ゴルフコースの”コースレート”はどんなものか答えられますか?ラウンド前にゴルフコースについて調べるとき、「70.9」など小数点第1位までの数値を目にすると思います。いったいこの数字は何を表しているのでしょうか?
「そろそろ、おまえも難しいゴルフコースに連れていってもいいだろう」と言われて、上司や先輩に連れて行ってもらったとき、調子が良いのに、ゴルフスコアが散々だった経験はないでしょうか?
そんな大叩きはしていないのに、いつもより10打も悪い…。それは、難易度が高いゴルフコースだったからです。今回は、ゴルフコースのコースレートについて解説します。これからさらに上達していきたい方は必見の内容です。また、初心者の方でも、ゴルフコースを回る前には抑えておきたい準備になります。
しっかりチェックしていただき、これからのラウンドにぜひ活かしてください。
目次
ゴルフコース|コースレートとは?
コースレートとは、スクラッチゴルファーが普段のコンディションで、ラウンドした場合、ゴルフコースがどれくらいの難易度があるのかを示した指標です。バンカーや池などの障害物に基づいて、小数点第1位(例:70.2)で表されています。
数値が大きいほど難しく、小さくなるとやさしいゴルフコースということになります。
スクラッチゴルファーというのは、男性は、海抜ゼロメートルのゴルフコースでティーショットの平均飛距離が250y、470yのホールで2オン可能なハンディキャップ0(ゼロ)でプレーできる人のことです。
女性も、ハンディキャップ0(ゼロ)でプレーでき、海抜ゼロメートルでティーショットの平均飛距離が210y、400yのホールで2オン可能な人のことです。JGA日本ゴルフ協会のコースレーティング査定チームが実査し、結果を検証して決定します。
スコアが良くなるやさしいゴルフコースでプレーすると、コンペも盛り上がります!
ゴルフコースの難易度を決める方法は?
ゴルフコースの各ホールを精査します。スクラッチゴルファーとボギーゴルファーの平均飛距離に基づいて、各ホールのボールの着弾エリアで実測とバンカーや池などの難易度を評価していきます。
ボギーゴルファーとは、男性がハンディキャップ20前後で、ティーショットの平均飛距離200y、370yのホールで2オン可能な人です。女性は、ハンディキャップ24前後で、平均飛距離150y、280yのホールで2オン可能な人です。
ゴルフコースの実測距離
各ホールの長さを決定するためには、ティーグラウンドの高低差やドッグレッグのショートカット、海沿いや平原地の風、標高などを見ていきます。
ゴルフコースの障害物の要素
ゴルフコースの地形、フェアウェイの幅、グリーンの大きさ、球の止まり具合、ラフ、バンカー、OB、ウォーターハザード、心理的影響を評価していきます。
計算式
<男性:計算方式>
(査定距離÷210ヤード)+39.76±難易度+補正係数
<女性:計算方式 >
(査定距離÷190ヤード)+41.67±難易度+補正係数
査定距離は、18ホール査定委員の実行プレー 210y 、190y。
JGAで採用している定数 は、「39.76」「41.67」。
難易度:査定委員が査定した難易度数値。幅は±1.8以内(原則)
補正係数:仮・査定レートが69.9以下の場合に内規として使用する数値
※いずれの項目も詳細な数値や決定数値は非公開
(例)算出方法
実測:7,000ヤード、査定距離:6,800ヤード(-200y)、難易度:+0.5000の場合…
男子の数式に当てはめると「6,800ヤード÷210+39.76+0.5000=72.6」(参照:コースレート査定の必要性と倶楽部としての準備 関東ゴルフ連盟)
ゴルフコースでもっと楽しみたい方は、ハンディキャップも一緒にチェックしてみてください。
日本|難易度「75以上」のゴルフコース
鹿島の杜カントリー倶楽部(茨城県)
77.6(Par72)
バックティーから7,629ヤード、レギュラーティーからでも7,033ヤードあるゴルフコースです。最後まで集中力を切らさずにラウンドできるかが鍵になります。
ゴールデンバレーゴルフ倶楽部(兵庫県)
77.4(Par72)
池やクリークからのプレッシャー、フェアウェイのうねり、アンジュレーションのあるグリーンなどアグレッシブなゴルフコースです。技術と頭脳、精神力が試されます。
小樽カントリー倶楽部 新コース(北海道)
75.8(Par72)
日本オープンやサンクロレラクラッシックを開催しているゴルフコースです。フェアウェイが広くフラットですが、高速グリーンの対応力が必要になります。海沿いなので、風の強い日は難易度がさらに増します。
難しいゴルフコースでラウンドするときは、精度の高いショットが求められます。
コースレートの問題点
スクラッチゴルファー(ゴルフ上級者)のプレーを基準としていますので、アベレージゴルファーがラウンドした場合、数値どおりにはいきません。
アマチュアは、難易度が高いとゴルフコースのセッティングに対応できずにスコアを大幅に崩していまいます。こうした差を解消しようと考えられたのが「スロープレーティング」です。1980年代にアメリカで考案されたハンデの算出方法です。日本では2014年に導入されました。
スロープレーティングとは?
算出の基準は、ボギーゴルファー、ハンデ20前後の人がプレーした時の難易度を数値化したものです。示す数字は「55~155」です。「113]が標準のゴルフコースになります。
「113」よりも数字が大きいと難しく、「113」よりも小さいとやさしいゴルフコースになります。
これまでのコールレートは、ホールが長くなるほど数字が大きくなりましたが、スロープレーティングは、短いゴルフコースでもバンカーや池の位置、ボールの落とし場所、グリーンが難しいなどの条件が揃えば、スロープレーティングの数値が高くなってきます。
難しいゴルフコースは、グリーンから攻略するとリズムに乗れます!
難易度の数値が高いコースが良いゴルフコースというわけではありませんが、設計者の叡智が詰められています。コースレーティングはこれから本格的にシングルを目指していく方にとって欠かせない指標になると思います。
・数値が低いほど…→易しい
・数値が高いほど…→難しい
スロープレーティングについては、今のレベルで楽しくゴルフをするためには知っておいたほうがいいものでもあります。現在は、2014年のスロープレーティング導入に伴って混在しています。
いずれにしてもゴルフはプレーをすることがとても楽しいスポーツです。いろいろな知識も増やしていきながら楽しいゴルフをしていきましょう。