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雑学

ゴルフシャフトの作り方!クラブ選びが上達する4ステップ

ゴルフボールを遠くまで真っ直ぐ飛ばすために欠かせないシャフト。

ドライバーのヘッド以上にいろいろな種類があります。それぞれ長さや硬さ、しなり具合、重さなどが違いますが、なぜこれほどたくさんのモデルがあるのでしょうか?

調査してみると、素材として使用しているカーボンに秘密がありました。カーボンは組み合わせや加工の仕方、作り方次第でまったく違う性能を持つ素材に仕上がります。

ゴルフでドライバーを構えるとヘッド部分に目が行きがちですが、飛距離・方向性を決めるという点では、シャフト性能の方が大きな役割を果たしているとも言います。実際に、どうやってシャフトが作られているのか取材してきましたので、ぜひご覧ください。

なぜ、色々な種類があるのか

まず、なぜこんなに色々な種類があるのかをご紹介します。

現在のドライバーのシャフトは、ほぼカーボン素材を使用しています。カーボンは加工がしやすく、強度があって軽量、ゴルフのドライバー作りに最適な素材です。

しかし、このカーボンにもいろいろな種類があります。製造に使用されるカーボンシートは、もともと細いカーボン繊維から出来ています。この繊維は組み合わせる素材や、厚さ、織り込む方向など、作り方次第でまったく違う性能を持った素材になります。

その違いが「しなり」具合や「しなり戻り」の速さ、全体的な重さやバランスといった性能の違いになって現れます。ゴルフクラブには欠かせない要素です。

ゴルフスイングは人それぞれ違います。タイミング、スイングスピード、フォーム、パター、まったく同じという人はいないでしょう。ゴルファーのレベル・タイプを分類して、それぞれに一番マッチする性能を目指した結果、たくさんのモデルが作られてるのです。

大まかにターゲットを括って幅広く作っているメーカーや、かなり細かい設定でピンポイントで作っているメーカーもあります。なので、「○○が好き」といったメーカーごとの好みが出てきます。

シャフトで何が変わる?

それぞれの違いでゴルフの何が変わるのでしょうか?硬さ・長さ・しなり方、3つのポイントに分けて解説いたします。

硬さ

軟らかい順に、L・A・R・SR・S・Xという表示がされています。この表記はあくまで目安です。メーカーごとに硬さの度合いが違うので注意です。

へッドスピードが遅めのゴルファーが硬いシャフトを使えば、しなりが少ないので、飛距離が出ません。反対に、柔らかすぎる素材のものを使えばヘッドが遅れて出てきてしまうので、スライスやプッシュアウトに繋がります。

ヘッドスピードに合わせて硬さを選ぶことが失敗しないためのポイントの一つです。ゴルフ上達のポイントをもっと詳しく知りたい方はこちら👇

長さ

ゴルフクラブが長くなれば遠心力が増すので飛距離は出やすいですが、ミートするのが難しくなるので安定性が悪くなり、逆に飛ばないというデメリットもあります。

ゴルフのドラコン大会などで使用されるものは方向性度外視でもいいので飛距離が出るように、一般的なものよりかなり長さがあるものを使っています。

しなり方

スイングのタイミング、コックの角度、インパクトへ向けての加速の仕方、の違いでクラブのしなり具合が変わります。

ゴルフボールに当たるインパクトはほんの一瞬です。スイング中で一番しならせられるポイントに、シャフトのしなりを合わせることが出来ると、点と点が合わさって大きな力を生みます。一番力を入れて振れるポイントは人それぞれ。スイングをあれこれイジるより簡単です。

それぞれの項目にはメリット・デメリットがあり、自分のスイングに合わせて何を優先させるかがゴルフにおいて重要なポイントです。

👇もっと詳しく知りたい方はこちらで解説いたします。

シャフトが出来るまでの工程を調査!

