ボールに当たる気がしない…。当たってもボールが全然飛ばない…。
そんなゴルフ初心者のスイングを最短でうまくするためのポイントをご紹介します。
重要なことは、ゴルフ初心者に適したポイントや練習法を取り入れること。いきなり難易度の高いことを続けてなかなか上達はできません。
今回は、アマチュアゴルファー2万人以上に指導実績のある吉本巧プロおすすめの、初心者が上達するコツや練習法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
ゴルフスイングでもっとも大事なこと
ゴルフスイングでもっとも大事なことは何かというと…ズバリ!
「インパクトを通過点にする」ということです。
インパクトとは、ゴルフクラブでボールを打つ瞬間のこと。インパクトを通過点にする意識を持つことで、ゴルフの上達スピードがぐんとアップします。
ではどうしてインパクトを通過点にする意識が大事かというと…
インパクトをゴール(最終地点)にする意識を持ってしまうと、途中でスイングが減速したり、全体のバランスが崩れてしまいやすくなります。
大事なことは、「スイング全体の流れ」。一連の流れの中でインパクト出来ると強くて精度の高いショットを打つことができます。
「インパクトをスイングのゴールにしない」「インパクトはスイングの通過点」
ということを頭の中に入れて今からご紹介するポイントを読み進めてください。
【基本】ゴルフ初心者のための上達7ポイント
グリップ
まずはグリップ(ゴルフクラブの握り方)からです。
グリップの握り方は大きく分けて、①インターロッキング、②オーバーラッピング、③テンフィンガー(ベースボールグリップ)の3種類。おすすめは…
① インターロッキング 右手小指と左手人差し指を絡ませて握ります。 |
② オーバーラッピング 左手人差し指、中指の間の上に右手の小指を乗せます。 |
どれが良い、どれが悪いということはなく、それぞれ一長一短あります。握りやすいものを選べば問題ありませんが、初心者ゴルファーの方には上記2つをおすすめします。
次はゴルフの弾道に大きく影響する左手の角度です。ゴルフのグリップは左手から握るのが基本です。
左手のグリップは、左手のナックルが2~3個見えるように握ってください。左手の親指はグリップの真上(センター)よりも少し右になるイメージです。
ストロンググリップと呼ばれる形で、スライスが出にくく力が入りやすい特徴があります。
右手のグリップは、下から持つようにして力を入れて握り過ぎないようにしましょう。
左手のグリップを握る力よりも、右手のグリップを握る力のほうが”小さい”のが理想的です。右手のグリップに力が入り過ぎるとスイングの軌道が荒れてしまうためです。
多くのゴルファーが右利きなので、右手の力の入り過ぎには注意してください。
>>>アマチュアのミスのほとんどがグリップによって決まっているそうです!正しい握り方・持ち方のコツはこちら↓
アドレス
アドレスにはいくつか注意するべきポイントがありますが、ゴルフ初心者はまず2つのポイントを意識してください。
ポイント①
しっかり背筋を伸ばしましょう。頭から焼鳥の串が刺さってお尻から出るイメージ。
上半身の軸(焼鳥の串)が一直線になるのが理想的ですが、腰の反り過ぎは注意。ケガの原因にもなるので、負担がない程度でOKです。無理しないでくださいね。
ポイント②
両足がピンと真っ直ぐにならないように、適度に両膝を曲げましょう。適度に両膝が曲がっているほうがこの後のスイングがスムーズになります。
この時に、かかとに体重がかからないようにつま先体重でバランスを取ってください。
バックスイング
バックスイングではしっかり両肩を回転させることを最優先してください。
ゴルフスイングでもっとも大事なのが両肩の回転です。両肩をしっかり回転できるクセがつくと、その後のゴルフ上達が2倍にも3倍にもなります。
両肩を回転させるコツは、「バックスイングで右肩を頭の後ろに持っていく」or「左肩を顔(もしくはあご)の下に入れる」というイメージが◎。両肩がしっかり90度回転したら合格です。
両肩が90度回転すると胴回りが捻られてきつい感じがすると思いますがそれが正解。この捻り(キツさ)を元に戻す動きがダウンスイングのパワーに繋がります。
