ゴルフの用語にはいろいろなものがあります。始めたばかりのころは初めて聞く言葉も多くて戸惑った方も多いのではないでしょうか。ネット上や雑誌などのコーナーでも「用語集」が掲載され、そこに収録されている単語の多さに驚くこともあります。
中でもプレーに関わる用語についてはゴルフに親しんでいるうちに自然と理解が出来るものです。しかし、略語やいわゆる俗語についてはなかなか聞く機会も少なく、「何のことだろう?」となかなか理解ができないこともあります。よく使われる言葉のうち、今回は「スクラッチ」について解説をしていきます。意味を知って、ゴルフへの理解をいっそう深めてみましょう。
目次
スクラッチという言葉
「scratch」とは英語で「ひっかく」とか「傷をつける」という意味があります。日本語でもスクラッチカードというのはよく聞きますね。これは文字どおりコインなどでひっかくことで当たる賞品がわかるものです。
そうしたもともとの意味から派生して、スクラッチという言葉には「ゼロから」「出発点」というニュアンスがあります。ゴルフで主に使われるのはこちらから発生したものです。
ゴルフで使うスクラッチとは?
ゴルフでこの言葉を使う場合の例として、ラウンドする前に「今日はスクラッチでいこう」などと声をかけられることがあります。また、「あの方はスクラッチだから」と尊敬の念を込めて語られる場合もあります。それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。
プレーヤーのスキルについて
ゴルファーの腕は本当に千差万別です。一言でアマチュアとくくってみても、プロのスキルに匹敵する人から、まだ始めたばかり、それこそクラブを使い始めてまもない「よちよち歩き」の方もいるでしょう。幅広い技術レベルの方々が同じように競い合い、楽しむために考えられたのがハンディキャップという制度です。
これはプレーヤーの技術に合わせて設定され、最終的にラウンドが終わったときのスコアからその数字を引けるというものです。ゴルフがあまり上手ではなく何打も打ってしまう人にはたくさんのハンディキャップが設定されます。逆にとても上手だと少ない数のハンディの設定となります。ハンディが少ないとイコール「うまい」ということになり、特にハンディが一ケタのプレーヤーは「シングル」と呼ばれ、相当、技術があるとして一目置かれます。
スクラッチというのはさらに上手なプレーヤーのことを指します。派生した言葉通り、ハンディが「0」のゴルファーのことであり、アマチュアでもトップクラスの腕を持つ人のことを称します。
「あの方はスクラッチだから」と畏敬の念を持って言われる理由というのがわかると思います。そこまでスキルが高いゴルファーはそれほどいるものではありません。近くでプレーを見る機会があったらぜひ参考にしてみてください。
プレー方法について
スクラッチのもう一つの意味としてプレー方法を指すことがあります。
前述したとおり、ゴルフにはハンディキャップというものが設定されています。ハンディキャップの分を最終的に引いたスコアのことをネットスコア(ネットとは正味の、ということ)と言います。またハンディを勘案しないスコアのことをグロススコア(グロスとは総体の、ということ)と言います。
スクラッチでプレーするという言い方をする場合は、このグロスで競い合うことを意味します。
ネットを使って競うときには技量の違う幅広いプレーヤーが一堂に競い合えるという楽しさがあります。一方、グロスで競う場合は、高い技術を持ったゴルファーが一打の差を競い合うスポーツの真剣勝負とドラマがあります。
ゴルフクラブによってはハンディによってランクをわけて競技会などを実施しているケースも多いでしょう。ただ、そのゴルフ場でもっともクラスの高い数日間で行う大会などではハンディキャップなし、スクラッチゴルフでの競技を行っているところが多数派かと思います。
意外と知られていない?ゴルフのハンディキャップについてはこちらでさらに詳しく説明しています。チェックしてみてください!
ゴルフを楽しむその他のルール
ネットスコアやグロススコアを使った競技方法のほかにもいろいろな楽しみ方があります。ここではいくつかそうしたルールを紹介しましょう。
ニアピン
主にショートホールで、グリーンに乗せたときに一番近い人が点数をもらえるルールです。もっともわかりやすい競い方の1つでしょう。
オリンピック
ボールがグリーンに乗ったときに、ピンから遠い順に金、銀、銅、鉄となり、そのあとに1パットでカップインした場合は、あらかじめ決められた点数がもらえるというルールです。チップインしたときはダイヤモンドと呼び、さらに高い点数が付与される仕組みになっています。
ナッソー
一回のラウンドのうち前半9ホール、後半9ホール、18ホール全体と3つにわけてそれぞれのスコアがよかった人に点数が入る仕組みです。
Aさん 前半45 後半46 合計91
Bさん 前半47 後半42 合計89
たとえばこの場合は前半でAさん1ポイント、後半でBさん1ポイント、合計でBさん1ポイントとなり、計2―1でBさんの勝利となります。
そのほかにもゴルフにはいろいろな競い方や楽しむためのルールがあります。同行する先輩ゴルファーに教えてもらったり、ご自身で調べるなどして、楽しみ方の幅をいっそう広げてみてはいかがでしょうか。
個人単位で行ういろいろなプレー方式のほかに、団体で競い合うやり方もあります。こちらもぜひご覧ください。
初心者必見!ゴルフにかかわるさまざまなことを用語集としてまとめてあります。これだけ抑えれば基本はOKです。
なお、ここで紹介した使い方とは別に「スクラッチゴルフ」というとアメリカのゴルフクラブのメーカーを指すことがあります。こちらはウェッジやアイアンを販売しており、現在も中古などで手に入れることができます。
今回はスクラッチというゴルフ用語を解説しました。ゴルフでは、一般的に使われるものとはちょっと違った意味で使われる言葉も多いものです。用語集などを一通り、ご覧になってみるのもさらに楽しむためにはいいかもしれません。知れば知るほど楽しくそして奥深さを知ることができる。それがゴルフという大人のスポーツの一番のよさでもあるでしょう。