ゴルフ場でプレーをするときに、特別な税金を支払っているということをご存じでしょうか?「知らなかった」という方も結構、いると思います。利用するときにはいつも発生しているので、ラウンドするたびに徴収されています。
しかも場所によって払う金額が変わってきたリ、利用する人によって割引や非課税になったり、少し複雑な仕組みになっています。
そこで今回はゴルフの利用税について解説します。料金と一緒に支払っているものなので、どんな仕組みになっていて、どういう使われ方をしているかも知っておきましょう。
ゴルフ場利用税とは
コースでラウンドするときにかかる税金のことです。打ちっぱなしではかかりません。
税額はコースによって決められていて違いがあります。規定では400円から1200円まで(1日あたり・一人)となっています。
1年間で集まるのは総額で460億円ほど、そのうちの7割にあたる325億円が、ゴルフ場のある市町村の財源になっています。
歴史
この仕組みは1954年に娯楽施設利用税として導入されたものが始まりです。
当時はパチンコ店、マージャン場、ビリヤード場などの利用に対して課すことになっていました。ただ、娯楽施設利用税は1989年4月の消費税導入のときに廃止に。
ゴルフ場以外の施設では税額も安くなっていること、課税されていない施設との不平等が生まれていること、などの理由からです。唯一ゴルフだけが、消費税が設けられた後も残っています。
払うのはいくら?
コースによって違いますが、平均するとプレーヤーは1日の利用に対して656円を支払っていることになります。コースによって違いがあるのは、「等級」というものが決められていて、それによって払う金額が変わるからです。
400円から600円を徴収しているところが全国ではもっとも多く、全体の30%ほどを占めています。1000円以上かかる施設も190、全体のおよそ1割あります。
金額を決める根拠
ゴルフ場の等級によって収める金額が決められています。規模が大きく利用料金が高ければそれだけ支払う税金も高くなります。たとえばホール数が多い、施設や整備の状況がいいところは高くなる傾向があります。
税金はゴルフ場が料金と一緒に徴収して、まとめて収める形になっています。
非課税・半額になる場合
プレーヤーが「18歳未満」「70歳以上」「障碍者」「学生」の場合は非課税になります。この規定は2003年に創設されました。
また「65歳以上70歳未満」「国体やゴルフ協会などが主催する特定の競技会での利用」「早朝や薄暮など料金が通常の半分以下になるとき」については、税額が50%になります。
徴収されている理由
第一に、いまだに「お金持ちがやるもの」「ぜいたくなスポーツ」という考え方が残っているからです。
利用料金はほかのスポーツと比べても高額で、訪れる人はそれだけの税金を支払う能力がある、と思われています。
もう一つは、ゴルフ場を作ると市町村などの自治体には相応の負担がある、という理由があります。具体的には、アクセスするための道路整備とそのメンテナンス費用、消防や救急サービスの提供によってかかるコスト、建設による環境対策や農薬・水質調査費用などです。
また、コース整備に伴って地滑りや洪水対策の費用も必要という理由もあります。
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利用税をめぐる賛否
そもそもスポーツに税金をかけるのはおかしいという意見があります。
特にゴルフはシニアになってからも楽しめる生涯スポーツであり、多くの人に親しまれています。国体やオリンピックの競技であることもあり、競技人口も多く単なる「金持ちの趣味」ではないことは明らかでしょう。
また自治体の負担が増えるといわれる分野についても、実はゴルフ場が担っているものも多いのも実情です。地域の雇用促進や税収増加に貢献している面もあります。
一方で、ゴルフ場がある自治体は山間部や過疎地にあたることも多く、税収が貴重な収入源にあるとして、ゴルフ税の存続を求める声もあります。
2020年の東京オリンピックではゴルフも正式競技として開催、海外の多くのプレーヤーが日本に訪れます。世紀のスポーツイベントを前にゴルフ利用税をめぐる議論もさらに活発になってくることは間違いありません。
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今回はラウンドするたびにかかっている「ゴルフ場利用税」について解説しました。戦後まもなくから始まった制度で、実態に合わない部分も確かにあります。そのため毎年、廃止か存続かで論議が交わされています。今後、どのような流れになっていくか、普段、コースを利用する立場としても確認していきたいですね。