腕だけでバックスイングを上げて「手打ちスイング」にならないようにしてください。
>>>テイクバックではフェースの向きに注意してみてください。スタートの角度が正しければ自然と理想の軌道で振りきることができるでしょう↓
トップの位置と切り返し
トップの位置はバックスイングからダウンスイングの切り返し地点です。
トップの位置ではしっかり「間」を作ることを意識してください。「間」とは、体が完全に静止した状態です。
しっかり体が止まったのを自分で体感できると、自然と「間」が生まれます。間は無理に作ろうとせずイメージでも問題ありません。
自分なりの「間」を作ってからダウンスイングをスタートできるのが理想的です。アマチュアはトップから急いでしまいがちなので注意してください。頭の中で「1」とカウントしても良いでしょう。
プロゴルファーの中にはトップのポジションで「間」がなく、バックスイングの反動でダウンスイングを切り返している選手もいますが、これはすごく難易度が高いです。
何万回も同じ軌道で振り続ける練習を重ねたプロだけが身に付けられるので、アマチュアがマネをしても軌道がブレてうまく打てないことがほとんどでしょう。
プロゴルファーはかっこいいのでつい真似をしたくなりますが、その気持ちをぐっと我慢してください。最初は絶対に真似をしないでください。
まずは適度に「間」を作り、しっかりスイングを折り返せるようにしましょう。
ダウンスイング
ダウンスイングは、「ダウンスイング始動後すぐに力を入れて加速しない」ということがポイントです。
いきなりトップギアに入れるのではなく、少しずつ加速するイメージですね。
吉本プロはこれを「ソフトスタート」と呼んでいますが、ダウンスイングをソフトスタートできることでクラブヘッドの軌道が安定しクリーンヒット率がアップします。
一方で、ダウンスイングの始動後すぐに加速する「ハードスタート」になると、ダウンスイングのクラブヘッドの軌道が不安定になりクリーンヒット率が下がってしまいます。
実はこれが冒頭でご紹介した「インパクトを通過点にする」というポイントに繋がってきます。
インパクトをゴールにする意識になるとどうしてもダウンスイングの始動後すぐに加速してハードスタートしてしまいます。
初心者ゴルファーがクリーンにボールを打てないミス原因の大きな理由です。ハードスタートは絶対ダメです。
ダウンスイングではすぐに加速しないように、「インパクトは通過点」の意識を持ってゆっくり加速させることを意識してください。インパクトはゴールではなく通過点です!!
フォロースルー
インパクトからフィニッシュまでのポジションをフォロースルーと言います。
以外かもしれませんが、ゴルフ初心者であればフォロースルーに関して意識するポイントはそれほどありません。
なぜなら、ダウンスイングで「インパクトを通過点にできるイメージ」ができると、ある程度フォロースルーは完成してしまうからです。
理想を言えばフォロースルーで腕がまっすぐ伸びた状態が理想ですが、ゴルフ初心者はまずインパクトを通過点にする感覚を持てば大丈夫です。
フィニッシュ
フィニッシュとは、インパクト~フォロースルーのあとの最後のポジションです。
テレビや動画などで打ち終わったプロゴルファーを見ると、片足立ちになりビタっと止まったかっこいい終わり方をしています。
しかし、ゴルフ初心者はあまりフィニッシュの形にこだわらなくてもOKです。フィニッシュにこだわりすぎるとスイングがぎこちなくなってしまうためです。1にも2にも重要なのは、気持ちよく振り切ることです。
ただ一点、フィニッシュの注意ポイントがあります。それは、フィニッシュで3秒間静止すること。
もし静止できないなら…フィニッシュで3秒間静止できない=スイングをコントロールできていない、ということになります。要は「振り過ぎ」です。
最初はなかなか難しいと思いますが、フィニッシュで3秒間静止できれば、自分のスイングをコントロールできているということになります。
フィニッシュの形は気にしなくて問題ありませんが、自分が振り過ぎていないか、3秒止まって確認してみてください。
7つのポイントの注意点
