テレビでゴルファーが活躍する姿を毎週楽しみにしている方も多いことでしょう。多くのギャラリーが集まる会場で一流プレーヤー達がしのぎを削る展開は心躍りますよね!
一般ゴルフファンにとっては楽しいトーナメント会場ですが…プロ選手にとっては生き残りを賭けた戦場。賞金を稼ぐために厳しい争いを勝ち抜く必要があります。
テレビに映るような高額賞金が出る大会に参加するには、ランキングで上位に入らなくてはいけません。
この記事ではゴルフのトップの世界をご紹介するとともに、日本でもっとも過酷と言われるクオリファイイングトーナメント(QT)について解説します。
目次
プロゴルファーになるということ
出典:日本女子プロゴルフ協会
ゴルフでプロになるためにはテストを受けなくてはいけません。テレビに取り上げられるような大会に参加しているのは一部を除いてほぼ、テストに合格した選手です。
ゴルフのプロテストはとても厳しい争いになります。書類審査などを経て選りすぐられたゴルフの選手たちがプロテストに臨みます。
男子の場合…プレ予選から一次、二次、最終と各段階のテストで常に上位に入る必要があります。2017年はのべ1000人が挑戦し、合格したのは50人。5%の合格率でした。
女子の場合…一次、二次、最終のプロテストと勝ち抜かなくてはいけません。2017年は約340名がチャレンジし、合格したのは22名。6.5%の合格率です。
まずこうした狭き門を通過したトップが集っているのがゴルフのエリートの世界なのです。
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ゴルフのツアーの仕組み
ゴルフのトップの大会に出るには一定の権利が必要になります。その権利を得るためにはいくつかの方法があります。
シード権とは?
テレビなどを見ているとシードという言葉を耳にすることがあります。多くの賞金が獲得できるゴルフの大会に出るには、一定の資格が必要です。前年の賞金ランク上位の記録を残すと、シード権というものを得ることができます。そして翌年の大会に優先的に参加できることになります。
QTとは?
一方で、テストに初めて合格した選手や、シード権を得られなかった選手は別の道でゴルフのツアー出場権を競うことになります。QTとはクオリファイイングトーナメントの略(Qualifying Tournament)であり、ツアーに出るためのゴルフの予選会のようなもの。そんなイメージをしていただくとわかりやすいでしょう。
QTの仕組み
前述のように、ゴルフトップのトーナメントに出場するために精鋭たちが1ストロークの記録に全精力を注いで競う、クオリファイイングトーナメントのことです。
QTに参加するための方法
広く門戸が開かれており、アマチュアも参加可能です。男女ともファースト、セカンド、サード、ファイナルの4つのトーナメントで構成されています。それぞれで勝ち抜くと次のラウンドに進出できます。
男子編
男子はJGTO(日本ゴルフツアー機構)が主催。ファースト54ホール、セカンドとサードが72ホール、ファイナルを108ホールで競技が行われます。男子のQTは、それぞれのトーナメントでスコア上位に入ると次に進める仕組みになっています。そしてセカンド以上でより上位に入れば入るほど、多くのゴルフの試合に出場できることになります。
またクオリファイイングトーナメントのランキングのほかにも賞金獲得ランキングなど、ゴルフのツアーへの優先出場権を得る条件はさまざまなものがあります。また、実際にシーズンが始まったあとには、成績により一定のタイミングで優先出場権を見直し、その年に活躍している選手がより多くの試合に出られるような仕組みになっています。
女子編
こちらはLPGA(日本女子プロゴルフ協会)が主催します。女子のQTは、ファーストがからサードまでが54ホール、ファイナルが72ホールで競技が行われるものです。各大会の上位選手が次のラウンドに進める仕組みとなっています。
なお女子ゴルフにはステップアップツアーという、通常ツアーの出場資格がない選手や新人を対象にした競技があります。2018年は21試合が行われる予定です。
ステップアップで賞金ランキング1位になると翌年のツアー出場資格が獲得できます。また、ステップアップでの優勝、あるいは賞金ランキング6位から10位に入ると、セカンドまでをパスしてサードから参加できること、またステップアップで賞金ランキング2位から5位に入るとファイナルから参加できる資格を得ることができます。
上位の大会にいくほど、競争が熾烈になる仕組みになっているのです。
QTルールの変更
女子の場合はクオリファイイングトーナメントのファイナルで35位以内に入れば、ほぼすべての大会の出場資格を得ることができていました。
ただ、2018年からは男子と同様に前半戦の成績に応じてランキングを見直す「リランキング」が新設されました。QTとは上位に入れば出場権が得られる仕組みでしたが、今年からは参加権をかけた厳しい競技がシーズンを通じて続いていくことになります。
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QTと試合結果について
出典:日本女子プロゴルフ協会
2017年度を参考に見てみましょう。ゴルフの男子はクオリファイイングトーナメントの結果、1213位まで順位が決定しました。これまでのツアーで16勝という記録を残している井澤利光が120位、同じく8勝をしている深堀圭一郎が90位と、実力者にとっても今回のQTは過酷な争いだったことが見て取れます。
男子ランキング上位
1.Y・E・ヤン2.B・アン3.木下 稜介
4.A・クウェイル5.狩俣 昇平6.G・チャルングン
7.岩本 高志8.古 幸希v9.鍋谷 太一
10.市原 弘大11.K・T・ゴン12.金 鎮成
13.黄 仁春14.杉本エリック15.山岡 成稔
16.A・エバンス17.竹内 廉18.李 昌祐
19.D・チア20.中島 徹
女子ゴルフの場合はファイナルまででランキングが決定、365位までの順位が確定。数々のジュニアのタイトルを獲得してきた新鋭・髙橋恵が1位となりました。これまで13回もの優勝を誇る有村智恵は8位、9回の優勝をしている諸見里しのぶは60位となっています。実績のある選手でも上の順位に入るのは簡単ではありません。
QTは1ストロークの記録が翌年の自身の試合数に直結する厳しい戦いなのです。
女子ランキング上位
1.髙橋 恵 2.松森 彩夏 3.田村 亜矢 4.権藤 可恋
5.金田 久美子 6.篠原 まりあ 7.ジョン ジェウン
8.有村 智恵 9.小祝 さくら 10.大出 瑞月
11.K・デイビッドソン12.竹内 美雪 13.鬼頭 桜
14.一ノ瀬 優希 15.槇谷 香 16.大里 桃子
17.小橋 絵利子 18.松田 鈴英 19.松森 杏佳
20.野澤 真央
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1ストローク違うと翌年の出場資格を得られないことにもなる。QTとはそんな戦いです。当然、長いラウンドででもゴルフの集中力を切らすことができません。自分自身の次年度の活躍を左右する、トップゴルファーにとって最重要な競技なのです。2018年度、男女ともに8月からクオリファイイングトーナメントが始まります。QTとは何か、仕組みを理解したうえでその経過にもぜひ注目してみてください。