こんにちは。ゴルファボの今川です。
先日取材させていただいた、UTS Mamiyaさんのシャフト製作現場で、製造工程やそれぞれが持つ特徴について詳しく知ることができました。
そこで今回は、「なぜ自分に最適なシャフトを使う必要があるのか?」。
この疑問を解決すべく、日本屈指のクラブメーカー三浦技研さんのフィッティングスタジオにお邪魔させていただきました。
三浦技研フィッティングスタジオには日本でもトップクラスのスイング解析機器が備えてあり、クラブ工房も併設されていることから、国内でも最高峰のフィッティングが受けられると話題になっているようです。
シャフト製造現場の記事をご覧になっていない方はこちらをご覧ください↓↓↓
目次
スイング解析・フィッティングで何が分かる?
人間は手先が器用で、上半身・下半身ともにかなり細かい動きが出来ます。この器用に動き過ぎる体が、再現性のスポーツ・ゴルフを逆に難しくしています。
体の動かし方や動作イメージは人それぞれ違います。同じ動きをしていても感覚的なところはまったく異なっていたりするので、上手い人の真似をしてもまったく当たらなかったりします。
スイング解析は、この器用に動いている体の動きを具体的に表してくれます。頭どれくらい動いたか、テイクバックはどこからスタートしているか、などなど。
フィッティングはゴルファーそれぞれの動きにマッチしたクラブ性能を合わせることで、正しくインパクトする確率を上げるための方法です。最新のフィッティングはどんな内容なのか。さっそく取材内容をご紹介します。
【越谷ゴルフリンクス】へ行ってみた
埼玉県・越谷市にある、越谷ゴルフリンクス練習場の施設内に、クラブメーカー三浦技研さんのフィッティングスタジオが併設されています。
三浦技研さんのフィッティングスタジオには、動作解析器「GEARS」を始め、ヘッド軌道や弾道を計測する「GC Quad」、体の重心位置を計測する「BodiTrak」など、日本でもまだ数台しかないような最新のシステムが備えてあります。
三浦技研専任フィッターの浅谷さん。最新の科学を使ってゴルフを論理的に解明してくれるフィッティングのプロフェッショナルです。
三浦技研さんのフィッティングは約2時間半のプログラム。かなり本格的です。一般的なシステムでは測りきれない隠れた特徴や傾向などを徹底的に明確にします。
2時間半フィッティングでどんな事をするのかな?と思っていましたが、すべてが論理的で面白い計測が続くのでとても楽しく計測することができました。すべてをお伝えは出来ないので…ここが凄かった!というフィッティングのポイントに絞ってお伝えします。
スイング・フォームをチェック
何度か繰り返し撮影して、それぞれの数値を細かく測っていきます。
体の軸や、動かし方の特徴、ヘッドの入射角度、ボールの打ち出し角度、スピン量などをかなり細かくチェックできます。撮影を繰り返すことで、自分の傾向が分かってきました。
例えば画像右下の赤丸。私はいつもトゥ側でインパクトしていることが判明しました。ということは、その位置にフェースの中心がくるようなドライバーセッティングにすれば自然とミート率が上がるという事です。
ミート率をアップさせるためのインサイドアウトの動きはこちらで解説します↓↓↓
体重移動を細かくチェック
「BodiTrak」というシステムで体重移動の数値を計ります。
ターゲット方向にしっかり体重移動出来ているか、バランスはどうなっているか、しっかりと踏み込んで打てているか、すべて数字で分かります。
赤い部分が大きくなればなるほど、強く力がかかっている証拠です。テイクバックでは右足に、フォロースルーでは左足に強く力がかかっているのが分かります。詳しくは動画で確認することができます。(スローモーション:10秒の動画です)
これだけだったら普通ですが、このシステムでは真ん中の白い球が、重心移動の軌跡を描きます。どれくらいの力で、どの方向に、どのタイミングで体重移動していったのかが分かります。
さらに、ピーク時の踏み込みの強弱も分かります。しっかり踏み込め!とよく言われますが、どれくらい踏み込めば良いのかわかりませんよね?その強弱がグラフで簡単に分かります。
私の場合、踏み込みが甘いようです。もっと強く左を踏み込めるようになれば、飛距離はさらにアップするようです。
3D映像でチェック!
