テレビでプロゴルファーのプレーを参考にしている方も多いでしょう。練習でイメージをつかむためにもプロゴルファーのスイングやショットは大いに役立ちます。
プロゴルファーがアイアンでスイングをする際、インパクトのときにターフがきれいにはがれるシーンをよく見ます。きれいにとれるターフに憧れる方も多いのではないでしょうか。
ではなぜターフがきれいにとれるのでしょうか。それはダウンブローがしっかりと身についているからです。プロゴルファーが実践しているこの打ち方には、再現性が難しいというデメリットがありますが、しっかり打てると、様々なメリットがあります。今回はダウンブローのスイングについて解説をするとともに、ゴルフにおけるその効果と打ち方の基本的なコツについて紹介します。
ゴルフのダウンブローとは
ドライバーは飛距離を出し遠くへ飛ばすためのゴルフクラブです。一方のアイアンはどうでしょうか?こちらは飛距離ではなく、正確に運ぶためのクラブと言えるでしょう。距離を合わせて狙った位置に止める、これがアイアンで打つ時の大きな狙いとなります。
そのためにはアイアンでしっかりと止まる打球が必要にあります。ダウンブローはぴったり止まるボールを打つために大切な要素になります。
ダウンブローの仕組み
ではゴルフのダウンブローとはどういうものなのでしょうか。
これはゴルフクラブを振り下ろしていくときに最下点の手前でインパクトをして、ボールの下半分をとらえる、ということです。よく叩きつけるように打つ、という表現をすることがありますが、単に上から叩くのではなく、振るときの軌道上でヘッドが緩やかに降りていき、その途中でインパクトして球をとらえる、ということになります。
ゴルフの打ち方というと、ヘッドでボールと地面が接地しているところを狙う、というイメージを持っている方もいらっしゃると思います。ただ、これだと狙う位置がピンポイントになりすぎてとても難しくなります。
そうではなく、目標方向に対してヘッドが動きながらボールの下半分をとらえていく。そんなイメージを持っていただければと思います。
メリットについて
プロゴルファーが実践していることからもわかるように、この打ち方にはさまざまなメリットがあります。
まずはしっかりとスピンがかかることです。これによって、落下した地点で止まりやすくなります。アイアンショットの目的は意図した場所に打球をコントロールして運ぶこと。そのためには当然、スピンがかかることが重要になります。
また、ティーアップした状態とは違い、アイアンやウェッジを使う2打目以降、打球のコンディションはさまざまです。ラフなどはゴルフの中でも特に打ちにくいシチュエーションの一つですし、フェアウェイ上でも状態は千差万別でしょう。そうしたときに横から払って打とうとすると、球との間に芝が入り込み、パワーも失われてしまいます。ダウンブローで打てると、格段にゴルフの状況は変わってきます。ヘッドと芝の間に入る芝の量を最小限に抑えることで、ロスを抑えることができます。
また、緩やかに下降してくる軌道でボールをとらえることで、ゴルフクラブのロフト角が立ってきます。バックスピンがしっかりとかかることとも合わせて、飛距離が出やすくなります。
打つための3つのポイント
ダウンブローでショットをするためにはいくつかの基本的なポイントがあります。
スイングのときに弾道を高く上げようとして、ゴルフクラブですくうように打ってしまう場合があります。すくい打ちはダウンブローとはまったく違う、いわば対極にあるものです。スイングの最下点が球の手前になってしまうため、ミスの大きな原因となります。最下点を過ぎてアイアンが球に当たるとトップになってしまいますし、さらに最下点が右足寄りに離れるとダフリにつながってしまいます。すくい打ちにならずにしっかりとらえるためにはいくつかのポイントがあります。
ハンドファースト
ハンドファーストとは、アドレスのときにゴルフクラブを握っている手の位置が、ヘッドよりも左足側になっていることを言います。手をヘッドと同じ位置に構えてしまうと、フェースが開いてボールをうまくとらえることができません。ハンドファーストに構えることで、ゴルフクラブのロフト角を生かして正確で強い弾道を実現することができます。
↓↓↓スイングでの手首の使い方については動画でも解説しています。
ダウンブローのショットを実現するためにはハンドファーストで打つことが重要です。ハンドファーストで打つために、確認すべきポイントがいくつかあります。
構えたときに、まずグリップエンドが左足付け根あたりの位置にあるかどうか、グリップがヘッドよりも目標方向にあるかどうか、さらにフェースの方向がゴルフボールの飛ぶ方向にまっすぐ向いているかどうか、この3つが基本です。
自分のゴルフの動作も確認してみましょう。ただし、あまりにも意識が強すぎると、フェースがかぶりすぎて左方向に飛び出していくことにつながるので注意してください。
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体重移動について
ゴルフでダウンブローの打ち方を身につけるためには正しい体重移動が基本になります。
前述のようにすくい打ちになる方はスムーズに体重移動ができていないことにより、右足に大きく荷重がかかる状態でスイングをしています。試しに右足に重心を置いてそのまま打ってみてください。スイングの最下点はボールよりもかなり手前になってしまいます。そのままだと当たらないため、腕で無理に合わせにいくことで打ち損じの可能性が高くなってしまいます。
↓↓↓ドライバーで飛距離を上げるゴルフの体重移動の仕組みはこちらで解説!
正しい体重移動について順にご紹介します。まずゴルフクラブを構えて打つための動作に入り、トップの位置では右足に体重がのります。トップからインパクトにかけて左足に体重が移動していきます。そしてインパクトの瞬間は左足へほぼ荷重が移行した状態になります。
すくい打ちとは対照的に、スイングの最下点が左足寄りに移動することで、ハンドファーストの状態であれば、自然とヘッドが緩やかに下降する途中で球を叩くことができます。これがゴルフのダウンブローです。インパクトの瞬間はクラブのロフト角が立ってくるため、スピンがかかりかつ飛距離も出やすくなります。
ゴルフでは、すくい上げる動きをしなくても弾道は高くなります。アイアンにはロフト角がついています。その特性をそのまま生かすことができれば、動作の中で無理に高く上げようとしなくても、ゴルフでは高い弾道が実現できるのです。
手首の使い方
もう一つ、ダウンブローで打つためには手首の使い方のポイントです。ハンドファーストに構えたあと、スイングを開始していきます。その際に、トップの位置では左手首の角度は180度、右手首は180度よりも小さくなります。
そしてそのままの形を維持したまま、下していきインパクトで一気に角度を開放します。トップのときと「同じ手首の角度」をインパクトギリギリまで保つことでタメが出来ます。インパクトのあとは両手首を返してしっかり振りぬくイメージを持ってください。
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今回はゴルフのダウンブローについて基本的な仕組み解説をするとともに、そのために必要なポイントについてご説明しました。これを身につけることができれば、ショットの正確性が増すだけではなく、ラウンドを通じてのスコアアップにつながります。まずはご自身の動作を確認してみるとともに、ハンドファーストや体重移動についても実践練習をしてみてください。そしてさらに一段上のゴルファーを目指していってください!