今回は、2019年(1月1日から施行)ゴルフルールの改正がもたらす驚くべき内容についてご紹介します。
全世界のゴルフをまとめているR&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が、ゴルフ人口を増やすため、2017年3月に規則の見直し案を公表し、プレーの時間短縮と複雑な規則を簡素化する目的で、新ルールを確定させました。
バンカーから2打のペナルティを受けて出せたり、OB、紛失しても近くから打てたりと、一般アマチュアゴルファーにとても優しい改正になっていると思います。来年の施行まであと4ヶ月ほどです。いまからでも少しずつ学習して覚えてしていきましょう!
目次
ゴルフコースエリアの名称変更
ゴルフルールの改正によって5つのエリアの名称が変わるものがあります。
変更したもの
・ティーインググラウンド → ティーイングエリア 1打目を打つところ。改正後は、ティーイングエリアと呼び名が変わります。 |
・スルーザグリーン → ジェネラルエリア ゴルフコースのティーイングエリアからグリーンまでの範囲で、バンカーやハザードなどを除いたエリアの総称です。改正後はジェネラルエリアに変わります。 |
・ウォーターハザード → ペナルティエリア 池のことをさします。改正後は、ペナルティエリアと変わります。 |
変更しないもの
・バンカー |
・パッティンググリーン |
バンカーにおけるルール改正
ルースインペディメント(障害物)が動かせる
球がバンカー内にある場合、木の葉、小枝、石などの自然物(ルースインペディメント)を取り除くことができます。 ペナルティはありません。ただし、ゴルフクラブをソールできないのは現状とかわりません。
バンカーが苦手なゴルファーに救済!
2罰打を受けたら、バンカーの外にドロップすることができるようになります。アンプレヤブルの追加の選択肢として、球とホールを結ぶ線上で、バンカーの後方の外側にドロップすることができます。
バンカーが苦手なプレーヤーにとってはよいルールかも知れませんが、一発で脱出できるように練習した方がスコアアップにつながりますし、レベルアップになります。
バンカーの打ち方です。ゴルフ練習の時にオススメです!
パッティンググリーンにおいてのルール改正
旗竿(ピン)を抜かなくてもOK!
ピンを抜かずに立てたままパットすることができます。ホールに立ったままのピンに当たっても問題はありません。カップインすればホールインが認められます。これはロングパットの時に、誰かがピンを持ってくれる時間を節約することができます。
ラインに触っても大丈夫
パッティングのラインに触れただけではペナルティはありません。 例えば、ゴルフ仲間やキャディーさんが狙いどころを指やクラブなどで触っても違反ではありません。 ただし、ラインを改善したという事実があれば2打罰を受けます。
グリーン面の修復が可能に…!
これまで、パッティンググリーンのスパイクの傷や動物、乗り物などによって作られた損傷箇所を修復することができませんでした。今回のルール改正でライン上にあるスパイクマークなどを修理することが可能になります。
ボールマークをきれいに直せるとパットの転がりが変わります。そして次のプレーヤーも気持ち良くパターが打てます。
ボールが動いても問題なし
あるがままのプレーが原則でしたが、誤ってボールを動かしてしまっても無罰になります。パターを構えようとした時にヘッドが当たって動いてもリプレースすればOKになります。
ペナルティーエリア(ウォーターハザード)に関する改定
ペナルティエリア
ウォーターハザードはペナルティエリアという新しい呼び名に変わります。これまでは池の水域だけを設定してきましたが、「ペナルティエリア」では、水域だけでなく、1打罰で救済を認めたい区域、例えば、ブッシュや崖、球を見つけることや打つことが困難な林などでも設定することができます。
原則として現在のラテラル救済と同じですが、対岸の処置を行うことはできません。
ゴルフクラブをソールしても大丈夫!
ペナルティエリアではクラブを地面や水に触れてもOKです。 ペナルティエリアのボールをあるがままに打つとき、ソールを地面につけることができます。また、ルースインペディメントを取り除くこともできます。つまり、ジェネラルエリア(スルーザグリーン)と同じルールでプレーすることができます。
プレーヤーの行動に関して
委員会の行動規範の有無
ゴルフプレーヤーは、ゴルフゲームの精神を尊重してラウンドしなければいけません。その精神に違反した選手に対して、委員会は、1打、2打罰、失格などの厳しい対応をすることができます。
申告しなくてもOK
救済を受けるときにマーカーに告げる必要はありません。これはプレーヤーの誠実さを信頼するというゴルフの原則を尊重しています。なお、暫定球をプレーする場合は、これまで通り、「暫定球をプレーします」と申告しなければなりません。
ドロップ方法が変わった!?