次は「GEARS」。日本でも数台しかない凄いシステムを使います。光学式のカメラを使用した3次元解析という驚きの技術が詰まっています。
ここで叩き出される数値は、多くの解析システムで採用されてきた推測値ではなく計測値です。補正データなどを一切使用しない、高度な技術で計ります。具体的に何が分かるかというと…、
・クラブの解析
フルスイング軌跡 | フェイス方向 |
インパクト位置 | フック・スライス軌道 |
ヘッドスピード | ロフト角 |
方向角 | ライ角 |
シャフトしなり | インパクト時ヘッド角度 |
・スイングフォームの分析
肩の角度 | 膝の角度 |
腰の角度 | 腰の角度 |
つま先の角度 | 膝の角度 |
背骨の角度 |
上記の数値が正確に分かります。フィッティングを分析する側にとって数値は何よりも重要なポイントです。的確なアドバイスが出来るようになると世界中のフィッティング場で人気のシステムだそうです。
頭、胴体、手足にセンサーの付いたサポーターのようなようなものを巻きます。(着替えるわけではないので装着はかんたんです。)
靴にも巻きます。ドライバーはスリリング社製のシャフトが装着されたものを使います。鮮やかな配色がかっこいいです。
3Dで立体的に見ると全体の動きがかなり分かり易いです。
これらの数値が分かることで、自分のゴルフを知ることが出来るだけでなく、フィッターも論理的に最適な性能をもったクラブを選ぶことができます。クラブ選びには感覚的な要素ももちろん欠かせませんが、そこに正確な数値を合わせることで最高の一本を選ぶ事ができます。
3次元化されたデータを並べて理想のフォームと比べることも出来ます。
私の場合、インパクトでスウェー気味なことと、上体の傾き具合が足りないというのが一目で分かります。腰の回転が足りないので左肩もつっかえて窮屈に見えます。
フィッティングを終えて…
三浦技研さんのフィッティングを通して、自分の動きやクセを深く知ることができました。
これまでにない最先端の技術を生かしたフィッティングは、今後の課題や現時点で調整したほうがいいポイントを明確にしてくれます。
これからクラブ選びを考えている方はもちろん、なかなか上達しないなぁ…とお悩みの方にもおすすめです。フィッティングでクラブを調整するだけで思わぬ良い効果が表れるでしょう。
フィッターの浅谷さんもとても気さくに話してくださり、終始和やかにフィッティングを受けることができました。一度フィッティングを受けて自分自身を丸裸にしてみるのも、今後の上達を考えると非常に効果的かと感じました。
ゴルフが上手くなってからでは遅い?
少し私の話をしますと、4年前初めてフィッティングを受けるまでは、スイングが固まってからフィッティングを受けよう!そう思っていました。しかし、あるプロゴルファーの一言でハッとしました。
「今川さん。上手くまっすぐ飛ばせるようになりましたが、スイングが小さくなりましたね。」
詳しく聞いてみると、まっすぐ飛ばすことだけを意識して練習を繰り返すうちに、合わせに行くような振り方になってしまったとのこと…。
最終的に分かったことなのですが、もともと使っていたクラブのシャフトが柔らか過ぎたようです。なので、思い切り振るとヘッドが遅れてスライスしか出なかった。それを嫌ううちに自然と動きは小さくなり、合わせるようにインパクトしてしまっていたのです。
前よりもまっすぐ飛ばせるようになっていただけにショックでした…。
そこから飛距離アップをするためには、長年かけて作ったフォームを修正せねばならず苦労しました。最初から自分に合ったシャフトを使っていれば余計なことはしなくて済んだと思います。
スイング解析やフィッティングで自分がどんな動きをしているのか知ってから練習すると、上達効率が何倍も違ってくると感じました。今より上手くなってからでは思わぬ弊害を生むかもしれません。
ぜひあたなのゴルフの参考にもしてみてください。
アドレスからフォロースルーまで徹底解説!ゴルフの基本はこちらでチェックできます↓↓↓
三浦技研 その他の情報
場所 |
三浦技研フィッティングスタジオ 埼玉県越谷市大間野町1-155 越谷GL内 P駐車場完備 電車東武スカイツリーライン・蒲生駅下車徒歩17分。 |
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