出典:ゴルフネットワーク
2018年、初めてフル出場したツアーでいきなり賞金ランキング10位に食い込んだ女子プロゴルファーの松田鈴英。167センチのすらりとした体から放つ250ヤードものドライバーと正確なアイアンショットがセールスポイントです。
ブレイク中の松田鈴英ですが、実はアマチュア時代、パターに苦しみ大きなタイトル獲得の経験がほとんどありませんでした。自分と戦った経験をバネに、プロとしても技術を磨いて、輝きを放っています。
今回は女子プロの中でも抜群に存在感を見せている松田鈴英を特集します。スイングの秘密、パターに悩んだエピソードなども紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
プロフィール
名前 松田鈴英 Rei Matsuda
身長 167センチ 体重54キロ
血液型 B型
生年月日 1998年1月24日(20歳)
生い立ち
滋賀県彦根市出身。松田鈴英がゴルフと出会ったのは8歳のころでした。
父・直樹さんに連れられて姉の練習を見に行ったのがきっかけ。10歳で本格的にゴルフを始めコースにも出るようになりました。
アマチュア時代
出典:日本女子プロゴルフ協会
「全国小学生ゴルフ選手権春季大会」で2位、中学に進学してからも全国大会で上位の成績を収めるなど、着実に頭角を現してきました。14歳のときには、日本女子オープンにアマチュアで出場します(予選落ち)。
中学校を卒業後、松田鈴英はゴルフに打ち込むために福井工業大学附属福井高等学校に進学。しかし高校時代は目立った成績を残すことができませんでした。卒業後は地元に戻り、日野ゴルフ倶楽部でアルバイトをしながら練習を続けてプロを目指しました。
2016年、初めて受けたプロテストでは53位で不合格に。2017年の2度目は4日間通算で11アンダーを達成、黄金世代の勝みなみ、新垣比菜らを押さえてトップタイで合格となりました。
プロ時代
2017年
出典:日本女子プロゴルフ協会
2017年の後半戦は、プロテストのトップ合格によりフル出場できる資格が与えられました。しかし、当初は初めてプレーするコース、ハードなスケジュールに戸惑い、伸び悩みます。
2017年は14試合に出場して10試合で予選落ち。プロの洗礼を浴びることになりました。
しかし、2018シーズンの出場権をかけたQT(※)では18位に入って前半戦の出場権を獲得しました。
※クオリファイイングトーナメントの略。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行われる、ツアー出場資格を得るためのトーナメント。ファイナルQTに進出して、40位前後の成績を収めれば、翌年の前半戦にはほぼ出場できる。
2018年
出典:日本女子プロゴルフ協会
2018年も序盤戦は予選落ちもしばしば経験するなどなかなか波に乗れませんでした。
松田鈴英の転機になったのは6月のニチレイレディス。3日間通算で8アンダーの成績を収め、単独4位に入る活躍を見せます。
以後、12試合で予選落ちは1つのみ。2018シーズンはトップ10に11回、3位以内に5回入るなど素晴らしい成績を収めました。
11月の伊藤園レディスでは2日目を終えて単独トップ。初優勝をかけて最終日に臨みました。しかし2番からの3連続ボギー、最終18番では池ポチャのダブルボギーとスコアを3つ落として結果は10位に。
出典:日本女子プロゴルフ協会
翌週の大王製紙エリエールレディスオープンでも首位タイで最終日を迎えましたが、勝みなみに競り負けて2位。結局2018年中の初優勝はなりませんでした。
それでも、終盤戦にかけての大躍進で年間の獲得賞金は6100万円あまり。賞金ランキングで10位に入り、2019年のシード権を獲得しています。今、何よりも望んでいるのはトーナメントで優勝すること。歓喜の瞬間はいつ来てもおかしくない、実力の持ち主です。
スイングの特徴
松田鈴英の大きな武器はドライバーショットです。2018シーズンはドライビングディスタンス248.01ヤードで全体の8位に入りました。
飛距離を生み出しているのがバックススイングの動きです。バックスイングで右股関節にパワーをためながら、腕とクラブを高い位置に上げて筋肉を斜め上方向にねじり上げるようにぐっと伸ばしていきます。全身の筋肉を大きく使うことで、飛ばすためのエネルギーを蓄えています。
インパクトまで頭の位置は変わりません。強い体幹部の筋肉の支えでしっかりと回転をして打っているからこそ、遠くまで飛ばすことができています。
