「ドライバーのロフト角って何度にするべき?」
「9度と10度では何が変わるの?」
この記事はそんな疑問をお持ちのゴルファーへ、ロフト角の機能・特徴を中心に、弾道に与える影響やレベル別・タイプ別の正しい選び方までまとめて解説いたします。
ロフト角はナイスショットするためにとても大事なポイント。自分に合ったドライバーを選択するだけでショットの飛距離・方向性が大幅に改善されることもあります。
球が上がらない…。ボールが曲がる…。ドライバーショットに関してそんなお悩みのある方はぜひご一読ください。
目次
ロフト角とは?
ロフト角とは、ゴルフクラブにおけるフェース面の角度を指し、打球の打ち出し角やスピン量に大きく影響します。
ロフト角が大きいとどうなる?
10、11、12度とロフト角が大きくなるにつれスピン量が多くなりボールが高く上がりやすくなります。なのでロフト角が大きい=やさしく飛ばせるといえます。
ヘッドスピードが遅くても飛ばせるメリットがありますが、比例するようにサイドスピンがかかりやすくなり左右へのブレも大きくなるデメリットがあります。
ロフト角が小さいとどうなる?
9.5、9度とロフト角が小さくなるにつれ球が上がりにくくなりますが、スピン量が少なくなるぶん強い球になります。
ロフト角が小さい=自分のスイングスキルでボールを上げられる人や、ヘッドスピードの速い人におすすめ。
ロフトが立つことで左右へのブレが小さくなり球が左右に曲がりにくいメリットもあります。ある程度の力や経験がないと高く遠くへ飛ばせないデメリットがあります。
ボールの弾道が変わる!
ロフト角には打球に角度を付ける役割があります。
基本的に角度が大きければ大きいほど(9度より10度)、高弾道な打球を打ちやすくなります。理由は大きく分けると2つです。
1つ目の理由として、フェース面が寝ているために打球に打ち出し角が付きやすいことが挙げられます。アプローチウェッジを使えば球が簡単に上がるように、ドライバーも打ち出し角が高くなるのです。これは多くの人がイメージしやすいでしょう。
2つ目の理由は、ロフト角が大きければ大きいほどバックスピン量が増えるためです。バックスピンが増えると、スピンが少ない打球に比べて浮力が増し、ボールが上がりやすくなります。具体的には、1度違うと、最大で600~800回転もスピン量が変わると言われています。
一方で小さくなれば小さくなるほど、低弾道なボールが出やすくなります。
フェース面が立っているため、打ち出し角が低くなりやすいです。また、バックスピン量が少なくなるため、浮力も少なくなります。そのため、少ないロフト角でボールを上げるためにはある程度のヘッドスピードを要します。
サイドスピン量にも影響する
ロフト角の役割はボールの角度を決めるだけと思っている人も多いですが、実はサイドスピンの量にも大きく影響しています。
ロフトが大きいドライバーの方がサイドスピンの影響が少ないという特徴があります。つまり、曲がり幅が減少するのです。
ロフトが大きいほど、バックスピンの量が大きくなると前述しましたが、そのバックスピン量がサイドスピンの量を相殺しているのです。
そのため、同じスイングをしたとしてもロフト角が大きいドライバーの方が左右のミスへの許容性が大きいと言えるでしょう。
ロフト角の機能・特徴に関してもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓↓↓
バックスピンと飛距離の関係性
バックスピンの量の理想的な量は、約2000~2,500回転/分が理想とされています。
しかし中には、バックスピンが2,000回転/分を大きく下回る方や、4,000回転/分以上のスピン過剰な方もいます。これらの方は飛距離が大きくロスしている可能性があります。
バックスピンが多ければ多いほど浮力があるということです。そのため、スピンが多すぎるボールは、上がりすぎてしまい飛距離が出ないのです。(いわゆる「吹き上がり」)
一方でバックスピン量が少ないと、浮力が足りず、すぐに落下してしまいます。結果として、キャリーが出ずに大きな飛距離ロスとなります。
そのため、基本的には2,200~3,000回転/分程度のスピン量を安定して打てるクラブ選びをすることが大切です。
*打ち出し角度さえ確保できれば1,900回転などの若干低スピンのほうが大きな飛距離を出すことができますが、基本的には上記の数字がアベレージとお考えください。
9度と10.5度は何が違う?
