前傾角度は深いほうがいいの?足幅の広さはどれくらい?ドライバーとアイアンの構えは同じでもいい?
アドレスはショットの80%を占めるもっとも重要な動作と言われますが、実際にどう構えればいいのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
実は、まっすぐ構えるということはプロゴルファーでも難しいと感じているポイント。コースに出ると景観や傾斜の影響で、ターゲットに対してまっすぐ向くのは非常に難しいです。
しかし、ここが出来ていなければ、いくら良いスイングをしても理想の球は打てません。
そこで今回は、ゴルフがうまくなるために、必ず習得しておきたいアドレスの基本・基礎を総まとめでご紹介します。
ゴルフ初心者はもちろん、すべてのゴルファーのレベルを底上げするアドレスのコツなので、ぜひマスターしてみてください。
目次
アドレスの基本概要
アドレスとは、ゴルフボールを打つ前にゴルフクラブを持って構える基本的な動作全般のこと。
おおまかに、ポスチャー(姿勢)、スタンス(足の位置)、ソール(クラブの接地)の3つのポイントで構成されています。
ゴルフのミスショットのほとんどはアドレスで決まってしまうというほど、ショット全体に占める重要性は高いと言われ、正しく構えることができると、その後の動作が自然とスムーズになります。
アドレスがうまくなる7つの鉄則
スタンス:足の位置(幅)
スタンスとは足を広げたときのポジションのことを言います。
基本は7番アイアンで肩幅程度。ドライバーであれば、そこから1〜1.5足分広げてみてください。
アイアン→ウェッジと番手が小さくなればなるほどスタンスを狭く、ドライバー・FWなど番手が大きくなればスタンスを広げるようにして調整しましょう。
ゴルファーによって理想の足幅は異なりますが…「広くすればパワーは生まれやすいが、体が回転しにくい」反対に「狭ければパワーが出にくいが、回転がしやすい」といった特徴があります。
まずは7番アイアンで自分なりの基準を決めてください。
アライメント:向き
アライメント(英:alignment)とは、並び・直線・照準といった意味。いわゆる『構える向き』です。
ゴルフでは、プロアマ問わず「右を向いてアドレスしてしまいやすい」という特徴があります。上記画像のように、ターゲットに対してまっすぐ構えてしまうと、自然と体が右を向くからです。
正しい方向を向く方法として、まずゴルフボールの後方に立ちターゲットを決めます。そして、自分とターゲットを結んだ線の1メートル先くらいに目印を見つけましょう。
目印になるものであれば、落ちている枝でも、芝の色が変わっている場所でも何でもOKです。
ティーイングエリアで目印を見つけたら、自分・スパット(目印)・ターゲットを結んだ線に対して平行に構えてください。
アドレスでは「絶対に自分がターゲットを向かない」ように注意しましょう。自分がターゲットを向いてしまうと、自動的に目標が右にセットされてしまいます。
正しくアドレスできると、肩のラインが左を向いているように感じるかもしれませんが、それで問題ありません。
肩・腰・足は平行に揃えるが基本。
肩・腰・膝の3つのラインがターゲットに対して平行になるようにアドレスしましょう。
アマチュアゴルファーの多くは右肩が前に出てしまう傾向があります。原因は、左手よりも右手が下になってグリップしているから。その状態でショットするとスライスなどのミス原因になります。
ゴルフコースは傾斜や景観が変わることで、自分でも気付かないうちに自然と右肩が前に出てしまいます。練習のときから、肩・腰・膝がしっかり平行になっているかアドレス時に確認してください。
前傾角度:背筋
前傾角度(前傾姿勢)とは、上体を前に傾けた状態を言います。
アドレスで前傾角度を作るときは、背筋を伸ばしたまま、お辞儀するように股関節(足の付け根)から曲げるようにしてください。
初心者だけに限らず、アマチュアゴルファーの多くがアドレスで、腰から曲げてしまう傾向があるようです。腰から曲げてしまうと、スイング中に上体が前後左右にブレやすくなります。