なぜこんなにも種類があるのか、「ATTAS」で有名な大手メーカーのUST Mamiyaさんにご協力いただいて、作り方の工程を見せていただきました。

企業秘密のところもあるので全てはお見せ出来ませんが、なぜいろいろなモデルがあるのか、製品の作り方の流れなどを知ることができます。あまり見る機会のないゴルフ製品の製造現場をぜひご覧になってみてください。

埼玉県・戸田市にあるUST Mamiyaさんの本社に伺わせていただきました。

現在、The ATTASを含め10種類以上のドライバー用シャフトを展開しているそう。

社内にはATTAS含め、自社製品がずらっと並んでいました。ゴルフ初心者向けの軟らかいモノから、しっかり叩けるハードヒッター用まで想定されるユーザーに合わせると最低でも10種類くらいになってしまうそうです。

さっそく工房の方で作り方の工程を見せていただきます。

これがゴルフのドライバーシャフトになるカーボン素材のシートです。

持った感じはちょっと厚手のシートといった感じ。硬さは写真などに使う光沢紙くらいです。これが最終的に硬いゴルフクラブになるなんて考えられません。

こんな感じで簡単に剥がせてグニャグニャに曲げることができます。

しかし、縦横に引っ張ってみるとカーボンシートの持つ凄い特性が分かりました。

縦方向には片手でも簡単に裂けるほど柔らかいのですが、横方向には大人二人で思い切り引っ張っても絶対に切れません。鉄の板を引っ張った時のようにガチガチです。

繊維が縦に入っているので縦には裂けても、横には絶対に裂けないそうです。この特性がゴルフのシャフト作りに向いているポイントだそうです。

製作はまずレシピ作りから始まります。どんな種類のカーボンシートをどれくらいの厚さで巻いて、どれくらいの長さにするのか、作り方を設定します。(設計書は企業秘密のためカットいたしました)

①まず設計書に合わせてカットしていきます。(ストックルームには数十種類のシートがありました。)

②カットしたシートを雛型に巻き付けます。この雛型によって太さが決まります。

③プレス機でシートを巻き付けていきます。

④セロテープのような透明なテープを巻き、カーボンシートを固定します。(実際は雛型にシートが巻き付いています)

⑤次は高温で焼きます。高温の熱を入れることで素材が結合し、強度を持ちます。

焼き上がりはこんな感じ。巻かれて削られた跡が残っています。

⑥そして最後は研磨用の機械で磨いて完了。

⑦塗装をすれば、みなさんの良く知っているゴルフ用シャフトの出来上がりです。塗料も重量に関わるので製造にはとても気を使うそうです。

実際に市場に流通する製品は、同じ作り方でオートメーション化されますが、試作品やデモ品は本社で手作業によって数グラム単位での重量調整、柔らかさや反発具合など綿密に設計され製造されるようです。

👇ユーティリティの成功率にも深く関わっているようです。中距離をマスターするためにぜひチェックしてみてください。

自分に合うシャフトの選び方

どんなシャフトが自分に一番合うのか?何を使えばゴルフが上手くなるのか?

メーカーの方に聞いてみましたが、こればかりは実際にその人のスイングを見てみないとなんとも言えないそうです。体重移動やインパクトのクセに合わせて、クラブを調整することで自分に最適な一本を見つけることが出来ます。

昔はゴルフショップの店員が勧めるクラブを購入することが一般的でしたが、現代はゴルフ専用計測器などが発達したおかげであなたのスイングを丸裸にすることが出来て、それに合わせてピンポイントで選択することが出来ます。

ゴルフ上達や技術とはまったく関係なく、ゴルファーとしての特徴に合わせて選ぶことも出来るのでやはり選ぶ時は、スイング計測をしたほうが確実です。

現代最高レベルのスイング計測が、埼玉県・越谷にあるゴルフ施設で受けられます。モーションキャプチャーであなたのゴルフの全てが分かります。詳しくはこちらから👇

まとめ

ゴルフシャフトの作り方を見させていただいて、初めてなぜこんなにたくさんの種類が世の中にあるのか少しわかった気がしました。

UST Mamiyaさんでは新製品を作る時は職人の手で、何度も試作品を作り、ユーザーがもっと満足してくれる製品を丁寧に作り続けていることも分かりました。

ゴルファータイプに合わせて綿密に計算されて製造された一本は、それぞれが素晴らしい特徴を持っています。ぜひ機会があれば、色々なものを試打してみて自分に最適な一本を見つけてみてください。

この記事を書いたライター

ライター

ゴルファボ編集部

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