現在のルールでは肩の高さからドロップでしたが、「膝の高さ」に変更になります。低い位置から落とすことで、救済エリアの中に止めやすくなり、再ドロップすることがなくなります。
打ったボールが自分に当たっても無罰
打った球が偶然にプレーヤーまたは自分のキャディーや用具に当たってしまっても大丈夫です。あるがままにプレーします。
ボールを取り替えてもOK
救済を受けるときは、いつでも球を取り替えることができます。 現在の規則では、カート道路からの救済では取り替えることはできませんが、今回のルール変更では、拾い上げて新しいものに取り替えることができます。
ゴルフボールの性質を知っておくと、飛距離アップや方向性がかなりアップします!参考にどうぞ!
救済エリア計測にパターはNG
救済エリアを計測するときの1クラブレングスや 2 クラブレングスの計測する場合に使用するクラブは、プレーヤーがその日のラウンドのために持っているパター以外で最も長いクラブになります。また計測するゴルフクラブを変えることはできません。
探している球を誤って蹴ってもOK!
新ルールでは、探しているときに自分のボールを誤って動かしても無罰になります。
2度打ちしてもノーペナルティ
不可抗力で、2度打ちをしても1罰打をする必要がなくなりました。そのストロークを1打と数えるだけとなります。ロブショットのときに2度打ちがよく起こりますが、もう気にせず思い切りゴルフスイングできます。
ロブショットはグリーン周りでは威力を発揮します。打てるようになると普段のショットも上手くなります!
紛失球の捜索時間が3分に短縮
ロストボールの捜索時間が「5分」から「3分」に短縮されます。ラウンドのスピードが上がります。
OBやロストした近くから打てるようになった
以前なら暫定球を打たなかった場合は、元の場所に戻って打っていましたが、それがなくなります。仲間うちでよくやっていた「ここら辺から打っていいよ」の身内のルールがR&A、USGAに認められた感じです!
アマチュアゴルファーがラウンドを楽しむためのローカルルールとして採用されます。プロのトーナメントや競技では実施しません。
OBやロストした場合に、2打罰を受けて、紛失したと思われる辺りからグリーンに近づかない範囲で打つことができます。ゴルフプレーの進行が速くなりそうです。
その他の規則改正
距離計測機器が認められた
距離計測機器の使用が認められますが、ゴルフコースの高低差、風向きなどを計測することはできません。 ローカルルールで距離計測機器の使用を禁止することができます。
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キャディーの役割
プロの試合でよく見ますが、プレーヤーがスタンスをとった後、キャディーが後方に立ってアライメント(ターゲット方向への確認の手助け)をすることができなくなりました。
USGA(全米ゴルフ協会)は「自分の足や体の動きで目標に向かってライン取りをすることは、個々の責任において選手自身が行うべき基本的なゴルフのスキルである」と言っています。
キャディーの役割 ~その2~
グリーン上でキャディーが拾い上げることができます。これまでのゴルフルールでは、キャディーであってもプレーヤーの球を拾い上げるときは、その都度承認が必要でしたが、承認なしでマークして拾い上げることができます。
ただし、グリーン上だけです。それ以外の場所で拾い上げた場合には1打罰を受けます。
常識はいつの時代も変化していきます。今後、パターのヘッドもドライバー同様に大型化していくかもしれません。↓↓↓
ゴルフは、細かくて窮屈なルールやマナーがたくさんあります。紳士のスポーツと言われているので仕方のないことですが、今回の改正で簡素化されることによって、プレーの時間が短くなれば、「ゴルフ離れ」が止まるかもしれません。競技人口が増えて盛り上がります。
「バンカー外へのドロップの処置」「ピンを抜かずにパッティングができる」など革新的な変更もあり、初心者ゴルファーでも大いに楽しめるようになるでしょう。
これまでプレーしてきたプロやベテランゴルファーは少し戸惑いも出て来くると思いますが、「パターのライン上のスパイクマーク」が直せるようになりましたので、とても良い方向に向かっていると思います。
来年から、またゴルフが楽しくなりますね!それを機にレベルアップを計っていきましょう!