出ると上体が突っ込み気味になるので、フックやスライスの原因になります。
イボミは、胸を右に向けて粘ることで、右脇も締まり、頭も残すことができます。
股関節を使い体重移動をすることで、身体は自然に回転します。股関節を使う時の注意点として、膝が伸びるとクラブがアウトサイドから降りてきますので、気をつけましょう。スライスになり飛距離が伸びません。
腰が上手く使えると飛距離もアップし方向性も良くなります。下半身のレッスン動画です。ぜひご覧ください!
ヘッドの位置が低い
出典:ALBA
イボミは、ダウンスイングでヘッドの位置が低くインサイド軌道で降ろしています。そしてアッパーブロー気味の入射角です。これで飛距離の出るドローボールを打つことができます。
頭の位置が動かない
出典:ALBA
イボミの強さは、フォローからフィニッシュまで上体を起こさず、頭の位置を動かさずに振っていることです。ビハインドザボール(ボールの右側に頭の位置がある)で、最後まで軸が動きません。
左足で踏み込む
出典:ALBA
イボミがスイング中に一番意識しているのが、フォローで最大限のヘッドスピードになるように振っていることです。理由は、インパクトまでクラブヘッドが加速し続けて手打ちになりにくいからだそうです。インパクトだけを意識すると、上体が突っ込みやすくなります。
踏み込む時には、左足内側で踏ん張りましょう。そうすることで、左足体重になるので、頭も残せてヘッドスピードがアップします。
アマが真似すべき3ポイント
イボミのスイングの特徴は、バランスとリズムがいいのでゆったり見えます。イボミがドライバーで大切にしていることは、「軸(頭)がブレないように振る」そうです。練習場でも頭を動かさないことを意識しています。
軸をブラさないことはアマチュアが一番真似すべきポイントですので、軸がブレないための3つのコツをご紹介します。
左腕を伸ばしてテイクバックする
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イボミは、この動きを大事にしています。伸ばしたまま振り上げることで手打ちを防いでいます。
コツとしてヘッドを動かす時には、胸の前にある両腕と肩の三角形を崩さないようにすることです。テイクバックを始動するとき、ヘッドを30cm真っ直ぐ引くイメージを持つと、手首で持ち上げるクセがなくなります。
左腕主導で打つレッスン記事です。参考にどうぞ!
ダウンスイングで脇を締める
出典:GDO
トップボジションで溜まったエネルギーを効率よくインパクトでボールにヒットするのがとても上手いイボミ。それを可能にしているのが、脇の締まりです。ドライバーであれば、右脇を締めることでインサイドの軌道を生み出すことができ、アイアンではダウンブローで打つことができます。
イボミは、調子が悪いと、両脇にタオルや手袋などを挟み調整するそうですので、ボールが左右に曲がる場合は、練習で脇にヘッドカバーやタオルなどを使って振ってみましょう。
右足を粘る
右足の浮きが早いと下半身の粘りが効かないのでインパクトでパワーのロスを生んでしまいます。イボミは、ベタ足のイメージでスイングしています。両ひざの間隔が変わらないから、軸がブレずにミート率の高いショットが打てます。
頭がブレないイボミのショットです。アマチュアゴルファーにはとても参考になります。ぜひご覧ください!
イボミのスイングに近づく練習法
素振り
イボミがスイングで大事にしていることは、フォローで最大限のヘッドスピードを出すことです。そのための練習法は、素振りで、フォローサイド(左足を過ぎたところ)で“ビュン”と音を鳴らします。
実際は、ヘッドの付いていない棒のようなものでするといいのですが、なければクラブの反対に握って、ヘッドが手元側、グリップが先になるように持ちます。
体の正面で音がなると左足が踏み込めていないことになります。つまり手打ちです。フォロー側で音が鳴ることで、左足が踏み込めて身体の回転でスイングができている証拠になりますので、しっかりと左側で鳴らすようにしましょう。
クラブヘッドの重みを感じる
イボミがスイングでもう一つ大事にしていることは、クラブの重みを感じることです。重みを感じないと、手先でヒョイと上げてテイクバックが早くなりリズムが悪くなります。
アドレスを構えて終わったあと、ワッグルをするときにヘッドを浮かして重さを感じるようにしましょう。そうすることでゆっくりと始動することができます。
イボミ|スイングデータ
出典:GDO(YouTube)
ヘッドスピード
ヘッドスピード:45.2m/s
ドライバー飛距離
246.9ヤード(2015年ワールドレディスチャンピオンシップサンロパス杯トーナメント「公式ドライビングディスタンス結果」最高で「257ヤード」も記録しています)
ドローボールヒッター
出典:GDO(YouTube)
インサイド:4.1度
スクエア角:3.1度
アタック角:3.0度
イボミのデータをみると、アッパーブローでいることがわかります。イボミは、アッパーブロー気味に緩やかな入射角度の軌道でインパクトすることで、インサイドからボールをつかまえてスピン量を適度に減らしランも稼いでいます。
韓国時代のイボミは、アウトサイドに抜けてフックが多かったようですが、徐々にオンプレーンに乗せるように改善し、このように綺麗なドローボールが打てるようになっています。
下半身の粘りは、韓国女子プロがお手本になります。上体の起き上がりの早いゴルファーは必見です!
国内女子ツアーに参戦している選手の中でも、屈指の精度を誇るイボミのスイング。真似すべきポイントについてご紹介しました。2015年、2016年連続賞金女王に輝いたショットはただ者ではありません。
イボミは158cmと小柄なのに、軸を意識して、下半身をバタバタと動かさず、安定したインサイド軌道でドローボールを放ち、飛距離を稼いでいます。ご紹介した真似するポイントを試していただき時間のラウンドにつなげてください!