背筋が曲がらないようにまっすぐ伸ばしてアドレスしましょう。基本的に姿勢は、反り過ぎも猫背もダメです。
基本の前傾角度は個人の体形・骨格・スイングによって変わりますが、必ず背筋をまっすぐ伸ばし股関節(足の付け根)から体を前傾させてください。
前傾角度が深すぎればフックしやすくダフリも増えます。反対に、前傾角度が浅い(棒立ち)とスライスしやすく球に当たらなくなってしまいます。
腕の正しい位置
腕の正しい位置を決めるために、まずは上体をリラックスさせてください。
だらんと腕を垂らした所でゴルフクラブを握ると、理想のポジションで構えることができます。
基本は、バックル部分からグリップとのスペースが拳2つ分空く程度(ドライバー)です。アイアンは1つもしくは1つ半くらいでよいでしょう。
スペースが空きすぎると、ゴルフクラブが体から離れすぎてしまうので、軌道が不安定になったり、力が伝わらないスイングになってしまいます。
反対に、グリップが体に近すぎると窮屈なスイングになり、スムーズに振れなくなります。上体をリラックスさせ、腕をだらんと垂らしたポイントでアドレスする方法を試してみてください。
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膝の上手な使い方
膝の曲げ具合は、人によって様々。「深く曲げた方が打ちやすい」という人や「気持ち曲げる程度のほうが振りやすい」というゴルファーもいます。
ただし、アドレスで必要以上に膝を曲げすぎると下半身のフットワークが使えず、大きなパワーを生み出しにくくなってしまいます。
逆に伸ばしすぎると棒立ちの状態になり力が出ないだけでなく、ゴルフボールへのミート率も下がります。
アドレスを作ったら、最後にその場で2~3回程度、軽く足踏みしてみてください。力みが抜けてリラックスした状態で構えることができます。
重心はつま先側が理想。かかとに重心を持っていくと、後方に体が倒れやすくなるのでつま先側で踏ん張りましょう。太ももの前側で体重を感じられるようになると◎です。
安定してスムーズに振るためには、自分に適した膝の曲げ具合を見つけることが重要です。
体の軸の作り方
プロゴルファー含め、ゴルフ上級者は、アドレスの上半身の軸が右側(後方)に傾いています。ドライバーでもアイアンでも同じです。膝や腰などは平行ですが、上半身は右側に傾いています。
右に傾いた状態を、テイクバック・ダウンスイング・インパクト・フォロースルーまで維持することができると、スイング軌道が安定し、ヘッドが走るので飛距離・方向性ともにアップします。
目線が少し斜めになるので、初心者は違和感があると思いますがそれでOK。アドレスで安定した体の軸を作るために欠かせないポイントです。
体の軸が左に傾いてしまうと、シーソーのようにぎっこんばったんのスイングになったり、上から叩きすぎてしまうなど多くのミスショットの原因になるので注意してください。
上記のような左右に揺れることをリバースピボットと呼びます。アマチュアゴルファーに多い悪い動きの代表例です。
上半身の軸をしっかり保つことでフォームは安定し、再現性の高い動きをすることができるようになります。スイングやショットの精度アップに大切なポイントです。
重心(バランス)は母指球
スイングに負けないどっしりとした下半身を作るために、母指球を意識して踏ん張ってください。
母指球に重心がかかるとつま先体重でしっかり地面を掴むことができるので、体重移動もスムーズになります。
反対に、かかとに体重がかかってしまうと腰が落ちやすくなり、体が後方に倒れやすくなってしまいます。結果、ボールに力を十分に伝えることができません。
かかと部分が上がってしまうほど母指球に重心をかけてしまうと、体が突っ込んでしまいます。スライス等の原因になるので、かかとは地面に着けつつ母指球に重心を乗せましょう。
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理想のアドレスを作る順番とは?
