出典:You Tube
2019年全英オープンを制覇して一躍時の人となり、2021年シーズンもスタンレーレディス、三菱電機レディスを勝利している渋野日向子プロ。
その強さの秘訣となるスイングにはどのような意図や特徴があるのでしょうか。
当記事では、渋野日向子のスイングの特徴をわかりやすいように解説いたします。また、スロー映像なども用いてどこが強さの秘密なのかにも迫ってみたいと思います。
アマチュアゴルファーがマネできる1ポイント、マネすべきでないポイントも紹介していますので、是非参考にしてください。
目次
渋野日向子のスイングの特徴とは?
実は渋野日向子は2021年に大きくスイング改造を行っており、2020年以前のスイングと比較して大きく変化しています。ここでは渋野日向子の改造後のスイングの特徴を解説します。
フラットで小さなバックスイング
2021年の渋野日向子のスイングは、シャフトプレーンに沿ったフラットで小さなバックスイングです。
アドレス時のシャフトプレーンに沿うように、インサイド気味なバックスイングを取っています。
また、バックスイングの大きさも小さ目で、グリップの高さが耳付近となっている点も特徴です。従来よりもバックスイング量が減少したことから、トップ時におけるヘッドも、飛球線よりも左を向いています(レイドオフ)。
1プレーンスイングのようなフラット気味なスイングになることで、身体の動きがシンプルになり、より安定性の高いスイングとなります。その一方でクラブの動きがコンパクトになり飛距離が出しにくいという難点も存在します。
実際に渋野日向子も左へのミスを嫌い、ショットの精度やスイングの再現性を求めた結果このようなバックスイングとなりました。
2020年までの渋野日向子のスイングはスティープ気味なスイングで、バックスイングも頭の高さ付近まであったため、一年で大きな変化があったことが分かります。
バックスイングの基本の動きはこちらで解説いたします!初心者に欠かせないポイントをマスターしましょう↓↓↓
左手首の掌屈が強い
渋野日向子のスイングの大きな特徴として、左手首の掌屈が強いこと(バウドリスト)が挙げられます。
手首の掌屈が入るスイングとは、クラブを早めにシャットにするように、トップスイング時に左手首を掌側に曲げる動きが入っているスイングことです。
女子プロゴルファーは強い掌屈を取り入れたスイングをしている方はそれほど多くありません。
というのも、掌屈させるとハンドファーストのイメージが強まり、ロフトが立ってインパクトを迎えるため、ある程度のパワーがないとボールが上がらないためです。
バウドリストには以下のようなメリット・デメリットが生まれます。
【メリット】 |
・ハンドファーストの形でインパクトを取りやすい ・ボールを捕まえやすい ・手首をローテーションする意識が不要となる |
【デメリット】 |
・ボディーターンを強く出す必要がある ・ボールが上がりにくい |
また、有名なバウドリストのプロゴルファーとして、ダスティン・ジョンソンやジョンラームが挙げられます。
ハンドダウンのアドレス
渋野日向子はハンドダウンのアドレスも特徴です。
スイング改造によって従来よりもややアップライト気味になるものの、それでも十分すぎるほどのハンドダウンとなっています。
これについては意識的に行っているものではないようです。渋野日向子プロは腕が長いく、腕が逆に曲がる特徴があるので(いわゆる猿手)、自然な形で取ったアドレスがハンドダウン気味になったとの話があります。
彼女にとって最適かつ最善のスイングフォームを作った結果、一般ゴルファーよりもハンドダウンが強くなったということです。
【動画】渋野選手のスイングまとめ
こちらが渋谷日向子の2021年のドライバーショットです。
膝をグッと曲げ、ハンドダウンのアドレスから、アドレスのシャフトの並行線上にバックスイングが上がります。
また、極端なバウドリスト(曲がった手首という意味)ではありませんが、切り返しの瞬間に一瞬手首が掌屈するのが分かります。
過去に「(バウドリストを)直したいけれど、修正するとボールが曲がるから、そのままにしている」とコメントを残している部分です。
また、フラットなバックスイングから一転して、フォロースルーは高めに上がって、大きめに取っています。
次に渋谷日向子のスイングを正面から見てみましょう。
軸の動きが非常に小さいことが分かります。バックスイングが小さくなったことで、左肩を入れすぎず、体重移動も大きくありません。
ちなみに、渋野日向子の以前のスイングはこちらです。
一目瞭然で変化していることが分かるでしょう。バックスイングがアプライト気味に上がり、トップの高さも大き目でした。一方でインパクトからフォロースルーにかけては近しいスイングとなっています。
また、トップ時には左からが大きく入っており、現在のスイングよりもタメが強く出ています。
こちらが、スイング改造前後を比較した動画です。並べて比較するとスイングの変化が顕著に見て取れます。
ドライバーにはドライバーに適した動きがあります!基本動作はこちらでチェックしてください↓↓↓
アマチュアがマネできる1ポイント
様々な特徴がある渋野日向子のスイングですが、アマチュアが取り入れやすく、効果の大きいポイントが「ハンドダウンのアドレス」です。
つかまったボールが打てない方は、少し取り入れてみることをおすすめします。
アマチュアがハンドダウンを取り入れるメリットは以下の通りです。
・身体と腕が一体化しやすいため、より強い力をボールに伝えることができる
・手首が使いやすくなり、ヘッドを走らせやすくなる
・重心が下がるため安定度の向上・ヘッドアップの防止に繋がる
・腕が曲がりにくいため、肩の捻転が入りやすくなる
一方で、以下のようなデメリットもある点に注意しましょう。
・フック系統のボールが出やすくなる
・前傾姿勢が強いため窮屈さを感じる可能性がある(アウトサイドからクラブが入る可能性がある)
そのため、いきなり極端なハンドダウンにするのではなく、徐々に調節して、自分に一番合うポジションを見つけましょう。
ハンドダウンを身に付ける際に意識するポイントは4つです。
① アドレス時の手の位置を下げる
② 膝を軽く曲げ、重心を落とす
③ 腕が身体から離れないようにスイングする
④ インパクト時もハンドダウンの状態でインパクトをする
特にインパクト時に身体が浮いてしまうことには注意が必要です。
ハンドダウンのスイングに窮屈さを感じ、逆に伸びあがってしまう場合もありますが、これではハンドダウンの恩恵を受けることができずに、ミスショットの原因となってしまいます。
もちろん、個人のスイングによって相性はありますが、ハンドダウンにはアベレージゴルファーに起こりやすいミスが改善する要素が数多くあります。
特に「つかまったボールが打てない方」「ヘッドアップが多い方」には効果がありますので、ぜひ試してみてください。
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2019年の全英オープンを制覇後、数々の活躍を見せている渋野日向子プロですが、実は2021年に大規模なスイング改造を行っていました。
渋野日向子のスイングには、強さの秘訣となる特徴が数多くありました。
特にアドレスのハンドダウンはアマチュアゴルファーがマネしやすいポイントとなっています。
もちろん、スイングによって相性はありますが、アマチュアゴルファーにありがちなミスを改善しやすい要素が数多くあるため、ぜひ練習で試してみてください。