同じメーカー、同じモデルであっても複数のロフト角が準備されていることがほとんどです。特に9度と10.5度で用意しているメーカーは非常に多いです。
それでは、ロフト角が9度のドライバーと10.5度のドライバーを比較した際に、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
9度のメリット・デメリット
ロフト角が9度のドライバーのメリットは、打ち出し角が高くなりすぎず、スピン量も少ないという点です。その結果として、早い初速の打球を打ちやすくなります。
そのため、弾道が高すぎる、もしくはバックスピンが多すぎる人は、ロフト角が小さいドライバーを使うことで改善が見込める場合があります。
しかし反対に言うと、打球が上がりにくいというデメリットとも言えます。ヘッドスピードが速くない人が使用するとボールは上がらずに飛距離が落ちてしまいます。
また、上記でも解説した通り、ロフトが小さいドライバーほど、サイドスピンが強くかかりやすいです。そのため、スライスに悩む初心者の方などがロフト角の小さいドライバーを使うと、より大きなスライスとなってしまうのです。
10.5度のメリット・デメリット
ロフト角が10.5度のドライバーのメリットは、打ち出し角が高く、バックスピン量も多いため、高弾道な打球を打ちやすいという点です。例えヘッドスピードが速くない人であっても、クラブの性能で高弾道な打球を打ちやすいです。結果として飛距離の向上も見込めるでしょう。
また、サイドスピン量も抑えられるため、スライスになりやすいスイングを行ったとしても、ミスも最小限に抑えることができます。
一方で、打ち出し角の高さやバックスピンの多さがデメリットになることもあります。ヘッドスピードが速いパワーヒッターの方がロフト角10.5度のドライバーを打つと、打ち出し角の大きさとバックスピンの多さによってボールが上がりすぎることがあります。その結果として、大きな飛距離ロスとなるのです。
ドライバーを飛距離アップさせるためのスキルや練習法はこちらの記事で解説いたします↓↓↓
【レベル・スイング別】ロフト角の選び方
いきなり打ち出し角やバックスピンの量と言われても、困ってしまう人もいるでしょう。
ここではゴルファーのレベル別に、選ぶべきロフト角の目安を解説しているためご覧ください。
この数値でなければ絶対にNGというわけではありません。あくまで弾道やレベルに合わせるための参考とお考えください。
初級者は10.5度が目安
初級者の方は10.5度のロフト角を目安にドライバー選びを行いましょう。また、非力な方はもう少しロフトがあっても良いでしょう。女性の方ならば13度以上が打ちやすいです。
初級者の方はドライバーを打っても中々高い弾道で飛びません。ボールが上がらないということは飛距離が出ないということです。そのため、ボールが上がる性能のドライバーを使うべきと言えます。
また、初級者の方に多いのが、スライスです。そのため、大きなロフトのドライバーを使うことによって、サイドスピンの量を減らし、ミスを最小限に留めましょう。
このような理由から、初級者の方は上級者の方よりも大きめのロフト角のドライバーを使用することがおすすめです。
*世界のトッププロなどが稀に10度以上のドライバーを使用していることがありますが、彼らは強烈なハンドファースで打つことができるため、諸々の調整をした結果、10度を使用していることがほとんどです。
上級者は9~10.5度
上級者の方が目安とするべきロフト角は9度から10.5度です。
上級者の方はボールを上げる技術を持っており、スライスを過剰に怖がる人も少ないでしょう。そのため、初級者のように過剰なロフト角にする必要はありません。
検討する際は、ヘッドスピードを中心とした選び方を行うと良いでしょう。打ち出し角度さえ確保できればスピン量を減らす目的でもロフト角の小さいドライバーを使用したほうが飛びます。
おすすめは9度から10.5度が目安と上述しましたが、これは平均的なヘッドスピードの男性上級者を目安にしたロフト角です。
力が弱い男性は11度や12度という選択肢もあります。ヘッドスピードとロフト角の目安は以下で詳しく解説しているため、ご覧ください。
ヘッドスピードが速い人は9度
ヘッドスピードが速い人(48キロ以上の人)におすすめのドライバーのロフト角は9.0度もしくは9.5度です。
ヘッドスピードが速くなれば早くなるほど、打球に弾道が付き、バックスピン量が多くなる傾向があります。それにも関わらずロフト角が大きなドライバーを使用すると、高い打ち出し角とスピン過剰によって、飛距離を大幅にロスしてしまいます。
そのため、打ち出し角が低く、スピンが少ない、小さいロフト角のドライバーを選びましょう。
一方で、サイドスピンが多くなるという特性もあるため、安定した打球の方は9度、スライスが怖い人は9.5度が目安です。
中には8.5度などを選択している方もいます。もちろん、打ち出し角や回転数の面では最適という可能性があります。しかし、ロフトが小さいほど、横へのミスの許容性が少ないクラブということを理解した上で選択しましょう。
ヘッドスピードの平均値は?速く振るためのコツも解説いたします↓↓↓
ヘッドスピードとロフト角の目安は?