上記7つのポイントを練習するときは必ず1つずつ練習してください。
7つ同時に意識するのはかなり難易度が高いです。意識するポイントが増え過ぎるとかえって頭がこんがらがってしまいます。
例えば、「今日の練習はバックスイングのポイントやろう」「来週の練習はダウンスイングをやろう」といった具合に、課題を決めるのが上達の近道です。
>>>あなたは自分の番手ごとの飛距離を知っていますか?スコア100切りには欠かせないポイントです。
初心者向け!即効性のある対策法
スライス球を止める方法
スライスがどうしても止まらない…そんな方はボールを打つ瞬間に顔を右に向けてみてください。
スライスになる原因はたくさんありますが、ゴルフ初心者にもっとも多いのはヘッドアップ(インパクトまでに顔が上を向いてしまうこと)です。
ヘッドアップになると自動的に体が開いて→腕が遅れて出てきて→フェースが開いたままボールを擦り打って→スライスになります。
インパクトの瞬間に顔を少し右に向けることで、体の開きを強制的に止めることができます。ヘッドも走るのでスライスだけでなく飛距離アップにも効果的です。
まっすぐ飛ばす方法
通常ショットよりもスイング幅を少し抑えてみましょう。
いつも上げているトップ位置よりもほんの少し低いところで止めてダウンスイングに移行してください。8~9割のスイングをするイメージで問題ありません。
男性ゴルファーは力があるので、ゴルフクラブを思い切り振り過ぎている傾向があります。大切なことは、自分がコントロールできる範囲でスイングすることです。
力いっぱい思い切り振ってパワーロスするよりも、コンパクトに振ってミート率を上げた方が結果的に飛距離は上がります。
正しいスイングを習得する3つの練習法
小さいスイング
小さいスイングからボールを打つ練習法です。振り幅を小さくして正確にミートする技術を習得できます。ドライバーは扱いにくいので9番アイアンあたりがおすすめです。
小さいスイングの目安は「バックスイング=左腕が地面と平行」→「フォロースルー=右腕が地面と平行」
この大きさのスイングで、インパクト前後(ボールの左右約20センチずつ)で直線に近い円運動でヘッドを移動させてください。まずは素振りでOKです。
インパクトの位置ではフェース面が真っ直ぐなるよう確認してください。
イメージが出来てきたら実際にボールを打ちましょう。飛ばさなくても良いのでインパクトの芯でまっすぐ打つよう心がけてください。
左手一本で振る
ゴルフクラブは左手主導で振るのが理想です。
左手一本でクラブを持って素振りしてみましょう。片手一本で気持ちよく振れる軌道があなたにとって理想のスイング軌道です。
素振りを繰り返し、慣れてきたら右手を添えてみましょう。左手一本のときと同じヘッド軌道で振れれば、力が伝わって精度の高いショットを打つことが出来るでしょう。
多くのゴルファーは右利きなので右側を強く使ってしまいがち。右手主導になると、手でこねたり、クラブが外側から下りてきてスライスになったり、ダフリの原因にもなるので注意してください。
目を閉じて素振り
目を閉じて打つなんてありえない!そう思った方は安心してください。これは素振りだけでも効果があります。
目を閉じることで、視覚がなくなり感性が研ぎ澄まされて体の動きに集中できます。目が開いているとどうしても…
「ボールを打つ意識が強くなる」「腕を使ってスイングする意識が強くなる(肩の回転ではなく)」というような状態になりがちです。理想のフォームを体に覚えさせる意味でも、ぜひ目を閉じて素振りしてみてください。
注意点として、①思い切り振らずゆっくりのスピードで振る(通常の半分ぐらいのスピードで)、②周りに人が居ない場所で、人に当たらないように注意してください
>>>初心者はドライバーをブンブン振り回すよりも、扱いやすいアイアンでフォームを安定させることが大事です。7番アイアンの習得法はこちらで解説します↓
初心者にまずおすすめしたいゴルフスイング上達のポイントをご紹介しました。
色々な上達ポイントや練習法がありますが、まずはこの7つのポイントと練習法を実践してみてください。
1つずつ取り入れていくことで、効果的にうまくなることができ、自然と「インパクトは通過点」のスイングが出来るでしょう。