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強さの秘密
飛距離と正確性
出典:日本女子プロゴルフ協会
飛ばし屋の松田鈴英ですが、アイアンの正確性も光っています。フェアウェイキープ率は63.6%で全体の54位ですが、パーオン率は72.7%で4位。ドライバーで多少曲がったとしても正確なアイアンでカバーできます。
愛用しているアイアンはブリヂストンのツアーB X-CB。ヘッドは小ぶりで、ボールの上がりやすさもあり打感のよさも気に入っているポイントだと言います。
自慢のアイアンでグリーンをしっかりとらえる技術を持っている松田鈴英。多少のトラブルでもグリーンを狙って寄せていけるのが強みになっています。
パターのイップス
出典:日本女子プロゴルフ協会
高校1年生のころから松田鈴英はパターのイップスに苦しんできたと言います。悩んだ末、いつもサポートしてくれる父・直樹さんと一緒に克服に取り組みました。
グリップをクロスハンドに変えて何本もパターを交換。トップ合格した2回目のプロテストでは、パターはいつもより決まったものの「ショットが絶好調だっただけ。あの状態で活躍できるとは思わなかった」と話しています。
プロテスト合格後に参戦した2017年のツアー後半戦、松田鈴英は14試合中10試合の予選落ちを経験しました。1ラウンドの平均は参戦しているプロの中でも下位の32パット超となっていました。
「めちゃくちゃ近くからよく外した。1mから3パットもよくあった。手がきちんと動かないから変な方向に球が出る」と松田鈴英。2018年からはクローグリップに挑戦しました。右手は親指、人差し指、中指でつまむように持つスタイルで、左手にはグローブをはめたまま打つことにしました。
「感覚を変えないといけない。動かなかった手を殺さなきゃと思った」という直樹さんからの提案でした。苦しい中でも父と試行錯誤をして、少しずつ克服してきたそうです。
2018年は平均パット数30.59、規定ラウンドを満たしている95人中81位でした。まだまだ苦手なことに変わりはないですが、パターの腕を上げていくと、優勝争いをする機会もさらに増えていくことでしょう。
松田鈴英、これからの活躍の鍵はグリーン上にあります。
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松田鈴英の性格と人柄
出典:日本プロゴルフ協会
・寝れば寝るほど…。
松田鈴英は2017年にプロテスト合格、2018年からツアーフル参戦のハードスケジュールとなりました。過酷な日程を乗り切るための原動力になっているのが「睡眠」です。
「試合のときは18時30分から19時30分くらいに寝てしまいます。朝まではノンストップ」。その日のプレーが終わると17時ごろには食事をとり、一息ついて就寝するといいます。
プレーでは緊張することもあるといいますが、それと寝ることは別。「寝られなかったことはないです。寝れば寝るほどスコアがいいです」と松田鈴英は笑顔で語っています。大躍進を支えているのはしっかりとした睡眠。休息でパワーをためることで高いパフォーマンスにつなげています。
世界ランク推移
使用ゴルフクラブ
出典:ブリヂストンゴルフ
■ドライバー J815 ドライバー(9.5度) スピーダー エボリューション 4569(硬さS) |
■FW&UT ツアーB JGR フェアウェイウッド(3番15度、5番18度)、ツアーB JGR HY(4番22度) |
■アイアン ツアーB X-CB アイアン(5番~PW) |
■ウェッジ ツアーB XW-1 ウェッジ(50度、52度、58度) |
■パター オー・ワークス パター Rライン |
■ボール ツアーB X ボール |
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出典:ゴルフネットワーク
所属契約:ニトリ
用具:ブリヂストン
ウェア:アンパスィ
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今回は若手の女子プロゴルファーの中でも急成長を遂げている松田鈴英について紹介しました。2018年、初優勝まではあと一歩のところで届きませんでした。しかし、そのパフォーマンスを見ると、いつタイトルを手にしてもおかしくありません。
敗れた試合のあと、悔し涙を流す場面も見せていた松田鈴英。2018年、頂点に立つことはかないませんでした。今度こそ、自分の力で首位の座をもぎ取ってくれることでしょう。そのときどんな表情を見せてくれるのか、とても楽しみです!