ロフト角を選ぶ際の大きな目安はヘッドスピードです。
ヘッドスピードが速い人は、ボールが上がりやすく、回転数も多い傾向にあります。そのため、ロフト角が小さい(9度~9.5度)ドライバーを選ぶことが有効です。
一方でヘッドスピードは速くない人は、クラブの性能で弾道を上げるという選択がおすすめ。
あくまで参考にしていただき、具体的なヘッドスピードとロフト角の関係は上部の表をご覧ください。
以前は「ロフト角が小さいほうが上級者」という意見がありましたが、実際はそうではありません。
男性のトッププロであっても、ロフト角10度以上のドライバーを使っている人もいるので、それぞれに最適な角度を選びましょう。
プロゴルファーのロフト角まとめ
ここまで、ロフト角の特徴や、レベル別に適したドライバーのロフト角の選び方を説明しましたが、トッププロはロフト角が何度のドライバーを使用しているのでしょうか。
■松山英樹
2021年マスターズを制した松山英樹プロはロフト角9.5度のドライバーを使用しています。
・【スリクソン】スリクソン ZX5 ドライバー(9.5度)
■石川遼
攻めのゴルフの印象が強い石川遼プロはロフト角9.0度のドライバーを使用しています。
・【キャロウェイ】キャロウェイ マーベリック440(9.0度)
■今平周吾
2018年,2019年と賞金王に輝いた今平周吾はロフト角10.5度ドライバーです。ロフト角が±1度の調整が可能なモデルですが、大きめのロフト角と言えます。
・【ヤマハ】RMX 116 ドライバー(10.5度)
■池田勇太
国内メジャー3勝を含む計21勝を誇る池田勇太プロはロフト角9.5度のドライバーを使用しています。
・【スリクソン】スリクソン Z785 ドライバー(9.5度)
■フィル・ミケルソン
米国45勝、海外メジャー6勝という実績を持つフィル・ミケルソンプロは、なんとロフト角5.5度のドライバーを使用しています。47.9インチという長さも注目されています。
・【キャロウェイ】エピック SPEED ドライバートリプルダイヤモンド(ロフト5.5度)
■アダム・スコット
マスターズ制覇を含む米国14勝のアダム・スコットプロはロフト角10.5度のドライバーを使用しています。ロフト角が大きい分、非常にスピン量が少ないモデルを使用しています。
・【タイトリスト】TS4 ドライバー
ドライバーのロフト角は、打球の弾道やサイドスピンに大きく影響します。ドライバー選びの要素として非常に重要な要素と言えるでしょう。
もちろん、弾道を決めるのはロフト角以外の要素もあります(ヘッドの重心やシャフトのバランスなど)。しかし、弾道を決める非常に重要な要素であることは間違いありません。
当記事では、ロフトの大きさによって生まれる違いや、レベル別のロフト角の選び方を紹介しました。
ドライバーのロフト角が合っていないと、大きな飛距離ロスや、左右へのミスの原因となるため、正しい知識を身に付け、後悔しないドライバー選びを行いましょう。