アドレスを作るときは「ゴルフボールに近いところ」から決めていきましょう。
具体的には、ヘッド→グリップ→腕→肩→上半身→下半身といった順番で各ポジションを決めていく方法です。
多くのアマチュアゴルファーが上記の真逆。アドレスで先に足のポジションから決めて、最後にヘッドを合わせる方法をとることが多いようです。
スイングを下半身(足元)から作り始めてしまうと、球とクラブと自分の間の微調整ができなくなってしまうので、再現性が低くなってしまいます。
プロゴルファーを参考にしてみると、ほとんどのプロ選手がまずヘッドを合わせてからアドレスをスタートしていると思います。
適切なアドレス作りのためにも、ゴルフボールに近いところからアドレスを始める練習をしてみてください。
右手からクラブを持つ
ヘッドを合わせてクラブを握るときに、左手から持つのではなく、右手でクラブを持ってから左手をセットしましょう。(レフティは反対の手)
理由は、左手からグリップしてしまうと右肩が前に出過ぎる可能性があるためです。カット打ちなどの原因にもなりスライス球も出やすくなります。
プロの試合を見ていると、ヘッドを合わせたあとは必ず右手からグリップして左手を合わせています。アドレスで体の向きをスクウェアにするために大事なポイントです。
体重配分とバランスの基本
体重配分とバランスの基本はゴルファーそれぞれのスイングやイメージで変わりますが…
ゴルフ初心者の方は、まずは左右均等に5:5の配分で構えてみることをおすすめします。右足に5、左足に5といった感じです。
人によってはアイアンで5:5、ドライバーでは4:6といった体重配分で構える方も多いかと思いますが、一概にこれが正解というのはありません。
自分なりの適切な体重配分を見つけるためにも、まずは5:5で構えてみてください。練習場やゴルフ場でいろいろと試していくうちに、あなたに合ったものが見つかるはずです。
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ゴルフクラブで変わる!アドレスの違い
ボール位置
ゴルフボールの位置はドライバーであれば左足かかとの直線上、7番アイアンは両足かかとを結んだ線の中央よりわずかに左くらいが基本です。
番手を1つ小さくするごとにボール半個分ずつ右足側に、番手が大きくなるほど左足側に寄せてください。
左足側に置くとスライス傾向が強くなり、右足側に置くとフックの傾向が強くなります。
球のポジションを変える大きな理由は、番手が大きくなる(ロフトが立つ)ほどアッパー軌道で球を捉えなければならないからです。
ロフトの立ったドライバーのときにゴルフボールを右側に置いてしまうと、上から叩きすぎてしまい球が上がらず飛距離も出ません。
球の位置は、プロゴルファーも非常に大切にしているポイントで、ミート率、飛距離に直接影響します。置く場所ですべての結果が変わるとも言われるゴルフの重要なポイントなので、人一倍慎重にセットしましょう。
スタンス幅
スタンス幅は、7番アイアンでスパイクの横幅2.5足分、ドライバーで3.5足分くらいが基本と言われています。このスタンス幅はあくまで基本なので、自分の打ちやすい幅でOKです。
ただし、必要以上に足幅が広いアドレスだとパワーが出やすい反面、スイング中に回転しづらいというデメリットが発生します。とくにアマチュアは7番アイアンで足幅を広く構えてしまう傾向があるので注意してください。
フォロースルーの際に右足が突っ張るような感覚があるならゴルフクラブに対してスタンス幅が広い可能性が高いです。多少の違和感を感じても、いつもよりスタンス幅を狭くしてアドレスすることで、うまく振り切れるでしょう。
グリップ位置
基本的にどのクラブでもグリップの方法や場所は同じ。左手が左太ももの内側にくるくらいが理想です。
アイアンであれば球の位置が中央なので自然とハンドファースト、ドライバーであれば球の位置が左側にあるので自然とハンドレイトの状態になります。
*ハンドファーストとはグリップがクラブヘッドより前(ターゲット方向)にあること。ハンドレイトはその逆。
近年、ドライバーの飛距離を出すためにグリップをハンドファースト気味にするゴルファーもいますが、初心者であればまずはグリップ位置は左ももの内側を基本に練習してみてください。
ハンドファーストにはメリット・デメリットがあります。それぞれゴルフ練習場などで試し打ちしてみて、自分にしっくりくるポイントを見つけてください。
メリット |
・フェース面がブレにくいので方向性が良くなる ・手首のスナップが効きやすいのでボール初速が速くなり、飛距離アップにつながる ・インサイド軌道になりやすく、ゴルフボールにドロー回転がかかる ・力が出しやすい |
デメリット |
・フェース面が開きやすいので右にプッシュしてスライスしやすい ・クラブフェースのロフト角がかぶるので、球が上がりにくい |
>>>あなたは自分の番手ごとの平均飛距離を知ってますか?スコア100切りのために、それぞれの番手ごとのヤード数を明確にしましょう!
ゴルフのショットに大きな影響を与えるのが「アドレス」です。
スイングフォーム以上に重要な動作と言っても過言ではなく、プロゴルファーがもっとも気を付けて、アマチュアゴルファーがもっとも疎かにしている部分でもあります。
アドレスには基本というものがありますが、理想の形は、あなたにしかわかりません。ぜひ普段の練習から、スイング以上にアドレスに注意してみてください。
紹介した練習方法を取り入れていくなかで、自分にしっくりくるアドレスが見つかれば面白いほど良いショットが打てるようになるでしょう。